江端さんの忘備録

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2012年 06月 30日
国会議員常識試験
国会議員は、国民の信を受けて当選を果すものですから、そこに「信」以外の条件、例えば、財力、学歴、知識、体力、健康状態、愛人関係等は、全部無視して選ばれるべきです。

まあ、資産に関しては、

政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律(平成四年十二月十六日法律第百号)

というものがあるようです。

(私の見落しがない限り、虚偽報告に関する罰則がないみたいです。私に間違いがあれば指摘して下さい)

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「資産」の開示も大事ですが、私としては、国会議員の「見識」を開示をして貰いたいのです。

採点なしで結構です。

解答用紙の内容は全部国民に開示される、ということだけで十分です。

内容は、できるだけ簡単な問題が良く、2〜3行程度の論述(図入りでも良い)をして貰うもので、全部で50問程度でどうでしょう。

例えば、

「国内法と条約の内容が矛盾した場合の法解釈について述べよ」

「現在の国内GNP,GDPと国家予算の額(概略)を記載せよ」

「死刑制度に関する私見を述べよ(但しノーコメントと記載しても良い)」

とかになるでしょうか。

私としては、この問題を入れて貰えれば、文句はありません。

「軽水炉型原発の構造図を簡単に図示せよ」

「シーベルトとベクレムの違いを簡単に説明せよ(誤植があれば、それを修正して解答すること)」

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まず、年に1回の試験の実施と、または選挙公示前の立候補者の事前試験として、法律で制定します。

勿論、試験問題の流出がないように、国家から完全に独立した第三者機関(というのが可能かどうかはさておき)が管理し、公平に実施します。

点数を付ける必要はありません。

ただ、全国会議員または、立候補者の解答用紙をWebで開示して貰えば十分です。

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この解答用紙は、選挙の時に大変役に立つと思います。

政権放送なんぞ聞く必要はありません。

消去法で簡単に候補者を絞れます。

忘れがちなのですが、国会とは立法機関(法律を作る組織)なのです。法律に関する基本的な知見もない人を選ぶことはできません。

また、行政庁の長となるべき人が、「原発の仕組み」や「放射能の単位」ごときを理解していないとすれば、到底、国政を任せる気にはなりません。
2012年 06月 29日
パソコンは人を見る(続き)
昨日、パソコンはパソコンを使いこなせない人間を「舐めている」という話をしました。

実は、パソコンは、使いこなせない人間だけでなく、私の用なシステムのプロに対しても、隙あらば攻撃をしかけてくるという、性悪(しょうわる)な奴なのです。

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パソコンの最悪の攻撃は、先ず、データの保存を失敗に導き、その日の業務の結果を、完全に虚無にすることです。

これは、実社会ではなかなか体験し難しいことです。

例えば、仕事に失敗して、大切なお客さんに迷惑をかけるような失敗をしたとしましょう。

上司や部下とともに、謝罪のツアーをして、お客さんに怒号を受ければ、お客さんの怒りや窮状を理解することができます。

仮にお客さんから許して貰えれば、人間に対する深い敬愛の念が発生し、他人に対して寛容の精神が生まれることすらあます。

これに対して、パソコンのデータ保存の失敗は、ポジティブであれネガティブであれ、何も生み出さず、ただ完全な時間の損失のみを与えます。

時空を歪ませて、光すらも吸収するブラックホールは、論理的に証明され、また現実に観測もされていますが、その正体は明かではありません。

私は、ブラックホールの中心には

―― 「パソコン」が鎮座(ちんざ)している

と確信しています。

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我が家には、パソコンが7台設置されていますが、データは、先ず

(1)ローカルディスクで保存され、
(2)さらに、それは外部ハードディスクでも保存され、
(3)さらにそれらのハードィスクの内容はLANを経由して相互に保存され

ています。

さらに、私は、一定時間を経過すると、自動的に保存ショートカットキーを押下するように、体の方を改造しております。

ショートカットキーの押下は、私の大脳から指示ではなく、脊髄反射で実現していると考えています。

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パソコンとその使用者とは、隙あらば嫌がらせをしようという者同士からなる、相互不信を基盤とするプラットフォーム上の構成要素といっても過言ではないでしょう。

