江端さんの忘備録

2012年11月分を表示
2012年 11月 30日
中国から日本のインターネットアクセスができません
知識としては理解していたのですが、中国から日本のサーバへのインターネットアクセスが、本当にできません。

youtube, twitter, gmailも調べた限りでは全滅です。

(このホームページは、"jp"を使っていない為かどうかは不明ですが、アクセスできました)

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ホテルからのインターネットアクセスが、全くできないので、セキュリティの人に部屋に来て操作して貰ったら、アッサリとアクセスできてしまいました。

『なんで!?』

と驚いている私に、セキュリティサービスの人は申し訳なさそうに、

「今、日本のドメイン名(jp)などが付いているサービスへのアクセスは、難しい」

と言われました。

まあ、時期が時期ですしね、仕方ないのかもしれません。

が、このようなことが続くと、確かに両国にとって、よろしくない事態だなぁ、と実感します。

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と言う訳で、この国に滞在中の、江端のメールを使った業務は事実上不可能と考えて下さい。

仕事がしたくない訳ではありません。仕事ができないのです。不可抗力です。

私は、現地で現地の仕事でがんばっているので、日本の仕事は、なんとか皆さんでお願いします。
2012年 11月 29日
土壇場で見える本性
私は今、『「英語に愛されないエンジニア」のための新行動論』という連載コラムを担当させて頂いております。

「英語なし」での海外の仕事に関する私の失敗談やノウハウを書かせて頂いているのですが、今になって、私はもっとも大切なことを語っていなかったことに気がつきました。

「言葉の通じない国に、一人で送り込まれる、この心細さ」

単なる「技」だけではなく、もっと精神面からのアプローチが必要だったのではないかと、今になって気がつきました。

気がつきました。

気がつきましたけど、どうしようもありませんね。

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人間は、土壇場で、その本性が表われると言います。

私は、今、中国語しかしゃべられない迎えの方と、今、公用車の中で気まずい時間を過しています。

―― 私だけでなく、みんな、こういう辛い思いをしやがれ

と、かなり、ひねた気持になってきております。
2012年 11月 28日
世界は、私を困らせて楽しんでいる
英語は、私を愛してくれているとは思えないのですが、それでも、英語は多くの場所で、私を助けてくれたとは思っています。

25年前の中国の奥地で、ソニーのウォークマン(まあ、ちょっとデカいiPodと思って頂ければ十分です)を、盗まれてて途方にくれたことがあります。

盗難にあったこと自体は、大したことはなかったのですが、警察に盗難証明書を発行して貰うことが必要だったからです。

というのは、当時、ウォークマンは最先端技術の製品であって、中国での入手が困難だったのです。

中国入国時にウォークマンを持っていることを申請して、中国を帰国するときにも、そのウォークマンを所持していないと、「不法な商売をした」と見なされて、罰金や下手すると身柄を拘束されかねなかったのです。

その中国の田舎で、青ざめながら必死に警察署を探しましたよ。

そして、当然ですが、当時の中国において、英語を使える人など、絶望的に存在しなかったのです。

ほとんど半分泣きながら、紙の上に漢字を羅列しましたね。

「ワタシ ヌスマレタ ウォークマン ショルイ ホシイ カイテ」てな感じだったのだろうと思います。

で、青い顔をしながら、警察署に出頭した私が、訳の分からない中国語を呻きながら、おずおずと紙を差し出すと、若い警察官のニーチャンが、一言、

"Speak English !"

と言ってくれたのです。

この嬉しさといったらなかったです。

(1)嫁さんがプロポーズを受けてくれた、

(2)半導体の挙動シミュレーション結果が実験結果と一致した、

に匹敵する嬉しさだったです。

ーーーーー

で、それから25年、英語との果てしないバトルを経て、再び、中国の大地に立つことになった私。

「あ、そういえば、チャイナオフィスの公用車の運転手、英語しゃべれません。江端さん、うまくオフィスまで来て下さいね」

と、書かれたメールが昨日ポンと届きました。

おい、フライト前日に、そりゃ、あんまりじゃないか?

ーーーーー

という訳で、私は今、飛行機の中で、やはり半泣きになりながら、えーかげんな中国語を書き下しています。

にーはお うおーしん ちゃんとわん("江端"の中国読みだそうです)
にーしん ○○しぇんしょん ま
どいぷちー 
にーふぃ しぇお いんゆー ま
しぇいしぇい

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・・・どう考えても、世界が、私を困らせて楽しんでいる、としか思えない。
2012年 11月 27日
びっくり水と乾電池
新婚夫婦(主に奥さんの方)をネタにした笑い話の一つに、

『スーパーマーケットの店員に「びっくり水」を求める奥さん』

というネタがあります。

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理系エンジニアのあなた。

笑えますか?

多分、意味が分からない人も多いのではないかと思います。

「びっくり水」とは、、麺類をゆでる時などに、沸騰して吹きこぼれるのを防いだり仕上がりを調整するために加える冷水 ―― 差し水(さしみず)のことです。

ただの水です。

ですから、「びっくり水」という商品は、存在しないのです。

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私は、学生時代から連続して10年間程度は、自炊生活を続ていました。

難しい料理はできませんが、切る、煮る、焼くの基本技術は大体O.K.です。

私は、クリスマスイブの夜に、外出もしないで、自炊した夕飯を女性に振る舞ったという経験を有する者です。

赤プリ(赤坂プリンスホテル)とか、イタメシ(イタリア料理)とか言う言葉が乱れ飛んでいた、あの「バブル景気のまっただ中」で、です。

この違和感は、当時を生きていた同じ世代の方でないと、理解しにくいかもしれません。

まあ、それはさておき。

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娘が、時計の電池の入れ替えをせずに、ずっと止った時計を放置しているので、理由を尋ねたら

「電池がない」

と言います。

「いや、単三の電池なら沢山ストックがあるはずだよ」

と教えたら、

「でも、同じメーカの『青色』の電池じゃない」

と言います。

私は暫く娘が「何を言っているのか」全然分かりませんでしたが、暫く考えて、ようやく理解できました。

娘は、電池を「その時計用の部品」と思っていたのです。

同じメーカと同じ色の電池でないと動かない「専用品」と。

「電池が汎用品であること」は「人類の常識」と思っていた私には、とてつもないパラダイムを、見せつけられた思いです。

「びっくり水」をも超越する「びっくり」ですよ、本当に。

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「どうして、そういう滅茶苦茶な観念に到着することができるんだ?」

と嫁さんに愚痴っていたら、

「いや、その感覚は、ごく普通だと思う」

と返されて、二重にびっくりしてしまいました。

我が家の電気、機械、木工系のメンテナンスは、当然私が担当しているのですが、

―― このままでは、生活無能力者を作ってしまうかもしれない

という現実的な恐怖を感じてきました。

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「この時計に合う電池を下さい」と、電気屋に相談しにいく娘の姿は想像したくありません。

