しかし、その『変っていない』ことが大問題なのです。
既に述べましたが、私は神戸が復興するか否かに関しては、あまり心配していません 。心配で仕方がないのは、食料のないテント暮らしを余儀なくされている避難所の人達 のことなのです。
テント生活と言うのは私の経験から言うと一週間が限度です。地面は冷たく室内温度 の管理はできず、朝方にもなれば氷点下まで室温が下がります。結露した水がぽたぽた と落ちて来ますし、湿気が多くてじめじめします。寝返りが打ちにくいので、筋肉が痛 み骨がきしむ音がするほどです。もちろん衛生的にもよくありません。それでも若者の 体力なら持ちこたえるかもしれません。しかし、私が今回訪れた避難所のように、70 や80を過ぎた老人がほとんどの場所で、彼らがこの様な生活がどれくらい耐えられる か?と思うとぞっとするものがあります。
被災地の生活は、『命を救うフェーズ』から、『命を維持するフェーズ』に変わりつ つあるように思います。過労死、心労死は多分避け得ないでしょう。その様な悲しい死 をどれだけ少なくして復興までこぎつけるかが『命を維持するフェーズ』の課題のよう に思います。
「ボランティアは、最後の一人が安心して住める家に入るまで、最後まで支援をし続 けるのだ。」と言う安心感を与えるためにも、また、仮に具体的に役に立てるようなこ とが何も無かったとしても、ボランティアの存在意義は絶対ある!と私は考えています 。
私の持っている情報でお役に立つものがあれば、喜んで提供させて頂きます。