改革



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改革

あなたは、先日の選挙の投票に行かれましたか?

 

投票日の一週間前の日曜日のこと。私はT駅の前のTQ百貨店に来ていました。 駅前では、S党の立候補者が宣伝カーの上で一生懸命演説をしていました。

いつもなら、そのまま素通りするところですが、なんでも私と同じ年の『若手』候補 者と言うのが気に入って、ちょっと立ち止まって彼の演説を何となく聞くことにしまし た。

(もう、『しょうがない』とは思っているけどなあ。)

(遅いよ、あんた。私は前首相Tが逮捕されたときにピークだったけど。)

(はぁ?)

(ああ、そういうことね。)

(う、うむ。正論だ。) 少したじろぐ私。 

(ふむ・・・) 考え込む私。

(た、確かに。) 盛り上がる私。

(し、して、その具体的な方法は!!) 体を乗り出す私。

(それで!!交通管制システムの開発か?、道路の拡張か?あるいは交通機関の根本 的な見直しか?、都市基本法の制定?)

(あたりまえだろう。はよ結論に入れ!)

(だからぁ、何をどうするのさ!!)

といらいらしながら聞いていました。そして、

と、最初の発言に戻ってしまうのです。この繰り返しが3回目になったとき、私は私 の友人が、大衆の面前で「私は何も考えていない愚かな人間です。」と大声で恥を晒 しているようで、いたたまれない気持ちになって、そそくさとその場を立ち去りまし た。

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その日の夜、『まあ、いずれにしろ、こんな具体的なアプローチへの青写真すら持っ ていない奴に、投票はできんなぁ』と、電話で名古屋の友人としゃべっていたら、逆に 説教されてしまいました。

『あんたねえ、今回の選挙はみんながみんな「改革」を叫んでいるだけって知っている ? しかも、その「改革」とやらは、「選挙制度の改革」なのか「税制の改革」なのか 、「政治資金規制法の改革」かも誰も何にもいっていないのよ。
そのアホは、通勤ラッシュと交通ラッシュを口にしただけ、まだマシよ。』

なるほどねぇ。と納得してしまった私です。

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そんなわけで、今の私は、ちゃんとビジョンを示してくれる候補者がいたら、「これ らの問題を解消するためには、あなたの家を燃やして土地を潰して道路を広げなけれ ばなりません!」と言われても、 『喜んで私の1票を差し上げますわ』

と言う気持ちになっています。



Tomoichi Ebata
Sun Feb 4 19:02:12 JST 1996