そして、万が一、そこに、娘の夫が随伴していようものなら、

―― 私は、問答無用で、その娘の夫を、殴りつける(断言)
2012年 11月 26日
中二病
中二病というものがあるそうです。

定義は皆さんにで調べてみて下さい。

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それはさておき、私小学校4年生のころに、きったない字でSF小説(のような物)を書いていたんですが、そのパクリ元が、小松左京先生の「日本沈没」だったのですよね。

今思い出して、「あれ、これって結構凄くないか?」って、今、自分で思っています。

あんなヘビーなSFを、小学生4年生の頃に読んでいたんですよ(意味が判って読んでいたかどうか不明ですが)。

内容もうっすらと覚えているのですが、地震で最後、伊豆半島を沈没されてしまうという、「まんま、パクリ」。

まあ、小学生のやることですから。

これを、敢えていうなら「小4病」というのでしょうか。

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で、今の私は、小松左京先生の「さよならジュピター」の主人公、本田英二が理想なんです。

あの小説、エンジニアが主人公でヒーローなんです。

『「さよならジュピター」も読まずに研究所に来た奴。帰りやがれ』と結構本気で思っていたりします。

あの小説に登場するエンジニア、「自分の考えたものを動かすこと」という明快な原理で動き、それ自体がご褒美という、非常に「子供みたい」な連中なのですよ。

その結果として名声や名誉なんぞは、「あ、そんなもんも、あったね」と、相当後で気がつくみたいな、そういう自然体の技術者の姿に、痺れる、憧れる。

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それはさておき、いい年こいて、小説の主人公にアイデンティファイドする、私のような奴のことを、何という病気に侵されていると言うべきでしょうか。

■「中年病」―― これでは、成人病と同義だな。

■「アダルトチルドレン」―― 定義が違う上に「チルドレン」が気色悪い。

■「宇宙兄弟」 ―― ファンに半殺しにされる

では、「中年」が「二度目」の理想に立ち返る、ということで、こちらも、

「中二病」

と称呼してはどうでしょうか。

皆さんのご意見をお待ちします。
2012年 11月 25日
言論統制とワールドカップ
25年前の一人旅の最中、

「君は、毛沢東の政治(文化革命後)について、どう思う?」

と、知り合いになった現地の人に尋ねたところ、

「しっ! そういう話は止めてくれ。(公安が見張っていて)危いんだ」

と言われた国に、今度行くことになりそうです。

今度は一人旅ではなく、業務命令ですが。

今、25年前と同じ質問をしたら、命の危険があるかなぁ。

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私、自分の意見を取り下げたことがあります。

ワールドカップの時に、自分の意見の表明を差し控えたのです(リンク参照)。

ワールドカップ程度でも、私は本当に怖かった。

戦時中の特別高等警察(特高)の存在している時代に、共産主義や無政府主義を主張し続けた人って「凄い」というか、「どうかしている」のじゃないかと多います。

いずれにしろ、私は、これからも、屈辱も悔悟もなく、自分の主張をこれからもバシバシと取り下げていく予定です。

私はジャーナリストでも、論客でもなく、ありとあらゆる外圧にいつでも屈する準備のある、技術系サラリーマンです。
http://www.kobore.net/wcup.txt
2012年 11月 24日
「喧嘩できない」という不利益
特許権というのは、特許出願をして、特許庁の審査官の審査を受けて(審査官を説得して)、ようやく貰えるものです。

創作した瞬間に、無条件に発生する著作権(無方式主義)とは違います。

審査官は、当然のことながら特許発明の専門家ですので、相当手強い相手です。

殆どの場合、審査官は、私の発明に対して、ケチ(拒絶理由通知書)をつけてくることから、審査官と発明者との闘いが始まるのです。

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今日、知財部から

「一発、特許査定された」

という連絡を受けて、一瞬何のことか分かりませんでした。

審査官が、たった一度もケチを付けることなく、

「特許料を納付したら特許権を上げるよ」

と言ってくれたということです

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正直、うろたえています。

一回も拳を交えることなく、特許権を貰えるというのは、確かにありがたいお話です。

しかし、実際は、そのケンカの最中に、特許権の内容を少しずつ変更したりするのです(これを「補正」といいます)。

例えば、出願の時に欲しかった権利内容とは、ちょとだけ違う権利内容にして、他社の製品に対して、権利行使(製品の製造を止めさせる、とか)という戦略が取れるのです。

しかし、拒絶理由通知や、拒絶査定には文句が言えますが、特許査定に対しては文句が言えないのです。

「どうして、拒絶するんだ!」

とは言えますが、

「どうして、許可するんだ!」

とは言えません。

うーむ、困った。

ちょっと対応を考えています。

(なお、特許法第44条1項2号のことは知っています)
2012年 11月 23日
パッチファイルを作って送ってくれよ!
以前、「安全」をネタにしてコラムを書きました。

ある「安全の評価基準」の解釈に関して、ご意見を頂いた方と、(そういえばかれこれ一月にもなります)共同で、ドキュメントを作成させて頂きました

難しくて専門的な内容を、いかに簡単に理解して貰えるように記載するか。

これは、とても難しいのです。

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その分野の権威の人や、専門分野の人からの、心ない批判には傷付きます。

では、その方たちは、どうして、私の代わりに、分かりやすい文章を書いてくれないのか。

理由明快です。

■「判って貰えるよう」に書こうとすると「正確」から遠ざかるから。

■「大意を掴んで貰う」ように書こうとすると「詳細を切り捨てる」ことになるから。

そういう記載をするのは、怖いにきまっています。

批判を受けるからです。

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私がもう一つ理解できないのは、

私の「人格」を批判するコメントを書く時間があるなら、私の記載の「間違い」を指摘するコメントを、なぜ送ってくれないのか?

と言うことです。

「間違い」を指摘して、より正確な記載に修正していく方が、どれだけ有益であるか知れないと思いませんか?

