働き方改革(17)
プロット
かつては福祉国家スウェーデンの不妊手術をはじめ、諸外国でも知的障害者は社会的に抑圧されてきた。ナチス・ドイツにおいては他の先天性障害者とともに民族の血を劣化させるものとされ、T4作戦等による安楽死が実行された。
雇用者数の「水増し」
最終的には国の28の行政機関で3700人分が水増し算入
障害者を1人以上採用する義務がある教育委員会や警察本部、企業局を含め計約2600機関を対象に実施した。4万9689・0人とされていた障害者雇用数は4万5879・5人に減り、全体の平均雇用率は従来調査の2・40%から2・16%に低下した。
教育委員会が2359・0人と水増しの6割を占め
市区町村は2・44%から2・29%になり、当時の法定雇用率2・3%を下回った
前著から大きな進展なし。障害者児者の経済学と言うけど、税金がどれだけ使われているのかデータの紹介がまったくなく、コストが有効に使われているのか理解できない。例えば、障害福祉サービス利用料の自己負担が極端に低い実態とか紹介されていない。医療・介護分野のようにもっと財政的な観点を抜きに障害者の経済学を論ずることができるとは思えない。財政観点視点からの分析を望む。財務省分科会も以下のように書いている。
財務省 財政制度分科会(平成29年10月25日開催)資料 88ページから
○ 障害福祉等に係る利用者負担については、累次の軽減措置により大幅に軽減され、現在、給付費全体に占める利用者負担額の割合は、0.23%、利用者負担のない者の割合は93.3%。
○ 利用者負担が非常に少ないことは、コストインセンティブが働かず、供給サイドによるサービス増加や、質の低いサービス供給につながる側面も持ち合わせているのではないか。
○ 平成18年の障害者自立支援法(現?障害者総合支援法)の施行以降、障害保健福祉関係予算は急増。
○ 平成29年度予算額は、平成18年度の2倍強に当たる1兆7,495億円(対前年度+1,150億円、+7.0%)となっており、29年度予算額の
対前年度増の大半は、自立支援給付の増(+689億円)、障害児施設給付費等の増(+382億円)によるもの。
○ 平成29年度予算額は、地方公共団体の負担等も含めた事業費ベースでは3兆円を超える規模に達している。
○ 自立支援給付は、生活面(訪問による家事等の援助、施設における日中活動、外出や在宅時の付添・見守り等)、住居面(入所支援やグループホーム)、就労面(就労のための訓練や就労の場の提供等)といった包括的な支援をほぼ自己負担なしで提供。その他、収入面(障害年金等の支給、特定の医療の自己負担免除等)の支援も存在。