私はハンサムとか言う言葉からは遥かに遠いのですが、結構自分の顔が気に入ってい
ます。火曜サスペンス劇場に出てくる、悪役の青年実業家みたいで、とても性格とマッ
チしているとも思います。またエスニック系のほりの深い顔で、かつて中国旅行中には
こんなこともありました。
上海発ウルムチ行きの列車の中で、女子大生風の日本人の女の子の二人連れと話をし
ていたときのことです。
女子大生:「でも、本当に日本語がお上手ですね。」
江端 :「は?」
女子大生:「ウイグルの方でしょ?」
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つい5日前の京都駅、公衆電話をかけおわって駅の方に歩き始めた私に、南国系と
思われるカップルが日本語で話しかけてきました。
南国系:「アナタ、ニホンジン?」
突然話しかけられた私は、動転してして、頭の中にはラジオ英会話テキストが現れる始
末。
江端 :「ノオ、アイム、ジャパニーズ。」
しかし、これはすばやく会話の練習のチャンスと思った私は
江端 :「ドゥユウスピークイングリシュ?」
と聞き返しました。すると
南国系:「スコシネ」
と笑って答えてくれました。
何もお互い不得意な言葉でしゃべる必要もなかろうに、と気がついたのはもっとずー
ーっと後でしたけど・・・
そのまま立ち去って行く二人の背中を見ているうちに、私は数年前の「ウイグル人
事件」を思い出し大声で彼らを呼び止めました。そして急いで尋ねました。
江端 :「何人に見えました?」
彼らは、はにかんだ様なあいまいな笑顔を浮かべてぽつりと言ったのでした。
南国系:「・・ブラジル人」