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2013-05-09 真の愛を求めて [長年日記]

私が嫁さんにプロポーズした後、結婚に至るまで、あまり大きな障害はなかったです。

でも、「小さい障害」は、いくつかありました。

「大きな障害」というのは、この場合、嫁さんのご両親の承諾を頂くということですが、こっちは結構すんなり行きました。

私は学生時代、 「ささやかに過激」でしたので、ちょっと気にしていました。

結果としては、全く問題なく結婚を許して頂きましたが。

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私の場合、いくつかのラッキーな要素が重なりあって、結婚に至れたのですが、その中でも特に、お義父さんの判断基準となったのが、「私の就職先(大手総合電機メーカ)」だったこと、だそうです。

―― ふーん、そういうものなのかなあ

「私」でなく「私の属性」で判断するということに、なんとなく違和感を感じていたのですが、まあ、「私の両親の世代の価値観」って、そういうものかもしれないな」と思っていました。

そして、今。

私は、この考え方が、「世代の価値観」ではなく「普遍的な真理」であることを知っています。

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いいですか、この私が、

曲りなりにも、大学の政治色の強い自治寮の寮長を努めた(途中で逃げ出しましたが)、この江端智一がですよ、

私の二人の娘達の結婚相手が、

『警察官か自衛隊員がいいな』

と考えるに至っているくらいなのです。

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この不確実性の時代にあって、「学歴」や「経済的な安定」なんぞでは、全然足りない。

強烈かつ理不尽な組織の理論でがんじがらめになり、自由を制限され、行動を規制されるような男が、娘たちの結婚相手であって欲しい。

そう、思うくらいに、私は保守的になっているのです。

もちろん、「売れない場末の芸人」なら、絶対に家から叩き出す。

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娘のつきあっている男の「人となり」を判断するのは、大変な上に面倒です。そもそも、そのような判断をするには、長時間に渡る、粘り強い付き合いが必要です。

しかし、私は、家族全員から「人間嫌い」と認定されている者です。人間を観察し、判断するのは、正直面倒なのです。

そんな私の、てっとり早い判断基準は「ブランド」です。信用が化体したブランドを選択する方が、簡単で楽チンです。

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昔、同期の仲間で飲んでいた時、「結局、私は私自身でなく、私の属性のお陰で結婚に至れたんだろうなー」とつぶやいた時、

私の同僚の一人は、私を汚いものを見るようにして、「そんなものは『真の愛』ではない」と吐き捨てるように言いました。

確かにそうなのかもしれません。結果として「属性」を利用した私は「汚ない」のかもしれません。

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この話は、上記の結論で閉じて良いのですが、一つ付け加えることがあるとすれば、彼は未だに独身ということでしょうか。

「真の愛」を求めて続けている(のかもしれない)彼を、今でも、私は、心の底から応援しています。