今日もツールは思うように動いてくれませんでした。
夜残業のモードに入る10時まで、画面表示系プログラムと格闘して、ほとほとに疲 れ果てた私。
今日は12時間も連続でディスプレイを見ていたことになり、子供のテレビの見すぎ
など、比較にならないほど目と身体に悪いはずです。
(大見得切って、新システムの移行を宣言したからには、ちゃんと動かさないとなあ)
あと2週間で、もう一つシミュレータを作るなんて、本当にできるのか、かなり心配 になってきているところですけど、旧システムをボロクソにこき下ろした手前、死ん でもやり遂げないと・・。来週の週末の出社は確実だな・・。
仕事で疲れることはたいして構わないのでですけど、デバックで疲れた日は必ず寝付 きが悪く、4、5時間も寝ると睡眠不足のまま目が醒めてしまいます。当然翌日は、朝 から最低のコンディションで出社することになり、当然一日中身体が辛くなります。
最近の仕事がオーバーワーク気味になってきているのは気がついてはいたのですけど
、何かをやっている方が色々と考えることが少なくて済むようです。
身体を引きずるように寮の正門の暗唱番号を押して、ドアを開ける。
げた箱の中には学会誌と一枚の葉書と、宅配便の伝票が一枚
差出人は、大学時代の研究室の後輩の女の子。昨年10月に同じ研究室の後輩と 結婚して、夫婦で研究室OBの連絡を取り持ってくれています。
先日京都送り火の時にも、おうちにお世話になったばかり。
(あれ、送り火の日に本でも忘れてきたかなあ?)
しかし伝票をよく読むと、内容物は『日用品』となっています。
(日用品?)不審に思いながら、玄関のブザーを押して管理人さんを呼ぶ。
「江端ですけど、荷物をお願いします。」
管理人さんが持ってきたのは、大きな大きな手提げ袋。
(おいおい!)
どうやら、これは忘れ物ではないようです。
部屋に戻って、手提げ袋を開いてみると、そこにはお宝がざっくざく。
上から、
「とんがりコーン」「マグヌードル」「ハッピーターン」「大東あられ」「東鳩タコ焼
きスナック」「エースコック豚キムチ」「ソフトさきいか」
そして、下の方には、
「日清焼きそばUFO」「歯医者さんが考えた歯ブラシ・リーチ」「ホワイト・アンド
・ホワイト」「デンターT」「酵素パワーのハイトップ」
そして、底には、今年の夏に海の近くに実家のある後輩の家に大挙して押しかけて、 ゼミのOB7人が集まって、海で撮った写真が9枚入っていました。
色々なことがあった夏の思い出の中の、最も楽しかった日が戻ってきます。
砂浜を歩くと、砂がキュッキュッと鳴く『鳴き砂』の海岸に降り注ぐ夏の日差しは、 冷夏であった今年の夏の中で、ひときわ射刺すように熱かったし、後輩とその妹君の水 着姿はひときわ、際立って眩しい夏そのものでした。
後輩の実家で出して貰った、アワビ、イクラ、ウニの新鮮な海の幸の数々。仲間と笑 いながら飲むビールは最高に美味しかったし、フィアンセを連れてご飯だけ食べに来た 図々しい先輩は、打ち上げ花火を見ている間、私が誠心誠意に冷やかそうが、からかお うが、決して彼女の手を離しませんでした。
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そうか、「日立こぼれ話」やら「江端さんのひとりごと」を送るのに、文章が多くな
ってきて、財政的に苦しくなってきたとと言っていたのを覚えていてくれんたんだな。
荷物を部屋一杯に広げて、ひとしきり部屋で大爆笑した後、ぼんやりと思い浮かべて
いました。
まだ大丈夫。今がどんなに苦しくても悲しくても、きっとここから抜けれる。
また、何かを失って悲しいときがあるかも知れないけど、こんなにも分かりやすい応援 をしてくれる仲間がいるじゃないか。
そう思うと、なんだかとても嬉しい気持ちになってきてしまった私です。
今度友達が困っていたり苦しんでいたり悲しいときには、こういう慰め方をして上
げよう、と思いながら楽しい気持ちで床につきました。
その夜、久しぶりに深い眠りにつくことができました。