まんがライフ12月号の「ラーメン大好き小泉さん」に、今回、天下一品のラーメンが登場しました。
私が、学生時代、京都の街で、何度、この天下一品のラーメンを食してきたことか。
天下一品は、学生の私の散財に対して、株の一部を譲渡しても良いくらいだ、と思う。
特に、試験やあるいはレポート提出前日の徹夜を覚悟する為に、腹を括るために、わざわざバイクで、岩倉から一乗寺(天一本店)まで食事の時間をいれて、約1時間を費やし ――
―― はっきりいって、バカ
そんな時間があるなら、勉強するか仮眠を取るのが正解です。
だが、あの天下一品のこってりラーメンには、我々に奇跡を起こしてくれるような錯覚を起こさせる「何か」があったのです。
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「ラーメン大好き小泉さん」を読んでからというもの、「天一ラーメン」の悪夢に苛まれました。
そして、本日やっと、出張先の秋葉原から、一番近い神田店を見つけだし、携帯ナビを使って、やっと天一ラーメンに辿りつきました。
学生時代の当時、友人の前で、ラーメンの大盛りを頼むことは勇気のいる行為でした。ましてや、唐揚げ付きの定食で頼むことなどは、「ブルジョア」の汚名を着せられるも同然の暴挙でした。
『この反革命分子が! 貴様みたいな奴に、真のプロレタリア革命の戦士たる資格はない! 』
などと言う友人は ―― 勿論、一人もいなかったのですが(生れてくるのが15年ほど遅かった) ―― ある時期、自治寮の寮長なんぞもやっていたんで。
私の中の内なる声が「唐揚げ定食メニュー」を遠ざけていたのです。
しかし、今の私は、大手電機メーカの主任研究員。
組合員を弾圧する(こともできる)中間管理職員であり、そして、妻と二人の娘を有する小市民、プチブルの見本のような者です。
もはや、私が、天下一品ラーメンを「唐揚げ定食」として注文しても、何人たりともそれを妨げることはできません。
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美味しかったです。
本当に美味しかったのですけどね。
でも、学生の頃ほどには、美味しいと感じませんでした。
何が足りなかったかと問われれば、それは「後ろめたさ」だと思うのです。