詰るところ、「泣きたくなければ、備えろ」ということです。
2012年 06月 28日
パソコンは人を見る
パソコンには知能があり、感情があります。

これは30年近く、毎日パソコンを扱ってきた、この私が確信を持って断言します。

パソコンを上手く操作できない人は、例えば、

○必要なアプリを立ち上げれない
○マニュアルや教本通りに操作してもその通りに動かない
○パソコン画面がフリーズして、動かなくなってしまう

などの現象に、日常的に直面しています。

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はっきり申し上げましょう。

これらの現象が起こるのは、あなたが「パソコンに舐められている」からです。

パソコンは『お前なんかに自由に使われてたまるものか』と嘲笑っているのです。

『どうせお前には何もできやしないだろう』と、あなたを馬鹿にしているのです。

なぜ、このようなことを私が断言できるかというと、嫁さんがウンともスンとも言わなくなったアプリケーションの操作を、私が動かすだけで、スムーズに動き出すという現象が、

もはや、偶然とは言える回数を、はるかに超えて(ほぼ100%)

発生しているからです。

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私の場合、パソコンが私を舐めるような挙動を示したら、パソコンを絶対に許しません。

○OSの稼働状態、
○タスクの実行パターン、
○それぞれのプロセスの因果関係を徹底的に調べ上げ、

パソコンを内部状態まで丸裸にして、原因の所在をつきとめます。

必要なら、

○ドライバソフトウェアを切り離し、
○常駐タスクを叩き殺し、
○アプケーションを抹消し、

ハードウェアが性能を発揮できなくなったと判断すれば、

○ハードディスクを自動車で踏み潰した後、
○パソコンの廃棄を決定

します。

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パソコンは「人」を見ています。

自分の生殺与奪(せいさつよだつ)の権能を持つ人間には、絶対服従するのです。

そして、パソコンに翻弄される人間は、徹底的にバカにしているのです。

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本日の結論です。

奴の「効果」だけを求めては、奴に舐められます。

奴を理解しいつでも奴を倒せるような凄みを出せるようにして、対峙しましょう。

『悔しかったら闘え』ということです。

# 先ずは、初級の情報処理試験受験あたりでしょうか。
2012年 06月 27日
76歳の私
先日、ハンバーガショップで勉強していたとろ、大柄の米国人のおじさんが注文で困っていたので、代わりにして注文してあげました。

その後、私の席の隣にきて、自分のことをなんやかんやとしゃべっておられました。

○戦闘機や民間航空機の超安全なシステムの基盤となるコンピュータプログラムの開発に携わり、

○リタイヤ前は、大学でコンピュータサイエンスの教鞭をとっておられて、

○年に一度は、日本で柔道の師範として来日し、("Master of Judo"かと尋ねたら、「それほど大したものではない」と謙遜されていたようですが)

そんでもって、

○今、「76歳」だそうです。

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制御システムの話なら、私も理解できる範囲なので、そのプログラム言語について、暫くつっこんだ会話をしていましたが、その内、私のことを尋ねられました。

『君は、大学で何を専攻しているんだ』と言われて、少々困惑しながら「大学生ではありません。ただのサラリーマンエンジニアです」と答えました。

『ふむ、それで、今、何を勉強しているのかな』 「ちょっと、知財に関する法律の勉強を・・・」などと、ムニャムニャと、応えていました。

5分くらい雑談をした後、

『君の貴重な勉強時間を使わせてしまって、申しわけなかった。私は悪い奴だな』

と笑いながら、闊達した足取りで店を出ていかれました。

「かっこいいなぁ」と思いながら、そのおじさんの後ろ姿を見送っていました。

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それから、小一時間程勉強した後、ふと「76歳になった私はどんな風になっているんだろう」と想いを馳せた時、

元東京都知事の、青島幸男(あおしまゆきお)が役者時代に演じていた、

「意地悪ばあさん」

以外に思いつかないことに、自分で愕然としました。
2012年 06月 26日
史上最大のじゃんけん大会
どこぞのタレントがジャンケン大会なるものをしているそうですね。

私はジャンケン大会というと、アメリカ横断ウルトラクイズの成田決戦を思い出す世代です。

それはさておき。

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我が国は、今、2つに1つの、大きな岐路に立たされていると思います。

私は、この意思決定に、ジャンケン大会を導入することを提案したいのです。

そのジャンケンに賭けるものは何か。

「周波数」です。

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3.11大震災の後、日本列島の東と西で供給されている電力の周波数が、50Hzと60Hzに分かれていることが広く認識されました。

簡単に言うと、東日本と西日本では、電力の融通ができないということです。

東日本と西日本で、使用周波数の異なる電力が使われるようになったのは、電力会社設立時に遡る歴史的な経緯がありますが、本日はその話は割愛します。

影響の小さい家電製品等とは異なり、工業用の製造機械や、生産ライン、そして電車は、異なる周波数の電気では動かなくなります。

3.11大震災の直後の、計画停電や、その夏の国家レベルの節電対策は、電力会社の電力供給状態を、皆がWebやテレビで、リアルタイムで見張っているという、本当に真剣なものでした。