簡単かつ簡潔に言い切りましょう。

『バグのあるプログラムを批判する時間があるなら、パッチファイルを作って送ってくれよ!』

と言うことです。

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と言う訳で、今回の文章は、そういう「その分野の権威の人や、専門分野の、心ない批判に対する」チャレンジングの一つと思っています。
http://www.kobore.net/sil2.html
2012年 11月 22日
「楽して当てる」という法則
図書館から、酒見賢一さんの「泣き虫弱虫諸葛孔明」という本を借りて読んでおります。

酒見賢一さんといえば、アニメ「雲のように風のように」の原作「後宮小説」と、コミックにもなった「墨攻」の2冊しか読んでいないのですが、「読ませる」巧い書き方をされる方だなぁ、と感心しながら読んでいます。

得に、歴史上の偉大な人物を、現代の価値感に照らして、ボロクソ(とまでは言いませんが)に貶す(けなす)あたりのバランス感覚が絶妙で、非常に楽しいのです。

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私は、そもそも「文章を書くのが仕事」という仕事をやっています。

研究員というのは、毎日が文章の量産作業です。

報告書、プレゼンテーション、特許明細書、その他の各種書類など、もう果てしなく書きまくっています。
(今、作成したファイルを調べたら3万2556ファイルありました)

ただ、小説などとはちょっと違う点は、読み手の気持などを考えずに、事実を淡々と記載すれば良い点です。

ただ、「読み難い」ことは許されないことになっています。

で、そこにはテクニカルライティング(技術文章)という技術が要求されることになります。

ま、それはさておき。

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最近は、長文のコラムを寄稿しています。

こちらは「最後のページまで読んで貰う」ということが重要なのだそうです(と編集部の人がいっていました)。

これは、テクニカルライティングとは少々異なる技術が必要で、

■簡単な表現にしてみたり、
■敢えて乱暴で下品な言葉を入れてみたり、
■皮肉ってみたり、
■脈絡なく主観を捩じ込んでみたり、

と、 ―― もう、そりゃ、いろいろ試してみました。

が、それが、ことごとく外れるんですね。

「これは会心の作品だ」と思ったものが、全然PV(ページビュー)が上がらなかったり、「分かりにくい表現になってしまったなあ」と後悔している文章が、びっくりするようなPVを叩き出したりします。

また、著名なニュースの掲示板に出てくると凄い勢いでPVがあがったりすることもあれば、まったく効果が出ないこともあります。

不愉快な評価をしてくる人もいますが、そのような、不愉快な評価が投稿されるコラムは、PVが滅茶苦茶高くなったりすることが多いのです。

もう私は、訳が分かりません。

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研究分野の仕事も、「外れっぱなし」で結構辛い世界です。

100の研究をして3件当たれば御の字、採算ベースに乗るような研究は4/1000とも言われています。

私は100件以上の特許出願の発明者として登録されていますが、事業化に貢献した発明と言われるとやっぱり、1つくらいしか思い浮びません。

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一度、編集部の人に、

「どうしたら安定的にPVを貰えるように読んで貰えるんですか?」

と尋ねたことがあるのですが、

「そんな方法があるなら、こっちこそ教えて欲しいよ」

という返事を頂きました。

どうやら、どの世界にも「楽して当てる」という法則は、存在しないようです。
http://www.amazon.co.jp/泣き虫弱虫諸葛孔明/dp/416323490X/
2012年 11月 21日
アナログには敵わない
■電子書籍リーダは、水没させると壊れます。一週間に1回は、本をバスタブに落とす私は、利用できません。

■フォトフレームは、見たい写真が出てくるまでひたすら待たなければなりません。

■テレビのチャンネルを替えるだけのことに、周辺装置の切替を含めた、テレビのシステムがイメージできないと、リモコンなど使えません。

■ドローソフト(PIXIA)は、未だに描画対象を拡大・縮小する機能が分からずに、娘と二人で描き直しをしている、という低落です。

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本日、出勤中の電車の中で、中高年の登山グループが、印刷した写真を手渡しして、皆で楽しそうに、感想を言い合っていました。

プリント写真は、オブジェクトが明確で、軽くて、簡単で、これ以上もないくらい情報共有が容易。

デジタルって、本当に「使えない」と思います。

デジタルの研究していて何ですが、デジタルが世界を完全に制覇する時代は、永久に来ないのではないか、と思います。

少なくとも、私が生きている間には来ないと確信しています。
2012年 11月 20日
Googleの広告スペース
私は、自分のホームページに、Googleの広告スペース(Google Adsense)を貼りつけています。

この広告は、私のホームページを訪問した人に対して、自動的に広告の内容を見せますが、私は、この広告の内容に一切干渉できません。

ですから、Googleのアルゴリズムが、このサイトをどのように解析しているかが、大体判る訳です。

今、見たら

===================================
60分500円の韓国語教室
短期間で取得するスカイプ英会話
英語の特訓事業。目標必達
===================================

なる広告が出ていました。

全体的に、語学関係が多いようです。

私のページには「英語に『愛される』だの『愛されない』」だのという文章が乱れ飛んでいますので、まあ、この広告内容は妥当かもしれません。

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しかし、Googleもまだまだだな、と思う。

Googleのアルゴリズムが、私の文章の「趣旨」まで読み取れば、間違ったって、こんな広告は打つはずがない。

正しい広告であれば、こうなるはずなのです。

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グローバルからドメスティックへ。ガラパコスで"Let's Go"
一週間日本語特訓合宿:英語を使わない海外の仕事の方法
新しい日本の経営:今こそ、鎖国!
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2012年 11月 19日
30分で書いて頂けるのですよね?
この度、私はTPPについてコラムを寄稿させて頂きました。

しかし、今回の解散総選挙の争点がTPPとなることを狙って寄稿した訳ではないのです。

# というか、私が知らない間に、勝手に解散を決められた、という感じです。

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もしかしたら、皆さん、私がTPPの専門分野だから、このようなコラムが書けると思っているのかもしれません。

残念ながら、ちょっとばかし知財に詳しいだけのITの研究員で、TPPに関しては、完全な素人です。

しかし、TPPに関して色々な記事を読んでも、一向に分からないので、一人で調べはじめました。

私がTPPの知財分野について書こうと思ったのは、4ヶ月も前のことです。それは、真夏の暑い日の、スターバックスのお店で、始めて編集の方とお話した時に、思いついた時からです。

そこから、毎日、少しずつ、TPP、FTA、WTOの勉強を始め、原稿料を越える金額の書籍を購入し、図書館から10冊以上の本を借りて、ようやく書き上げたものです。

特に、日本最初の特許法の調査は困難を極めました。ようやく、その原文を掲載している文献が見付かった時は、本当に嬉しかったです。

そして、ポイントは、いつもと同じように、嫁さんと、娘たち(中二と小四)が分かる内容にする、ということでした。

いずれにしても、このコラムに費した時間は、50時間を下っていません。

私のコラムは、多くの場合「素人のゼロからの勉強」がベースとなっております。

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「30分もあれば書けるような内容」とTwitterに書いてきた人。

私は、心から喜んで、あなたを担当編集部の方に推薦して、交代を申し入れることができます。

30分の100倍以上もの時間を費し、睡眠時間を削りながら執筆する生活に、かなり疲れてきているからです。

後程、あなたのツイッターのアドレスに向けて発信しますので、そのつもりでお待ち頂けますよう、よろしくお願い致します。

特許法、著作権法、国際条約、およびTPPに関して、素晴しいご見識を、ご開示頂けるものと、期待しております。

なお、最後に念の為に確認致しますが、

―― 30分で書いて頂けるのですよね?
http://biz-journal.jp/2012/11/post_1020.html
2012年 11月 18日
夢は「叶えない」ことに価値がある
最近特に思うのですが、夢は叶えない為にある、と思います。

