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2018-02-17 シュタインズゲートに登場する「世界線」、使い方間違っているぞ。 [長年日記]

_ 疑問:コンピュータの中で作り出した仮想世界で「流れる時間」(×時間、×時刻)の概念を現わす用語を「世界線」といって良いか。


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(1)調査結果
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(その1)

定義:「世界線」は簡単にいえば、物質が「時空」の中を動く経路を線であらわしたもの

具体例:

(1)X軸が時間、Y軸が距離と座標軸を決めて、右上がりの直線のグラフをを書いた時のグラフの線が世界線。
(2)このグラフは、物体の目に見えるままの運動を表していない。
(3)時間と空間を組み合わせた速さを表現している。速さという目に見えない抽象世界を表現している

その他:
ニュートンの古典力学は、時間と空間を個別に考えていた。比して、アインシュタインが提唱した相対性理論では、時間と空間は一体化して「時空」と考えるようになり、時空を移動するという抽象概念として「世界線」という言葉がつくられた


(その2)
定義:4次元時空の中で動く粒子の軌跡(ただし、4次元時空とはミンコフスキー空間)

具体例;
(1)3次元時間(x,y,z)という概念に時間(ct)を取り入れたx,y,z,ct(時間)を4次元空間と呼び、これをミンコフスキー時空という。
(2)空間と時間の各成分の2乗を足すときに、時間の前の係数を-1 にして足すことによって不変量、すなわち長さを求めることができる。計量の各成分の符号が異なるような空間をミンコフスキー空間とよび、また、その計量はミンコフスキー計量という。

その他:
ミンコフスキー空間によって、時間と空間をゴチャにした(アインシュタインの相対性理論の)概念がキレイに整理される(高校レベルの数学で)

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(2)結論
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●コンピュータの中で作り出した仮想世界に「流れる時間」(×時間、×時刻)の概念を現わる用語を「世界線」と呼ぶのは妥当ではない。

●(迂遠ではあるが)ここは素直に「仮想世界時間」であり、その時間の概念は「仮想世界時間軸」と呼ぶことにする。

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(3)その他
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■英語にすると、これが長くて、特にパワーポイントの改行がウザい (正直これが辛い。私は論文で略号を使うの嫌いな人)
「世界線」→"world line" 「仮想世界時間軸」→ "Virtual world time axis"

■シュタインズゲートに登場する「世界線」、使い方間違っているぞ。
α世界線 → α世界 / α世界空間 あたりが妥当かと思う。
(「α並列世界」でも、ちょっと変だと思う。並列というからには、世界の時空ベクトルが同一方向を向いているという、暗黙の設定が入るから)

# (提言)岡部は仕方ないとして、紅莉栖は科学者なんだから、岡部に正しい用語の使い方を説明すべきだと思う。
# 少なくとも、相対論に精通している紅莉栖が「世界線」を使っちゃうのば、やっぱりマズいと思う。