「大停電(ブラックアウト)が起きたら終りだ」という恐怖が、東日本を支配していました。

その一方、東日本の人間は、西日本に出張する度に、その普段と変わらない電力の使い方に、(かなり本気で)腹を立てていました。

あの時、東からロシアが、西から中国が侵略していたら、日本は分断統治されていたかもしれない、と思うくらいの雰囲気はあったと思います。

# この夏は、かなり立場が変わりつつあるようですが。

まあ、それもさておき。

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で、冒頭の話に戻ります。

日本国で、周波数を統一しませんか。

この決断に、理屈や理論は通用しません。

周波数を変更させられる側の損害が、計算できないくらい膨大になるからです。

社会インフラをそっくり取り換えるくらいのお金(国家予算を基準とするような)、というようなコストが発生するかもしれません。

しかし、スマートグリッドを推進する上でも、このような統一のない状態はよろしくありません。

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まず、東日本と西日本で、予選じゃんけん大会を行います。

棄権をするなら、電気の供給を停止するという条件を付けて、全員を参加させます。年齢制限も設けません。

職場レベル、学校レベルで、代表を選出し、それぞれの代表を一人だけ選出します。

そして、電力周波数の境界線上の街で、一回のみのジャンケンを実施します。

スーパーコンピュータ「京」は、当然西日本代表の側に付き、東日本代表のじゃんけんを予測します。

青森県下北半島の恐山のイタコは、当然東日本代表に、神憑きの状態で、東日本代表に、出すべきじゃんけんを口伝します。

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東日本が勝てば、50Hzで。

西日本が勝てば、60Hzで。

そして、あいこであれば、高圧高容量直流送電線で。

我が国の電力伝送系を統一する、ということで、いかがでしょうか。
2012年 06月 25日
才能を潰させない為に
私は、いわゆる「ファミリー向け4コマ誌」が好きで、月に特定の2冊だけ購入しています。

2冊と限定しないと切りがないからと、読み始めてから10秒後でも止められるという手軽さが気に入っています。

それと多分、4コママンガの「起承転結」というのは、私が文章を書く上でも参考になります

# よく、落ちをパクります。

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新人賞の発表などで紹介されている4コママンガを見るのですが、どれも面白そうで、読みたいと思います。

が、いわゆるベテランの批評が辛辣・・ではなく、酷評・・でもなくて、ええっと、「鋭いプロの視点から論述され」ており、なんか興醒めてしまうことがあります。

特に、私が全く面白くないと思う作品を、いつまでもダラダラと連載している古参の4コマ漫画家の批評を見ると、

『アンタの作品よりは、よっぽど面白と思うんだけどなぁ』

と突っ込んでしまいそうになります。

さらに言うと『アンタの4コマの方こそ、要らない』。

そうですね。古参の4コマ漫画家風のキツいコメントをするもであれば、

『中年後半向けのネタで笑えない。絵も古くさくて読者を引きつけない。世間のトレンドに対する情報収集の気合が見えず、20年前のネタから一歩も進んでない。読んでいて苦痛とまで思う」

個人的には、「アンタのページを、新人に分けてやってくれよ」とまで思います。

それはさておき。

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ベテランからは良いアドバイス(?)を貰えるのもしれませんが、このようなキツい批評って、結構傷付くと思うんです。

私は良い作品を生む為に、厳しい批評を受けなければならないなら

―― 自分の好きな文章を好きなように書き続けて

―― ずっと成長しないままでいる方がいい

ですから、今まで、人から受けたアドバイスの95%以上は、私の血肉に「なっていない」と断言できます。

もしも『江端は俺が育てた』というような人がいたら、誰であれ、絶対に殴りに行く。

# ふざけるなー! と怒鳴りながら。

なにしろ、私は、私の子供達でさえ『私が育てた』などとは言ったことがありません。

あれは『彼女達が(勝手に)育った』のであり、私は、たまに、彼女達の緊急事態発生時に、スクランブル出動してきただけです。

# スクランブル出動とは、「人に迷惑をかけたら叱る」「勉強の解らないところを教える」「病気になったら病院に担ぎ込む」「演技指導をする」というようなこと。

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あのベテランと言われている人のコメントの「外れっぷり」を間に受けて、素晴しい才能が潰されていくのではないかと、本当にヒヤヒヤしています。