「叶える為」ではなく「叶えない為」です。

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私は、まだ読んでいないし、聞いてもいないのですが、

「俺はまだ本気出してないだけ」という本や、

「僕はまだ本気出してないだけ」という(初音ミクの)曲、

があるようです

こういうフレーズ、私、大好きです。

そう、私達は本気を出していないだけなのです。だから結果がでないのは、仕方がないことです。

第一、本気を出して結果がでなかったら、その事実は、単に私を苦しめるだけじゃないですか。

「夢は実現する為にある」のではなく「夢は夢を見る為」にあれば良いのです。

また、現実的な苦しいプロセスが入ってきたら、それが叶っても、叶わなくても、夢は「心地良いもの」ではなくなってしまいます。

実現しないからこそ心地良い。これが「夢」であると思うのです。

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先日、人生最初の「手打うどん」に挑戦しました。

大失敗しました。

麺はベトベトで、足で踏むなどできるような硬さにならず、そっと踏んでみたら、袋が破れて、キッチンが悲惨な状態になりました。

麺生地は、指に纏わりついて気持悪く、延していたら、まな板にもベットリくっ付いて剥すことができない。当然、麺を切ることも不可能。

しかたがないので、まな板から剥して、スライム状の塊にして、そのまま鍋に放り込みました。

鍋の中では、不気味なエイリアンのような物体が、上下に浮いたり沈んだりしていました。

見ているだけで気が滅入りました。

そして、食べました。

文句なしに不味かったです。

うどんを離れて、人生で味わった全ての食べ物を思い浮べて比較しても、比類なき不味さでした。

もったいないから、全て食べましたが、本当に不幸な時間でした。

スーパーで販売している冷凍うどんの方が、圧倒的に旨く、安く、そして簡単です。

そこに創作の喜びがなくても、失敗した創作物を全て平らげなければならない不幸に比べれば、ずーーとマシです。

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「手打うどん」を自分で作り、他人に振る舞って、褒められている自分は、夢の中だけに、あれば良いのです。

「いつか、手打うどんを自分で打とう」という夢を掲げて、そして、それを、決して、実行に移さなければ、私は、自分の夢の一つを、壊すことはなかったハズです。
2012年 11月 17日
女子高校生エージェント
先日、早く出社する必要があったので、いつもより早い時間の電車に乗りました。

学生達が沢山乗り込んでおり、たった一時間で、随分風景が違うものだなぁ、と感心しながら、電車の吊革にぶらさがっていました。

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別の駅で乗り込んできた別の女子高校生が、私の隣りで立っていた女子高校生といきなり、話を始めました。

その会話の内容を、ほぼ完全に再現してみます(なぜ完全かというと、それくらい強烈な印象の会話だったからです)

『おはよう』の挨拶の後、いきなり、

「なんか、昨日ね。なんか、自分の好みと、自分の趣味を入力するんだって」

「なんか、よく分からないじゃない? なんか、何を入力するか分からないじゃん?」

「なんかねー、何をどうしろ、つーの。分からないじゃん、なんか」

と一方的に話すだけの、女子高校生。

話を聞く側の女子高校生は、「ふーん」「そうなんだ」と相槌(あいづち)をうつだけ。

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これも、嘘偽りなく申し上げますが、私は、

―― 彼女達は、政府の諜報機関のエージェントではないか

と『本気』で疑いましたよ。

この会話は「暗号化された符牒が組み込まれた、秘密通信である」と。

だって、背景や動機、時間の経過、話の順列、全部、ふっとばして始まっている訳ですよ。

私でなくたって、これは「会話」ではなく、「一方向の通信ブロードキャストメッセージ」と思っても不思議ではない、と思うのですよ。

■連発される「なんか」という言葉が、多分モールス信号の長音で、

■それ以外の有意単語が短音で構成される、暗号文と考えると、

「なんか、昨日ね。なんか、自分の好みと、自分の趣味を入力するんだって」
N D S

「なんか、よく分からないじゃない? なんか、何を入力するか分からないじゃん?」
T E T S

「なんかねー、何をどうしろ、つーの。分からないじゃん、なんか」
D E E T

"NDS TE TS DESST"

Google翻訳先生に尋ねてみたら、「フランス語」ではないかという予測を頂きました。

仏語では、さすがの私でも、手も足も出ません。

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『車内に別のエージェントがいて、彼女は、そのエージェントに対して、メッセージを発信していたのかもしれない』

『それにしても、このような「言語中枢が破壊されたごとく痴呆的会話を装って」一体、何を画策しようとしているのだろうか』

と、このような中二病的妄想で遊ぶのも、結構楽しいです。

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「最近の若者の会話ときたら!」と、憤る(いきどおる)ような、その程度の凡庸(ぼんよう)な反応では、

―― 少くとも「楽しくない」
2012年 11月 16日
疑似相関
仕事で、世界185カ国のGNP、GDP、面積、人口、貿易赤字・黒字、その他をエクセルでデータベース化しました。

これによって、幾つかの国のデータがあれば、その相関を数値で簡単に知ることができるようになりました。

面倒くさかったけど、良い道具を作ったを自負しております。

ところが、この相関係数というのが、なかなか曲者(くせもの)です。

明らかに相関がないのに、強い相関係数が計算されることを、「疑似(ぎじ)相関」と言います。

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例えば、「コカコーラが消費される量と、インフルエンザの非罹患率」という関係は、極めて強い相関があります。

と、いうことはですね、

■コカコーラを飲んでいると、インフルエンザにならない

という結論が導き出せた、ということです。

これが本当なら凄い話です。

私はインフルエンザ予防接種などせずに、毎日コカコーラを飲みます。

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しかし、これは典型的な「疑似相関」なのです。

(1)インフルエンザは夏に流行らない

(2)コカコーラは夏に売れる

ということだけです。

コカコーラとインフルエンザには、相関は全くない訳です。

似たようなケースに、

■アイスクリームの売上と、プールや海での溺死事故数

などもあります。

ちょっと面白いものに、

■朝食を食べると成績がよくなる

というものもあります。

しかし、朝食をきちんと食べ、規則正しい生活をさせる家庭は、教育環境に配慮する可能性が高く、それが成績に反映しているということです。

もし、これが「真」であるなら、私の人生は、いつだって成績が良かったはずです。


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で、先程の全世界データベースですが、いくつかの(仕事に関する)データと合わせて検証してみたのですが、

