小学4年生の娘の学習塾の算数の問題が難しいです。
面倒ですが、質問されたら逃げる訳には行きません。我が家で唯一の理系でもあるし。
まあ、この手のお話の定番のお話は、
問い:A君とB君は、150本のジュースを何本づつ飲むことができるでしょうか。
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答え:A君とB君は、1本のジュースを飲めれば、十分満足である。
というものが多いのですが、本日のお話はちょっと違います。
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■折り紙を重ね合わせて、その面積を求める問題
などの問題では、キレイで正確な図を書けれないと、問題のイメージを把握するのに失敗します。
■定数が決っていない(上限と下限は判っている)ような、箱詰め問題
の場合、初期状態を設定して、条件を変えながら、その変化量から回答を求めることになります。
前者は、正確な正方形や三角形が書けないと上手く説明できないし、
後者は、最初の3回くらいは実際に計算しなければならず面倒です。
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私は、娘に、これらの問題を解説するのに、解答は読まずに、
「パワーポイント」と「エクセル」
を使います。
コンピュータを使うことに無条件に非難する人が出てくるのは承知なのですけど、私は、多分、どんな塾の講師より分かり易く手く説明している自信があります。
「よし、正方形が3つの場合は、こうなるな。では4つにしてみよう。どの部分の面積が増えて、どこが増えないままになっている?」
「よし、今度は箱を一つ増やしてみよう。余ったミカンの数は、前回と比較して、どれだけ増えている?」
この解説方法のポイントは、子供に解説する際に「解答が『動く』」という点にあります。
そして、子供が理解できなかったら、簡単に最初の状態に戻れる(Undo機能)という点でも優れています。
解説を読むだけではよく分からなくても、目の前で、図形を増やしたり減らしたり、数値を1つだけ変えてみたり、そして、その数値の列を10個同時に表示してみたりすれば、
―― そりゃ、理解できるに決まっている
生徒の目の前に、折り紙があって、ミカン箱があるのと同じ環境を実現するのだから。
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一方で、私は、CAI(computer-assisted instruction:コンピュータ支援教育)のソフトウェアを使った教育は、100%失敗すると確信しています。
なぜか。
私の二人の娘達が、DSソフトで購入した英語やら絵画やら算数やらのソフトは、例外なく、1日で使用されなくなってきたからです。
普通のテキストでも勉強しないのに、DSソフトなら勉強するようになって、成績が上がったという子供がいたら、
―― たった、ひとりでいいから、教えて
日本国内なら、私が自腹を切ってインタビューに参上して、私の技術コラムで紹介させて頂きたいと思います(本当)。
CAIなんぞは、「金はかかるし、人は集りゃしねーし、かったるくてやってらんねーよ」というような、企業のセキュリティ教育とか、環境教育などを、アリバイ的にやる為のツールです。
大人ですら真面目にやりゃしないものを、子供がやる訳がない。
ちょっと考えれば分かりそうなものです。
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私はCAIなんぞをやっている訳ではないのです。
単に、黒板(白板)の代わりに、パソコンの画面を使っているだけです。
子供と会話をしながら、パソコンで「キレイな図」「正しい計算結果」を表示しているだけです。
簡単に消して、やりなおして、作り直して、解説する。
理想的な学習装置とは、やはり「黒板(白板)+教師」のコンビネーションであることには変わりはないのです。
ただ、私の場合「パワーポイント」「エクセル」とは20年以上のお付き合いで、30秒もあれば設問の図を書けますし、シートに計算式を埋め込むことができます。
このやり方を一般化しろというのは、乱暴な話であることは承知しています。
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世の中には、紙と鉛筆を使うことに意義があると信じている教師や保護者もいるようですが、「バカ言ってるんじゃねーよ」と思っています。
算数の目的は、問題解決手段能力の向上にあります。
その理解の方法が、紙であれパソコンであれ、そんなもんはどーだって良いのです。
大切なことは「子供に『分かった!』と言わせれるかどうか」、この一点のみです。