その一方で、最近は、自分のブログに4コママンガを毎日掲載して、その内容やヒット数から、スカウトされて、プロに転身した人も多くそうです。

ベテランの「百」の批評を貰うよりも、Webの「万」のヒット数の評価の方が、多分正しい。

PVの多い人のホームページは、確かに面白いのです。

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と言う訳で、提案です。

義務教育過程において、美術や音楽を授業をやる前に、まずは、

『ホームページの作り方(htmlの書き方等)』

を教えてみては、いかがでしょうか。

# ツールの使い方でも良い。ワードやエクセルなんぞは、どうでもいいから。

表現手段さえ教えておけば、つまらない権威に、優れた才能が潰されることも少なくなると思うのです。
2012年 06月 24日
天才江端参上
先日、知財部門の特許発明活用プロジェクトに参加させて頂きました。

ライセンス部の人が、なかなか楽しい紹介をしてくれたので、忘れない内に御報告しておきます。

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Aさん:「江端さん。こちら、ライセンス部のB君。『切り札』です」

江端 :「よろしく。期待しています」

Aさん:「B君。こちら、時空間通信の発明者、江端さん。『天才』です」

江端 :「・・・」

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お世辞も、ここまで徹底すれば、むしろ清々しい。

今度、私も誰かにやってみよう。
2012年 06月 23日
「国民に愛されない政治家」のための新行動論
私は、(政策については相容れないところもありますが)、小沢一郎さんは、政治家としては、優れた資質を持つ方であると考えております

しかし、同時に、「本当に、この方は『国民に愛されていない』政治家だなぁ」と、心の底から気の毒に思うことことがあります。

ですから、逆説的ではありますが、私は、小沢さんがリーダとなることに「安心感」があります。「国民に愛されていない」ということは、「失策」は即「失脚」につながるだろうと思っているからです。

私の個人的意見として、「政治家が国民に信頼させていない」、引いては「政治家が国民に愛されていない」という現実は、それほど悪いことではない、と思っています。

「国民に愛された政治家」(いわゆるカリスマ政治家)が、国民に、どれだけ酷い混乱と悲劇と苦痛を与えてきたかについては、1910年〜45年あたりの欧州や我が国の歴史を調べれば明かです。

とまあ、昔のことはさておき。

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私は、国政の為に、一生懸命走り回っている誠実な政治家の方が、「政治家」というだけで、「なんか胡散臭い奴だ」と思われることは、悲しいことだと思っています。

これは、国民にとっても、大変不幸なことです。

という訳で、本日は、僭越ながら、政治家をやっている、または将来政治家を志す人へのエールをお送りしたいと思います。

----- エール(ここから) -----

政治において、どんなに国民のことを考えていても、どんなに自分の政策を支持して欲しくても、それがかなわないことがあることを、あなたたち政治家は、血を吐くほど泣いて、泣いて、泣いて、それはもう嫌になるほど、身に染みて体験してきました。

もちろん、今、日本のニューリーダとして育っていくであろう子どもたちもまた、同じような体験を経ていくはずです。

「恋愛」が相互の想いでしか成立しないように、自己の政策を成し遂げる為には、「政治家」もまた「国民」に愛してもらわなければならず、そして、いかに残酷な結論であろうとも

――「国民」に愛されない政治家は、何をしても愛されない。

どうでしょうか政治家の皆さん。何もかもリセットして、まずここからもう一度やり直してみませんか。

----- エール(ここまで) -----

(出典:「英語に愛されないエンジニア」のための新行動論(2):英語に愛されない者は何をしても愛されない、という出発点 (1/2))
http://eetimes.jp/ee/articles/1205/09/news001.html
2012年 06月 22日
日記のネタに関するできごと
毎日、日記を書いているので、毎日誰かがネタにされていることになります。

ですから、本人を特定できないようにプライバシーには気を使っています(まあ、家族は諦めてもらうしかありませんが)。

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私、入社して5年くらいの間、社内のできごとをエッセイにして書いては、それを公開するということをやっていました。

「○○社こぼれ話」という題目で。

私のドメイン名"kobore.net"は、この「こぼれ話」から取ったものです(確か、469話まで作った記憶がある)。

私は、かつて、研究所の「テニス部のキャプテン」を、

# もう一度、言いますが「テニス部のキャプテン」を、

## 念の為、もう一度、言いますが「テニス部のキャプテン」を、

やっていたことがあります。

この時も、いろいろなできごとを面白おかしく記載した文章を、社内のメーリングリストに流しまくっていました。

今思えば、実に大らかな時代でした。

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その様なできごとを開示することでは、怒られたことはないのですが、

