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2013-03-26 我々は「努力」などしたくはないのである [長年日記]

何度か書いたと思うのですが、

人類はコンピュータを自分の手に入れることで、きっと幸せになれると思っていたと思うのです。

たぶん家計簿とか、手持ちの株の運用とか、いつでも好きな本が読めるようになるとか、自動的に掃除をしてくれたり、介護を全部代行してくれるロボットとか、

そういう未来を期待していたと思うのです。

で、その未来は、かなり多く実現されたと思うのですけど、我々には見落していたこ とがあったのです。

―― まさか、そのようなメリットを得る為に、そのメリットを遥かに越えるような、血の滲むような努力が必要になるということ

を、です。

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なんで、家計簿をつけるくらいのことの為に、「家計簿ソフトウェア」の勉強をしなければならんのだ。

で、大抵の場合、思い通りに動かん、ときたもんだ。

さらに、そのソフトウェアの開発会社は、頼みもしないのにバージョンアップを繰り返し、折角覚えた手順を全部パーにしてしまう、と。

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ソフトウェアを開発している会社に対して、

「バージョンアップ差止請求訴訟」というのを起こす人がいないことを、私は心底不思議に思っています。

または、「インタフェース変更の損害賠償請求訴訟」など、本気でやる価値はあるのではないか、と思っています。

「操作が簡単!」が売りになる業界って、はっきり言って我々を舐めていると思うのですよ。

コンピュータは、「操作」という概念すらない世界を実現しなければならなかったはずです。

これは、単に「バージョンアップしなければいい」という問題ではないのです。

OS(オペレーティングシステム)のサポートを止められたら、当然、そのソウトウェアも同時に利用不能。我々の膨大な勉強の時間は、ドブに捨てられるのです。

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しかし、これを逆から見れば、ビジネスチャンスです。

「我が社は、頑固一徹。あなたが生存している間、絶対に仕様を変更しないソフトウェアを提供し続けます」

「どんなハードウェアやパソコンチップが登場しようが、完全同一のOSを提供して追従を続けます。そして、現状のアプリケーションの仕様を1ミリ足りとも変更しません」

うん、私なら、全財産叩いても、この会社の株を買ってもいい。

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いい加減に「ソフトウェアの操作方法の学習」という「非生産的行為」から、人類を開放して欲しいのです。

我々は、コンピュータの「メリット」を受けたいだけで、「努力」なんぞしたくはないのですから。