■人口の多い国ほど、年間停電時間が長い

という結果だけが、強い相関を示しました。

が、これは、

■人口が多い→送電線が長くなる→送電事故が発生するケースが多くなる

とも解釈できる訳で、これも疑似相関と判断してよさそうです。

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うーん、一体なんの為に苦労してこのデータベースを作ったのやら。
2012年 11月 15日
日本鬼子(その2)
昨日、日本鬼子(ひのもとおにこ)の話題をブログ公開したことを、家族に話しました。

加えて、この「日本鬼子」という言葉が、我が国では、あまり「蔑称」として機能しないという話もしました。

「仕事の鬼」とか「野球の鬼」とかに使われる「鬼」には、我が国では、蔑称というよりは、憎悪と尊敬の入りまじった語感があります。

また我が国には、「鬼」をモチーフとした、人情話、アニメがゴマンとあり、また、我が国の祭においては、欠くことのできないポピュラーはキャラクターであります。

例えば、桃太郎などに出てくる話では、「鬼」はどちらかというと、間抜けでコミカルな感じがします。仮面ライダーでは正義のヒーロのモチーフとして採用されていたと思います。

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私:「これではダメだな。もっと、日本人の尊厳を傷つける決定的な蔑称を考えなければ」

娘:「鬼ではなく汚いイメージの動物はどうかな。豚とか」

私:「豚がキレイ好きなのは、精肉業界では常識だぞ」

娘:「もっと、日本人の心にグサっとくる呼び方ってないかなぁ」

私:「かつては、『エコノミックアニマル』という言われかたもあったが、労働が尊いとされる、我が国では、ありゃ「褒め言葉」にもなるしなぁ」

と、暫く、中国の反日デモの人が、使い易くて効果のある「蔑称」を、真摯(しんし)に検討したのですが、良いアイデアが出てきませんでした。

そのうち、「何でこんなことを」と思い始めて止めてしまいましたが。

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「やっぱり、言葉と文化の問題に落ちるのかなぁ」と考えています。

相手を貶す(けなす)為には、まず相手を理解しなければならないと思うのです。

だから、皆さん、取り敢えず勉強しましょう。

私には、いきなりの中国語の勉強はキッツイので、まず、インターネットで色々な論説を読み倒しています。

きっかけは、相手を「やりこめる」為で良いと思います。

で、相手を理解できてしまえば、相手を貶める(おとしめる)ことは難しくなります。

だって理解できてしまうんだから。
2012年 11月 14日
日本鬼子
最近、中国と我が国の関係は良くありません。

色々な論説を読んでいるのですが、

「中国を含め、アジア各国が『日本』を『本気』で『怖がっている』」

という話は、あまり見られません。

『我が国は、世界に冠たる平和憲法があり、紛争解決としての戦争への道を、これほど多重ロックしているのに、何を恐れるのだ? 』

と、多くの方は思っているのではないでしょうか。

「日本はシステムとして『戦争ができない仕組みになっているんですよ』」と説明しながら、アジア各国を放浪していたのですが、それも、まあ、25年以上も前の話です。

今でも、アジアの多くの人は、多分「平和憲法」の存在すら知らないように思えます。

それに、世界屈強の防衛費(世界第6位)とプルトニウム保有量(世界第5位)と有する我が国は、アジアの人から怖がられるだけの理由はあると思うのです。

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日本が太平洋戦争中に、交戦国に対して戦意高揚を図る為に、敵国を

「鬼畜米英」

(第二次世界大戦中、日本人民がアメリカとイギリスを称して与えた侮蔑語)

と呼んでいたことは、皆さんもご存知だと思います。

一方、中国語圏(中国/台湾/シンガポール)で使われる日本人に対する最大級の蔑称として、

「日本鬼子」

という言葉があります。

近年の中国との国交悪化に伴い、デモなどで頻繁に使われております。

しかし、この蔑称の歴史は相当古くて、私が知っている限り、日中戦争開戦(1937年)の10年くらい前から使われております(調べれば、もっと古いのかもしれません)

が、本日はこのネタで論じたいのではありません。

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「日本鬼子」という萌えキャラを作ってしまったという、サブカルチャー(オタク文化)の脅威です。

このような脅威の概念は、私の知り得る限りなかったと思います。

私は、「事態をウヤムヤにする」「物事に白黒つけない」という外交を、意義ある戦略と考える一人です。

しかし、このような「萌えキャラ」というアイロニー反撃(?)は、私がこれまで考えてきたどの概念にも当てはまらない、かなり斜め上を行く凄い戦術だと思います。

これ↓です。
https://www.google.co.jp/search?hl=ja&biw=1036&bih=839&site=imghp&tbm=isch&sa=1&q=日本鬼子
2012年 11月 13日
改題:「外国語に愛されないエンジニア」
中国語というと、中国特許庁からの拒絶理由通知を「原文」で貰って、

―― 私に / これを / どうしろと (三三七拍子風に)

という記憶が、最後の思い出です。

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これまで関わってこなかったのが不思議なくらいなのですが、今、中国のシステムに関わる業務をやっています。

「中国語は漢字だから、意味は読みとれるだろう」と考えている人が多いと思います。かく言う私も、ボンヤリとそのように思っていました。

うん、全く分からんですね。

意味も読み取れません。

多分、逆も真で、中国の人も日本語全然読めないと思います。

かな・カナが入る分だけ、中国の人の方が辛いかもしれません。

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『英語には愛されていないけど、中国語になら愛されるかな』などと、

―― 自分ですら、ダマせない。

「英語に愛されないエンジニア」→「外国語に愛されないエンジニア」と改題することを、今度、編集者さんにお願いしてみようか、と考えています。
http://eetimes.jp/ee/articles/1211/12/news010.html
2012年 11月 12日
ぶっとんだ発明
先日の発明検討会の打ち合わせで、

「久々に、江端さんの『ぶっとんだ発明』を聞かせて貰いました」

と、知財部の人に言われました。

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昔は、発明のネタなど、考え始めたら終りがない程、出てきたものです(本当)。

しかし、最近は、その発明が、「ちゃんと事業になるのか」、ぶっちゃけて言えば、「金になるのか」までをキチンと考えなければならない立場になってしまいました。

前にも書きましたが、発明自体はそんなに難しくないし、特許庁に出願して特許権の付与を頂くのも、まあ、なんとかなります(知財部の人がなんとかしてくれます)。

決定的に難しいのは、「アイデア」と「金儲け」を結びつける「一本のロープ」です。

難しい発明は、金がかかるし、メンテナンスが面倒で、事業化しにくい。

簡単な発明は、特許庁の審査官から「もう、その発明ある(新規性違反)」とか「簡単じゃん(進歩性違反)」と言われて、特許権にできない。

企業の発明とは、

「簡単な発明であって、特許要件を満たし、かつ、金になること」

という、偉人ヘレンケラーもビックリの三重苦が課せらているのです。

が、まあ、そういう職務上の課題はさておき。

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『ぶっとんだ発明』とか言われれて、ウケると、とにかく嬉しい。

