先日、課長の代理で、主任研修を受けてきました。
テーマは「うつ病」。
なお、守秘義務があるので、背景や目的はお話できません。
# ウソです。説明が面倒なだけです。
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私のもっている「うつ病の症状」のイメージは、基本的に
■ゆううつ、悲観的、取り越し苦労、人に会いたくな等の、気分の低下
■イライラする、落ち着きがない、そわそわする等の、挙動不信
■おっくう、無気力、根気がない、関心、興味の低下、決断力の低下 等の、意欲の低下
などです。
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この症状、私にも出ましたので、理解できるのです。
加えて言うと、私の場合、
「やらなければならないという気持ちがあるのに、『物理的』に体が動かなくなったと」
ということがありました。
言うなれば
『マウスとキーボードとディスプレイのない、電源が入っているだけのパソコン状態』
という感じだったかと、思います。
あれは、怖い経験でした。
私の場合、運よく医者にも行かずに自己治癒したようです。
しかし「うつ病」だったというのは自己申告でしかありませんので、単なる外科的または内科的疾患だったのかもしれません。
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さて、話は戻りますが、その研修で「新型うつ」というのを聞いて、驚愕動転しました。
==========説明抜粋==========
日常生活や仕事、友達関係などがうまくいかなくて「自分を責める」という従来型と違って、『周りの環境や他人のせいにする』
特に、仕事場で多く、物事がうまくいかないことを『会社や上司のせい』にして、「会社が悪い」「上司が悪い」などの言葉が口癖のように言うようになる。
==========説明抜粋ここまで==========
『うん? 何故あんた(講師)は、
私(江端)のこと
を、そんなに良く知っているのだるのだ?』
と、その時本気で思った自分がいます。
この説明に、
『そういう不満を、毎日自分の日記で、ぶち上げている』
というフレーズがついたら、間違いなく、自分(江端)ことを言われている、と思ったでしょう。
==========説明抜粋==========
わかりやすく言ってしまえば、
「仕事中にだけうつになり、会社の外では元気」
というのが「新型うつ」。
==========説明抜粋ここまで==========
ん? ちょっと違うな。
私の場合、
『仕事中に怒っており、会社の外でも怒っている』
なら正しい。
# しかし、それでも立派な「人格障害」だよなぁとは自分でも思うんだけど。
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講師の先生が、最初に
「皆さんは、私の説明を聞いて、腹が立ってくると思いますが、先ずは我慢して私の話を聞いてください」
と前置きをして、話を始めました。
■一見人当たりがよく、会話を好む30代前後の男性。
■会社に対する忠誠心のようなものは持たず、なにか失敗や問題を抱えていても「会社のせいだから」「上司のせいだから」とクールな対処。
■「そもそも、私は、こんなチンケな部署にいるような人間ではないのだ」と、上司や同僚を人を見下す態度を繰り返す。
■体調不良で朝突然連絡をしてきて休むことが常態化している。
■インターネットで調べて、「私はうつ病だから当面休む。会社には私を保護する義務がある」と電話してくる。
■「うつ病」との診断書を持参して、「私はうつ病ですから、がんばれと言ったり、残業しろと言ったりしないでください」とはっきりと言う。
■これをもとに当然のごとく休職する。
■会社を休んで、合コンに出席しているところを同僚に見られてていたり、休職期間中に海外旅行をしていたことが、後で分かったりする。
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うん。はっきり言おう。
部下、上司、同僚関係なく、私はこいつを
『殴る』
まあ、法治国家では、暴力は問答無用で否定されるべきなので、言い直そう。
純粋な汚れなき真っ黒な悪意で、あらゆる手を尽して、こいつを
『潰す』
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と思っていたところで、講師の先生が、決めつけるように言いました。
『でも、けっして「詐病」ではなく、怠けている訳でもないのです』
『本当に完全な病気で、本人は心底、地獄の中にいるように苦しんでいるのです』
うーん、やるな。この講師。
説明が上手ぞ。
管理職の『管理』の意義と苦しさを、よく分っている。
閑話休題
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昨日の日記で私は以下のような文章を書いています。
<抜粋>
この時代にあって、今、我々に求められる力とは、
『あなたには、ついていけません。さいなら』
と言い放って、何もかも放り出して逃げだす勇気、
「逃走力」
かもしれません
抜粋>
新型うつ病の病症って、私が上で書いている「逃走力」と同じではない、とは言い切れないと思うのです。
私が啓蒙するまでもなく、私の主張していた「停滞主義」「転向力」そして「逃走力」は、
私が望んでいた形とは全く違う方向(絶望的に悪い方向で)で、
しかも、
現代病の病理として、
すでに確実かつ着実に進行していたのだ、と思えるのです。
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この病理が着実に広がりつつあるこの社会においては、
■組織的なモラルを規範とし、
■自罰的なルールを自分で勝手に創作し、
■それを守るという律儀さ
なんぞは、もはや欠片もない―――。
「日本赤軍」や「オウム真理教」などの、狂信的なテロ集団は、もうどうやったって、その組織を維持できまい。
構成員は、そのテロ集団の幹部に、
(1)「私はうつ病だから当面休む。日本赤軍/オウム真理教教団には、私を保護する義務がある」と電話してきて、
(2)「うつ病」との診断書を持参して、「私はうつ病ですから、
■がんばれと言ったり、
■誰かを拉致しろと言ったり、
■どこかに爆弾しかけてこいと言ったり、
■誰かを暗殺してこいと言ったり、
しないでください」とはっきりと言う、と。
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ありとあらゆる組織は、これから、この病気で活力を失っていくでしょう。
そして、その組織の中には、多分「テロ組織」も含まれる訳で ―
― そして、こんな結論は、身も蓋もないのですが、
世の中の事象は、悪いこともあれば、いくつかは良いこともある、と。