特許協力条約(PCT : Patent Cooperation Treaty)は、手続の複雑さを理解することを諦めてしまえば、その制度趣旨や効力は、大変素晴しいものだと思っています。
まず。複数の国に出願する場合に、(とりあえず)一つ特許出願しておけば、世界中のPCTの加盟国に対して、出願の「唾つけ」ができるという点が凄いです。
さらに、最終的に「どの国に出願しよーかな~~」と考える時間が2年6月もの長い間与えられるというのは、出願人にとっては大変助かるのです。
何故なら、特許出願した発明が「当たり」そうか「ハズレ」そうかを、その2年6月待っていれば良い訳ですから(「ハズレ」そうなら、ほっとけば、そのまま取下扱いとなります)
ま、細かいことを言いだすときりがないのですが、1世紀以上の前に制定された「パリ条約」を援用した、パリ条約に匹敵する優れた条約である、と、私は信じています。
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さて、この制度を提唱した国、実質的リーダが、実は、我が国であったと知ったのは、先日のこと。
これは、本当に凄いことです。
IEFTのドラフトやらRFCなんぞ屁でもない。
間違いなく、これから100年のオーダで生き続ける国際的な特許制度のスタンダードであり、現在世界137ヶ国で現在進行形で動き続けている世界統一規約なのです。
パリ条約に匹敵するものを、前世紀の世紀末に日本人が作り上げたことを、もっと日本人(特に偉い人)は、自慢しまくるべきです。
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しかし、なんで、こんな凄い制度の名前が、"PCT(Patent Cooperation Treaty) 「特許協力条約」"なんて、出所の分からない辛気くさい名前なんだ。
その主導的立場の人の名前を入れたって良いと思うぞ。
# 例えば、「『江端』特許条約」とか。
ま、それは無理として、パリ条約、マドリット協定議定書、京都議定書・・・、全部、地域名を冠しているのですから、普通に考えると「東京特許条約」。
これはきっと、実存するものとしての「早口言葉」として、子々孫々と呼ばれ続けていくでしょう。
# 因みに、「東京特許許可局」という局は存在しません。
もっとも「東京」ではありふれているというのであれば、
「『霞が関』特許条約」、「『千代田』特許条約」・・・ふむ、案外つまらんものですね。
ここは、やはり「『溜池山王』特許条約」これですね(地下鉄の駅名)。
なんか良く分かりませんが、『梁山泊』のような、伏魔殿のような感じが良く出ています
このような自己主張が国際的にも許されるかどうかはさておき、改名権は我が国にあると思うのですが、いかがでしょうか > 特許庁長官殿