やっぱり、褒めて貰えると、私は嬉しい。
2012年 11月 11日
囚人のジレンマ
ここに、休日に実施される会議のスケジュールを潰したい、と考える二人の研究員がいました。

# この話はフィクションです。

ただ、立場上、二人の研究員は「週末に働くのは、イヤ」とは言えない状況にありました。

## 繰り返しますが、この話はフィクションです。

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そこで、一人が土曜日に出席できない旨を、

もう一人が日曜日に出席できない旨を、

メールで通知して、会議を「流会」に追い込もうと画策していた、まさにその時です。

別の後僚が、

「『流会』にならずに、どちらかの日に決まったら、出席した人の方だけが、議事録書いたり、別の仕事を任されたりすることになるんですよね」

と、言われてハッと気がつきました。

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この場合、最適戦略は、有効順に、

(1)二人とも出席できない日に、会議が設定される

(2)二人とも出席できる日に、会議が設定される

であり、最悪の選択が、

(3)どちらか一人だけが出席できる日に、会議が設定される

となります。

―― 「囚人のジレンマ」に似ている

と。

「つまらん画策はやめて、正直に申告しておくか」という話で、「落ち」となりました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/囚人のジレンマ
2012年 11月 10日
性格診断の有効な活用方法
血液型による性格診断方法は、「科学的根拠なし」ということで確定していますが、何もかも、科学的に証明されたことだけが、正義という訳でもありません。

今後も、我が国の文化としては定着し続けるような気がします。

星座による性格診断方法は、人にも因るでしょうが、私としては、もう「笑っちゃう」くらいです。

例えば、私は「さそり座」なのですが

■公正で誠実な性質をもつ。
■深くて激しい感情の持ち主。
■内面的なエネルギーが人一倍強い。驚くべき精神力。
■カリスマ的な存在感。強い意志、信念を持つ。
■実行力がある。約束は必ず履行する人物。

誰のことだ、これは?

この他では、理系と文系という枠組みも、結構使えるようにも見えますが、これも、普段、仕事などで使っている「ものの考え方」の話に過ぎないと思うのです(もっとも、これを「性格」と呼ぶのかもしれませんが)。

つまるところ、他人を理解する手段として、性格診断方法を用いることはできますが、役に立っているかどうかは、怪しいのです。

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しかし、全てに役に立たないという訳でもありません。

性格診断方法の、有効な活用方法は、

「そうか、私が、合コンで理屈っぽいと女性に嫌われるのは、私のせいではなくて私の受けてきた『教育』のせいなのだ」

「そうか、私が、人を恨みやすい性格なのは、私のせいではなくて『血液型』のせいなのだ」

という風に、自分の欠点に対して、

―― 責任転換をはかること

この一言に尽きます。
2012年 11月 09日
愚か者こそが必要とされる者である
あなたが会議で、分からないことを「分からない」と質問すると、失笑され、苦笑され、嘲笑されるかもしれません。

# というか、されるでしょうね。

失笑され、苦笑され、嘲笑されると、ムカつきます、腹が立ちます、気分悪いです。

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私が、技術的に難しいことを、できるだけ分かりやすく説明しようと、自分の能力の限りを尽して、何度も書き直して「簡単に説明する文章」を考えて開示すると、

それまで黙っていた野郎どもが、得意気になって、「間違っているだ」の、「誤解させている」だの、「嘘をついているだの」と言い出しやがります。

心底、ムカつきます。腹が立ちます。気分悪いです。

こちらから、反撃を加えてやろうかと思うこと、数限りないです。

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しかし、あなたが、そのような「愚かな質問」をすることで、

―― 「分からない」ことを、「分からないままにしている人」

を助けています。

また、私が、「誤認した文章」を開示することで、

―― その分野についての、意義のある議論に発展すること

「も」あります。

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嘲笑に晒されながらも、立ち続ける愚か者こそが、本当に必要とされる者だと、私は信じています。

少くとも、私は、そのように立ち続けている「あなた」のことが、私は好きです。

黙っているだけの卑怯者より ―― ずっといい。
2012年 11月 08日
ツイッターの意義を見い出しました
―― Twitterなる奇妙なコミュニケーション手段が登場した時、「こんな珍奇な通信手段、一刻も早く消えて無くなってしまえ!」と願ったものです ――

という趣旨で、コラムを書いたことがあります。

「Twitter大嫌いな研究員が、覚悟を決めた日」
http://eetimes.jp/ee/articles/1205/09/news003.html

このコラムが、あまりPVを稼げなかったようで、

『やっぱり、マジョリティのメディアに、手を出すものじゃないなぁ〜』

という教訓を得ました。

しかし、未だに私は、ツイッターとは相性が良くなく、読んでいても別段楽しくなく、また、積極的に発言したいと思うに至っておりません。

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しかし、最近、私はようやくツイッターの意義に至りました。

ツイッターの意義は、「ツイート」でもなく「リツイート」でもありません。

「検索」です。

例えば、深夜の小田急の電車の中で、人身事故のアナウンスの第一報を聞いたとき、ツイッターの検索で「小田急」と入れただけで、

出るわ、出るわ。その人身事故の電車の中からのライブメッセージ。

急ブレーキがかかった時の車内の状態から、深夜のダイヤ破壊に対する呪詛の声まで。

ライブメッセージですよ。世界一、早いメッセージです(メッセージの内容が、正確かどうかは知りませんが)。

そして、その人身事故の影響が、小田急全線に広がっていく様が、ツイートから読み取れ、その壮大なビジョンに眩暈(めまい)がしそうになります。情報源である、小田急より早いニュースです。

地震では、震源地から離れた地域までの状況が次々と上がってきて、これはもう「ライブ地震計」です。

まあ、この程度のことは、ツイッターを使っている人にとっては当たり前の話なのだとは思うのですが。

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という訳で、皆さんもツイッター始めましょう。

ツイートする必要はりません。タイムラインを追いかける必要もありません。

アカウントもっていれば十分です。

「世界と繋がっている」などということを「気持の悪い」と思ってしまう、私のような人間でも有用です。

目的は、「リアルタイムのライブ情報ソース」を持ち歩くことです。
http://eetimes.jp/ee/articles/1205/09/news003.html
2012年 11月 07日
コンピュータリゼーションが全てではない
先日、早稲田大学の学園祭にいってきました。

