「MATSimのシミュレーションが動いているところまで確認する」のメモ

1. 本書の目的

2022年の年末の間に、MATSimを使ってなんでいいので動くことを目標として、大晦日からずっと格闘してきました。

とりあえず地図の上で移動体(人だか車だか)が動いていることを確認することとしました。

本書の目的は、その経緯を記録しておき、後でこの「私」が再現することができるようにしておくことです。

2. 本書を使う上での注意点

2.1. MATSimが動いているのを確認すること

本書は、「MATSimの結果が動くところを確認できればいい」ということに特化しています。MATSimには色々な機能があるようですが、本書ではそれらのことについては、全部無視します。本書の正しい使い方は、「本書に記載されていることを、ただひたすら実施すること」です。

ちゃんと調べたい人は、以下のドキュメントをダウンロードして読み込んでください。

https://library.oapen.org/handle/20.500.12657/32162

2.2. 江端のPC環境について

Windows11 64bit を使っています。ダウンロードは、C:\Users\tomoi\Downloads(Windowsのデフォルト)としています。また、展開するディレクトリは、C:\Users\tomoi(私のPC上で)としています。

2.3. この本に至るまでに著者がドタバタと試してきたこと

これについては、https://wp.kobore.net/%e6%b1%9f%e7%ab%af%e3%81%95%e3%82%93%e3%81%ae%e6%8a%80%e8%a1%93%e3%83%a1%e3%83%a2/8471 でご確認下さい。

3. MATSimについて

交通系のマルチエージェントシミュレーションとして有名なOSSソフトウェアで、世界中で多く交通関係の研究者が使われているようで、業界標準的なシミュレータとしての位置づけとなっているようです。

日本では、東京大学からリリースしている論文の中でよく見られるようです。

(T.B.D.)

4. MATSim稼動環境の準備

4.1. javaのインストール

すでにjavaをインストールしている人は、本章をスキップして頂いて結構です。

私は、・https://adoptopenjdk.net/index.html から、64bit版WindowsJDKのZIP版をダウンロードしました。 「1. Choose a Version」では、「OpenJDK11」を、「2. Choose a JVM」では「HotSpot」を選択した後、「Other platforms」のボタンをクリックしました。

Windows, x64, .zip でダウンロードして、C:\Program Files\Java\jdk-11.0.17+8\bin にパスを通しておきました。

"Windows", "x64", ".zip"を選んでダウンロードした後に、java.exeがインストールされた場所をpathで通しておきます。

4.2. Viaのインストール

Viaは、MATSimデータのビューアで、シミュレーション結果を画像や動画で表示するツールです。

https://simunto.com/via/

上記のダウンドーロボタンを押して、Windows版をダウンロードします。

via-win.zip という名前でダウンロードされます。

Via.exeを起動すると、ユーザ登録を要求する画面が出てきますので、そこにメールアドレスを記載して、登録をします。すぐに返信メールが届きます。

ここに添付されている、license.xml.zipを解凍して、そのキーで登録して下さい(私の環境ではすでに登録が完了しているので、画面を出すことができません。自力でがんばって下さい)。

via.exeをクリックして、以下のような画面が出てくれば成功です。

4.3. MATSimのインストール

https://www.matsim.org/downloads/ の

からダンロードします。

私は、C:\Users\tomoi\matsim-14.0 に展開しておきました。

後程、上の図の"berin"を使います。

5. MATSimの動かし方

5.1. java版MATSimの起動方法

C:\Users\tomoi>cd matsim-14.0 C:\Users\tomoi\matsim-14.0>

とした後、以下のコマンドで、java版のMATSimが起動します

java -jar matsim-14.0.jar

5.2. サンプル"Berlin"のMATSimによるシミュレーションの実施

以下の図のように入力して下さい。

ただ、このケースでは、"The simulation did not run properly. Error/Exit code: 1"となってエラーになります。

で、色々調べたところ、このエラーを回避するには、config.xmlに一部変更する必要があります。

上記の図のようにして、以下の一行を追加して下さい。

<param name="createGraphs" value="false" />

念のため、"delete"ボタンを押してから、"Start MATSim"を押して下さい。

これで、エラー終了しなくなりました(私の環境では)。

C:\Users\tomoi\matsim-14.0\examples\berlin\output\berlin を確認すると、以下のようなファイルが作られていました。

5.3. サンプル"Berlin"のViaによるシミュレーション結果の表示

(本節では、https://www.youtube.com/watch?v=x_KYTzCshF0 の動画を参照しながら、記載しています)

(今の段階ではC:\Users\tomoi\Downloads\Via-22.2.0にありますが)、そこで、"via.exe"をクリックして起動します。

C:\Users\tomoi\matsim-14.0\examples\berlin\output\berlinにある、output_network.xml.gzViaの左側の画面にドラッグします。

次に、output_events.xml.gzも同様に行います。

次にレイヤを作成します。"Network"を選んで、以下の図通りに操作をして下さい。

ベルリンの地図が表示されます。

同じように、"Vheicle - From Events"を選んで、以下のように操作して下さい。

以下のように、"Load Data"ボタンを押して下さい。

以下のようにタイムラインが表示され、08:00から数分間のみ、自動車が表示されます。右側のインジケータを若干右に移動させると、移動の様子(といっても表われて消えているだけの様子)が見えます。

6. まとめ

本書では、「MATSimの結果が動くところを確認できればいい」ということを目的として、一通り動画が表示されるところまでのメモを纏めました。

とりあえず、(私は)動いているところまで確認できれば、当初の目的は達成したものとして、本メモはここまでと致します。

以上