私は占いというものを信じない訳ではないのです。
統計学(例えば、平均から2σ(標準偏差)に入る確率は66%とか)、あるいは、物理学(良いこと悪いことは、概ね同じスカラー量で周期的に繰り返す)という要素に、各個人の属性やら、環境やらを考慮した、一種の長期トレンド分析と思っているからです。
しかしですね、そう考えると「今日の運勢」というのは、理解しにくい訳です。
星座や血液型によるカテゴライズに、意味があると(無理やり自分を納得させて)仮定しても、24時間以内の事件推測は、かなり(というか、絶望的に)難しいと思うのです。
「検証をする」とまでは言わないのですが、その占いに至った「根拠」を知りたいのです。
# 別に論理的に破綻していても良いし、嘘でも良いのです
## 土星と木星の視野が30度以内に入ると、そこから惑星間オーラが
地球に及び、この惑星オーラは、平均気温11度の環境で生まれた「さそり座」の、特に血液にA0,B0型血液に影響を与えるから、とか(めちゃくちゃ、凄く嘘くさいけど)。
根拠のない結論って、気持悪いんです。
その上「今日の運勢は最悪です」と言われて、鼻で笑い飛せるほど達観してもいませんし。
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「今日の運勢」の価値は、別のところにあると思います。
「上から落ちてくるものに気を付ける」
「黄色のTシャツがO.K」「水色のハンカチはN.G」
「好きな人から告白されるかも」
「人からあらぬ疑いをかけられるかも」
こんな文章よく作れるものだ、と、本当に感心します。
私も駄文創作力では右に出るものは、国内に2000人くらいしかいないと思いますが、「今日の運勢」に登場するこの脈絡のないセンテンスを作り出すのは、大変な努力と(おそらくは、相当なストレス)もあると思います。
読んでいる人に、「おや?」と思わせるような意外で気を引くようなキーワード、普段気がつないようなアイテム、世間の殆どの人が体験し得る生活の事象を取りあげるなんてのは、そんな簡単にできるものではありません。
# 『「素敵な彼氏に会えるかも!」 → 可能なら、会いたくない。』というものもありますけどね。
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「今日の運勢」は、文学であり、著作権の保護対象となる、と思います。
著作権法第2条1項
著作物 思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。