子供達の受験へのモチベーションアップという、姑息な思惑もあるのですが、それ以外にも、美術系サークルの展示を見せたいと、思っていました。

早稲田大学といえば、多くの著名なマンガ家や、それを支える編集者を輩出している大学です。

我が家のイラストレータ達に、これらを見せることは、イラストを提供して貰っている私の私益にもなると思いました。

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で、ほとんどの美術系サークル展示を回ってきたのですが、感想は、ビックリする程、コンピュータを使った作品(CG:Computer Graphics)が少なかったということです。

マンガ系のサークルからして、Gペンの使い方やトーンの貼り方などの教本を配っていたくらいです。

私は、今の時代、同人誌などを「手書き」している人間など存在しないと思っていました。

一人で、ペンタブレットを使ってパソコンで作っていると思っていました。

だって、トーンを貼ったり、ベタ塗りしたりすることを考えると、凄く楽だと思うんですよ(ネームの段階で、紙と鉛筆を使うことはあると思うのですが)。

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私は、ワープロ登場以前に、学校の宿題と、予備校の申込書以外に、文字を書いたことがありませんが、登場後には、狂ったように文章を量産し始めました。

ですから、パソコンやドローツールの登場によって、美術系エンタテーメントの世界も、同じようなトレンドになっているのではないかと、思い込んでいたのです。

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なんでかな、と考えてみました。

「文字」を使う文学とは違って「絵画」のような芸術は、ちょっと違うのかもしれないなあ、と。

「文字」とは、基本的には、創作物の情報伝達の手段です(書道とかを除きます)。

比して、「芸術」は、創作する行為自体に快楽があるのだろうか、と。

絵を描くというアクション自体に娯楽があるのであれば、確かにそこに、パソコンなどのIT機器を介在させる必要はないでしょう。

だって、

―― 直接触れ合う方が、気持いいよね

というところでしょうか。

# なんか、最後の最後で、「いやらしい表現」になってしまった
2012年 11月 06日
徒然草前段
娘(中2)が、徒然草前段を暗記しているのですが、

「づれづれなるままに、すずりが、あやしい」とか

「ひぐらし、ものぐるしく、かきつらねば」とか

もう、滅茶苦茶。

なまじ、こちらは完全に覚えているので、聞いていて、本当にイライラします。

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確かに「絵で覚えろ! 絵で!!」 と言ったけど、

4コママンガを描けとは言っていない。


http://www.kobore.net/boubi/20121106.PDF
2012年 11月 05日
初音ミクの紅白出場
今、NHKの朝ドラでは、超能力者が登場するドラマを放映しているのですね。

驚きました。

このままいけば、近い将来、超能力者どうしのサイキック戦争が、朝ドラで見れるようになる訳ですね。

最近のNHKのパラダイムシフトには、目を見張るものがあります。

では、私も一つ、今後のNHKが行うであろうパラダイムシフトを2つ程、予言しておきたいと思います。

■初音ミクの紅白出場(赤チームからの出場だろう)

■NHK大河ドラマのアニメ化(「十二国記」にならって)

それはさておき

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昨夜、家族でいわゆる「超能力」に関する番組を見ていた時、

「人の心を読める人(テレパス)は、多分存在するとは思うんだけど、本当のテレパスは、間違っても自分からは名乗りでないよ」

と私が言うと、娘が「なんで?」と尋ねてきました。

『組織に狙われるから』

と、嫁さんと私のセリフがシンクロしました。

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お、やっぱり、そうきたか。

「『七瀬ふたたび』だな」と私が嫁さんに目で尋ねると、

嫁さんも目で頷き返してきました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/七瀬ふたたび
2012年 11月 04日
エンジニア的誠実
以前、福島原発の事故についての寄稿をさせて頂きました。

その経緯で、東京電力のお客様相談窓口の方(以下、窓口と略す)とメールのやりとりをさせて頂いたのですが、かなり誠実に対応頂き、私は大変助かりました。

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江端:「○○については、分かりませんか」→ 窓口:「分かりません」

このような対応は、本当に助かるのです。

「分からないこと」であるなら、正確に「分からない」と言って貰えないと、正しい現状把握が行えないからです。

そもそも原子炉とは、原則として「一回閉じたら、もう開かない」ですし、測定器が壊れていたら、内部の状況は把握しようがないものである以上、「分からない」ことがあるのは、止むを得ません。

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この他にも、

「私は、溶解したウラン燃料も、水素爆発時に原子炉建屋から飛散したという仮説を立てております。この仮説を肯定または否定する証拠があるでしょうか」

という質問に対して、

「現段階では、そのように考えておりませんが、現段階で、江端様の仮説を肯定または否定するいずれの証拠もありません」

という回答も、私には、大変好感が持てました。

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このような対応を、我々のエンジニアの世界では「誠実」と言います。

「なに〜、分からんとはどういうことだ! ふざけているのか!!」 ―― とは言わないのです。

というか、そういう対応をするマスコミの人って多いようですが、はっきり言って、迷惑。

そういう、事実の真偽が不明確な大量の記事が、どれだけ、寄稿コラムを執筆を「妨害」してくれたことか。

もちろん、記事に記者の主観を入れても良いとは思いますが、背景と事実(時間、数量、状況)を記載している部分と感想を記載している部分を、明確に分けて記載して欲しいのです。

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ただ、これは私の贅沢すぎる注文なのかもしれません。

「事実と主観を切り分けることも、コラムを書くお前の仕事だ」、と言われてしまえば、ぐうの音も出ません。

ま、ともあれ、そういう訳の分からん記事を、大量に読まされて、心底イライラしていた私にとって、東京電力のお客様相談窓口の方の対応というのは、誠に「誠実」だったのです。
2012年 11月 03日
「安全」という洗脳
昨日の日記にも書きましたが、私の勤務している会社は、「安全」に関する取り組みに対して、

―― 病的な程に熱心です。

というのは、本当は正しくなくて、他の会社のことを知らないので、比較のしようはないのですが。

交通事故が起きれば、被害者・加害者の区別なく、社内でレポートが周知されます。

これを、私の先輩は、「社内晒し者(さらしもの)制度」と命名しました。

ヒヤリハットなどの取り組みは、2〜3ヶ月に一回は行われております。

また、社内において、

■キャスターのついた椅子の上に立って作業する

■重い荷物を一人で運ぶ

■沢山の荷物を固定することなく台車で運ぶ

■オフィス内や階段を走り回る

などを実施することは、相当の「勇気」が必要です。

これらの部下の行為を看過した管理職(上司)には、何かの制裁が加えられることは間違いないです。

しかし、これらの管理者(上司)の行為を看過した従業員(部下)でさえ、「お咎めがない」とは考えられません。

「安全が全てに優先する」ということは、重要なことですが、ここまで病的に行う必要があるのだろうか、と思わないことは一度もありませんでした。

多分、これらの「安全教育」を受けされられている我々は勿論ですが、この教育を施行している管理部門ですら、「行き過ぎなのではないか」と思っているのではないかと、邪推しています。

