消えたスキーツアー



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消えたスキーツアー

明後日の朝は真っ白いゲレンデに立っているのだ、と思うと何だか体が浮いてしまい そうなくらい楽しい気分になり、締切がクリスマスと言う憂鬱な原稿のことなど、すっ かり忘れ浮かれながら仕事をしていた、午後4時30分。

リリリリリーン

ちらっと、不吉が予感がした。

すがるような声になってきた。

ほっとして言うと、信じられないことを言われた。

電話の声は、その後も払い戻しの手続きやらをしゃべっていたようである。 が、放心状態の私には何も聞こえないのであった。 私の電話のやりとりを聞いていたユニットの人間の笑いが、高らかに響きわた っているのを、遠のく意識の中に聞いた様な気がする。

これで、私の今年のスキーは完全に終わった。 私のできることは天に向かって祈ることだけである。

「気温よ上がれ〜、雨よ降れ〜、日本の雪を全て溶かし尽くすのだ〜〜!!!」

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ここ2、3年、酷く暖かい冬が続いているような気がします。 これは、地球温暖化現象のせいなのでしょうか?

そのうち、

「おじいちゃんの若い頃はな、日本の中でもスキーができたんじゃ。それはもう 若者たちが狂ったようにスキー場に集ってなぁ。」
「お義父さん!やめて下さい!、子供にそんなデタラメを教えるのは!!!」

なんて時代にならねばよいが。



Tomoichi Ebata
Sun Feb 4 19:02:12 JST 1996