半年前に、実家に入ってきた泥棒を、たまたま帰省していた私が取り押さえました。
その時は、捕まえたその泥棒を動けないように、ひもで縛っておいたのに、逃げられてしまいました。
先日、帰省した時、驚いたことに、同じ泥棒が、同じように実家の家の中に入り込んでいたところにバッタリ出会いました。
今回も私が取り押さえて、手と足を縛って、テーブルの下に放り込んでから、警察に電話しました。
ところが、今回も、また逃げられてしまいました。
変だと思って、父を問い詰めたのですが、明らかに何かを知っている風なのに、分からん振りをしていました。
また、母も何か知っているようでした。
その時、隣りの家のおじさんがやってきて、私に話があるのでついてきてくれ、と言い出しました。
「今、忙しいから」と断わったのですが、どうしてもというので、一緒に付いて外に出たところで、おじさんが大きな石を振り挙げて、今、まさに私の頭にぶつけようとしていました。
「何をする!」と言いながら、飛び跳ねながら、おじさんを蹴り付けました。
しかし、おじさんも、何か本気で私に怪我をさせようという風には見えず、なにか「ふり」をしている風に見えます。
まるで、「反撃してした私に殺されたい」というような感じすらしました。
おじさんが倒れたところに落ちていたカップを口にしようとしたのですが、私は反射的に、そのコップを叩き落しました。
なぜか。私には、そのコップに毒が入っているのを知っていたようです。
「何があったんだ! 一体、皆、何を隠しているんだ!!」と、おじさんの襟(えり)を掴んで、揺さ振りました。
すると、おじさんは、深く溜息をついて、ポツリと言い出しました。
「・・・、そうだな、もうそろそろ話す時が来たかもしれない。あの
『黒い苺(いちご)』
の話を」
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と言う、夢を見た話を、家族にしました。
みんなが「おおーー!凄い!!」といって、続きを聞きたがりました。
嫁さん:「で、何がどうなっていたの」
私 :「そこで目が覚めたから分からん。誰より、私が、この話の真相を知りたい」
長女:「凄いなぁ、サスペンス小説じゃない。『黒い苺(いちご)』というのが真に迫っているよね」
私 :「なんかね、私以外の登場人物の全員が、真相を知っているのに、自分だけ知らないんだよね」
嫁さん:「もう一度寝れば、続きが見られたかもしれないのに」
私 :「試みたのだけでど、眠れなかった」
次女は、パソコンを立ち上げて、この話を短編小説として書き出していました。
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「真相と犯人が分かったら、教えてよね」と、次女に声をかけて、自分の部屋に戻りました。