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一昨年の夏、地元の夏祭の盆踊りの舞台を設営する為に、自治会の集りに参加してきました。

20人弱のおじさん達が集って、金属パイプを組み立てて舞台を作るのですが、その間、私は心で穏かではありませんでした。

『ヘルメットも付けづに作業するだと?』

『そんな重い鉄管を、一人で持ってどうする!』

『安全ロープを使わずに、あんな高所で作業をするとは!』

『鋭利な金属片が、外側に剥き出しの状態で設置されたままではないか!』

『電源を全部落して、アースを確保してから、配線作業をしろよ!』

もう、なんというか、

―― ストレスの嵐

町内会で、こんなことに文句を付けていたら、作業が進みませんので、私は、不愉快な顔をしながら、作業を続けていました。

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作業が終って、自宅で、昨夜の残り湯で風呂に漬かりながら、ビールをかっ喰らっていたとき、ハっと気がつきました。

―― そうか、『洗脳』

私は、その理由も理屈も、正当性も経済性も飛び越えて、「安全」という価値観を、有無を言わさせれうことなく、植えつけられていたことに気がつきました。

一般的に洗脳は、子供の教育プロセスにおいて実施されます。様々な知識を持たない時代に行う方が簡単だからです。

しかし、大人であっても、それを周到に、しつこく、何度でも、抗議をはねつけながら、に実施すれば可能であるということです。

この私が洗脳されていたということか。

面白くないぞ、と思いつつも、

―― でも、まあ、こういう「洗脳」なら、悪くないよな

と、つぶやきながら、風呂から上がりました。

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正直、会社に感謝していたりもします。

「安全」の洗脳は、現実に「私の安全」を担保してくれていると思います。

この洗脳の効果は、家庭の中でも生かされていると思います。特に台所や配線回りで。

家族には「しつこい」と鬱陶しがられているようですが。

しかしですね、「人を殺すことを是とする」阿呆な宗教の「洗脳」に比べれば、比較できないくらい、有用で意義があることは、明らかですからね。
2012年 11月 02日
人工衛星を肉眼で認識する技術者達
北向き、窓際、対面にビル、という最低最悪の条件下で、先程、GPS時刻同期装置で、時刻同期信号の出力に成功しました。

金がないので、アンテナの同軸を2分岐して、アダプタから供給電源も2つに分けて使っている状況です。

―― 学生実験だって、もっと金かけているよなぁ

と思うくらい、貧弱な実験環境。

まあ、会社の中で、毎日15分から30分の、非公式の自発研究ですので、文句は言えませんが。

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なんのこっちゃ、と思われるかもしれません。

GPS衛星は、カーナビとか、携帯ナビのイメージが強いと思いますが、その根っこの原理は、「時刻同期」です。

私達は今や、GPSという時刻をバラまく「時計」衛星によって、世界のどこにいても、100万分の1秒という高精度の時刻を得ることができます。

で、その時刻が分かるから、誤差10メートルの位置が計ることができて、自分の位置が分かる訳です。

まあ、それはさておき。

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先日、時刻同期用のGPS装置を販売している会社の技術者の方と、一緒に簡単な実験をしました。

建物の最上階の会議室で実験したのですが、装置がなかなかGPS衛星の電波を把握できません。

その技術者の方は、アンテナを自分で掴んで、窓の外に思いっ切り腕を延しました。

―― おいおい! 危ないぞ!!

私の会社で、こんな所業を見付かったら、即、始末書ものです。

我が社は、安全衛生管理については、恐しいほど厳しい会社なのです。

でも私が本当に驚いたのは、次のセリフでした。

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Aさん:「おっかしいなぁ。この方向、今日はこの時間、GPS衛星通過しますよねえ」

Bさん:「ええっと、7番か?」

Cさん:「昨日とは15分程度の差だろう。丁度、この時間だと思うぞ」

と、普通に会話していました。

―― 彼等は、高度2万メートル上空、高速移動中のGPS衛星を、肉眼で認識できるのか?

と思ってしまいました。

GPSの技術者は、GPSの軌道上の移動時間を、年月日、時間単位で把握しているという事実に、プロの仕事の深淵さを垣間見た思いでした。
2012年 11月 01日
江端の1cc以下の器
■江端は、ささいなことを大袈裟に表現するコラムで売っていやがる

とか、

■江端は、正しく理解できていない情報から、仮説を組み立てて、それを真実のように語っている

とか、

まあ、それは正しいです。

しかし、私は、信念として、

■人に読んで貰えない文章を作るくらいであれば、人に読んで貰って間違いを指摘して貰う方が、

■そして、それを正直に開示し、必要であれば訂正するという態度の方が、

―― 絶対に、世の中の為になる

と信じています。

大体、「完全に正しいことが分かるのを待っていたら、私の人生が終ってしまう」と思うと思っています。

「仮説で回して、批判を受けて訂正する」という私の態度の方が、「正しい知識を待ち続けて黙っている」奴より、絶対に役に立つ。

# 文句がある奴、かかってきやがれ。

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「正しい」ことに恐しく拘泥する人は多いです。

得に、技術者や研究者は、その傾向が高いように思えます。

このスタンスは正しいのですが、例えば80%の理解で語ったっていいじゃないですか。

批判されて訂正すれば良いじゃないですか。

人生「仮説検証モデル」の方が、自分が楽しく、そして人の役にも立ちます。

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ただね、自分が謙遜して言っていることに対して、「肯定」で返事されるとムカつきます。

■江端は、ささいなことを大袈裟に表現するコラムを売っていやがる

→ その通りだ。江端は下品な奴だ。

■江端は、正しく理解できていない情報から、仮説を組み立てて、推測を信実のように語っている

→ その通りだ。江端はエンジニアとしては勿論、研究者として最低クラスだ。

と、本人の目の前で言うな。

「正論だから腹が立ち」と言う言葉を知らんのか、この野郎。

テメーは、技術者、研究者としての仕事より、まずコミュニケーションを学んできやがれ。

人が気安く接していると思って、甘えているんじゃねーぞ。

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私は「私の仮説」に対して批判されるのは受けいれますが、「私の人格」に対して批判されることに対しては、

―― 1ccも入らない程の「器」しか持っていない

のです。

加えて、それらのことを、死ぬまで忘れない程、陰湿で執念深い、たちの悪い性格なのです。

# 笑っている江端が、実は内心では、凄く怖いことを考えていたりします。

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「いやー、私は、陰湿で執念深い、たちの悪い性格ですから(と、おあいそ笑いをしながら)」

「本当にそうですね。江端さんは、本当に陰湿で執念深い、救いがたいくらい、たちの悪い性格ですよね」

と、―― だから! 本人の前で

(以下無限ループ)