本日は2014年3月24日の自己批判について、現段階での報告をしたいと思います。
1.経緯
(1)私の半年前の2013年10月17日の日記、「コンドームの効果を、技術者視点で娘に淡々と語れる人」のアクセス数が増大し(原因不明)、これに伴う、賛同と批判のメッセージが集ったことに端を発します。
(2)その批判メッセージの中にある、「烏兎 @utory」さんからの、「嘘の流布である」旨のメッセージに対して、私は抗議を行いました。私はこの段階で「嘘」を、「虚偽の創作(フィクション)」と認識していました。(イメージとしては、「空想上の家族の会話」を「江端の脳内で作成した」という感じ)
(3)さらに、この抗議文を、3月22日の日記にて、「烏兎 @utory」さんを特定できる態様で公開しました。
(4)その後、「烏兎 @utory」さんからのリプライにより、私は、上記「嘘」が、「「虚偽の創作(フィクション)」でなく、記事自体に虚偽の内容(正しくない内容)が含まれている、という意味であることを理解するに至りました。私は間違った認識により、「烏兎@utory」さんに抗議を行い、さらに、名誉を傷付ける日記を公開していたことになります。
(5)私は、3月22日の日記を即座に削除し、併わせて「烏兎 @utory」さんに全面的な謝罪のメッセージを送付しました。「烏兎 @utory」さんからは、私の謝罪を受けいれて頂くことができました。
2.課題
(1)しかしながら、「烏兎@utory」さんの指摘する「嘘」の内容を、私が理解できていないという問題が残置していました。
(2)そこで、(名誉毀損をしておきながらずうずうしい話なのですが)、「烏兎@utory」さんに直接、その「嘘」の内容を教えて頂くことになりました。
(3)「烏兎@utory」さんのご指摘によって、私が現段階で認識している、私の2013年10月17日の日記、「コンドームの効果を、技術者視点で娘に淡々と語れる人」の記事の問題点は、以下の3つです。
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問題点その1:コンドームの保管方法に関する問題点
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→江端が記載した内容による保管方法では、コンドームが当初の機能を発揮することができず、避妊や感染症の予防ができない恐れがある。
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問題点その2:パワハラ、セクハラに関する問題点
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→江端家にて実施した、コンドームに関する父娘の態様は、パワハラ、セクハラに該当する可能性がある。
→江端家においては、父娘や夫婦の長年に渡る信頼関係や、特に夫婦による事前の徹底的な議論、話の進め方の徹底的なシミュレーション、娘へのこの会話への事前の同意確認、和気藹々とした雰囲気での家族の会話を実施したかどうかは問題ではなく(事実、ここまで配慮したが)、それは「特例扱い」とすべきでではないか。
→この日記を読んだ読者による安易な模倣行為により、子どもに心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症させる可能性は否定できない。江端は日記を公開するに際して、私的な開示(楽しく読める部分だけ公開する)だけではなく、それが(江端家だけの問題ではなく)公的に与える影響まで配慮する責任があるのではないか。
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問題点その3:HIVキャリアの方に対する偏見助長の問題点
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→HIV感染者の取り扱いを、かかるコンドーム使用の「恫喝」として使うということ自体が、(a)方法として正しくなく、(b)モラルとしても正しくない。
→これは、HIVキャリアの方に対する偏見を徒に助長する行為であり、行為自体が間違っている上に、それを公開することは、さらに間違っている。
(実はこの問題が一番難しくて(後述)まだ、この問題点については、総括が全く足りないという認識です。追って追記したいと思っています)。
3.現時点での対応
上記の問題の全ての指摘を、私は正当なものとして認め、現在、緊急非難的対応として、2013年10月17日の日記、「コンドームの効果を、技術者視点で娘に淡々と語れる人」のアクセス不可の対応を取りました。
現在、このコンテンツをどのように取り扱うべきかを、真剣かつ真摯に考えております。
4.今後の対応(予定)
(1)今週末を目処に、対応を決定したいと考えておりますが、その対応をどうするかについての検討が難航しております。
(2)当初、私の元の記事を全て無修正のまま残置して、指摘された箇所を特定した上で、そこを(自己批判付きで)訂正すれば、全ての人の利益になるだろうと、(安易に)考えておりました。
(3)しかし、上記(2)の方法であっても、どうしても解決できない問題「HIVキャリアの人に対する誤解、侮辱、人権侵害」だけは、どうしても回避できないことに気がつきました。この箇所に関して、私が「自己批判」の文を併記したとしても、「HIVキャリアの人」への誤解が、さらに拡散・蔓延する可能性を否定できません。
(4)「この日記をなかったことにして、全てを忘れてしまう/忘れて貰う」という手に傾きつつありますが、それはそれで、何も解決していないことになりますし、私自身、卑怯に過ぎないか、と
―― 本当に悩んでおります。
つまり、「問題点」は分かっているのですが、全ての人に利益を与える「解決手段」が、本当に分からないのです。どうしたらいいのだろうかと、ずっと考え続けています。
5.最後に
「烏兎@utory」さんに対して、再度の謝罪と、問題点指摘への感謝を申し上げます。
同時に、リベラル(進歩主義者)を気取っているはずの人間が、かように簡単にレイシスト(差別主義者)に堕することになることを、
―― 心底、恐怖しています。