「『自分のできごと』が全く記載されていない」と抗議されたことがあります。

つまり、

『どうして、私の日常がネタにならないんだ!』

というクレームをされた訳です。

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どうしてって・・・、そりゃ、

「君の日常の言動が、別段、面白くも、楽しくもないからだよ」

とも言えず、随分困った記憶があります。
http://www.kobore.net/tennis.txt
2012年 06月 21日
サイバー攻撃の恐怖 〜狙われるインフラ制御システム〜
NHKクローズアップ現代で、「制御システムセキュリティ」が取り上げられるそうです。

多分、これからの戦争のメインは、爆弾落したり、機銃で撃ちあったりするものではなくなると思います。

# 勿論、この形の戦争は、人類の最後の一人がいなくなるまで続くとは思うのですが。

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もっと簡単な方法があります。

○新幹線の運行管理システムに侵入して、閉塞区間の機能を停止させる

○配電システムに誤った電力供給要求値を入力して、変電所を過剰電力で破壊する

○水道システムの殺菌用薬物の濃度を一万倍程度まで上げる制御コマンドを送りこむ

# もっと簡単な方法は、広範囲な領域でGPSの電波のジャミングをする、などがありますが、GPSについては、何度もお話したので、今日はパスします。

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未来の国家間の戦争は、こん感じになるかもしれません。

宣戦布告 → インフラ制御システムへの攻撃を開始 → 終了。

勝敗は、実質「3秒」くらいでケリがつくかもしれません。

インフラ制御システム(の多分、原発システム)を乗っとられた方が「負け」です。

そして、制御盤の液晶パネルには

"Prohibit any operations on the control panel. When you touch any switch on the panel, the control rod and its drive system software would be destroyed immediately."
(制御盤への一切の操作を禁止する。スイッチを一つでも動かせば、その瞬間、制御棒を引き抜いた上で、制御ソウトウェアを破壊する)

とだけ表示されている、と。

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以前は、制御システムへの侵入などできなかったんですよ。

何故か。

制御システムは、専用装置の塊だったから。

制御システムに侵入する為には、一台数千万もする専用の通信中継装置が必要となり、特殊な規格のネットワークをどこかから手に入れなければなりませんでした。

そもそも、制御システムへ侵入する為の通信経路がありませんでした。

職業テロリストにテロを実施させる動機が働きませんし、そして正義感に溢れるテロリストには、大抵の場合、資金も技術力もありません。

# 偏見かもしれんけど、テロの実行犯って、基本的に粗暴で頭も悪いと思う。

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しかし、

○数千万円の装置が、3万円で購入可能なパソコンに置き替わり、

○数百万円の専用通信ケーブルが、100円ショップで購入可能なLANケーブルに置き替わった

としたら、どうでしょう。

しかも、通信プロトコルが、皆さんがその辺のパソコンショップやネットで数分でダウンロードできる、WindowsやらLinuxという汎用OSと同じものであるとしたら、

『一発、勝負してやろうか』

と思う人が出てきても不思議ではありません。

現実に、今や、我が国を支えるインフラ制御システムは、(程度の差はあるものの)、実質的には、全て秋葉原で購入できるもので構成されていたりするのです。

# 多分、「クローズアップ現代」でも、その辺りの話がメインとなるでしょう。

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システムのエンジニアである私は、様々な技術に接する機会があり、実際にシステムを設計をすることもあります。

当然に、そのシステムの弱点を知り得る立場にもあります。

先程、食堂に行って帰るまでの間に、「とある制御システム」を破壊する方法を5つ程思いつき、フッフッフ・・・、と、笑いながら、オフィスに戻ってきました。

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本日の結論です。

皆さん。江端にもっと優しくしましょう。

江端が、

『一発、勝負してやろうか』

と思わずに人生を終えられるように、私をもっと大切に取り扱いましょう。
2012年 06月 20日
超光速ニュートリノの真実
日記の日付が一日早い、というご指摘のメールを頂きましたので、ちょっと調べてみました。

最近、私の部屋の中で時空の歪みが生じているようです。

極小のブラックホールが極めて短い時間で発生して、シュヴァルツシルト半径内に、我が家のホームサーバが属した場合に、「時空間通信システム」(特許公開2005-6290)が発動して、意図せぬ未来または過去に日記を転送している可能性があります。

ただ、極小ブラックホールの生存時間は極めて短いらしく、日記以外の他の現象では、影響は出ていないようです。

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そういえば、先日、CERNの超光速ニュートリノの存在について、公式に「実験結果の誤り」を特定したという見解がなされていましたね。

日本で唯一の「時空間通信システム」の発明者として、私は本件について、CERNから色々報されているのですが、「真実は当面ふせておきたい」というCERNの意向を、日本国政府の関係筋から正式に通達され、半ば強制的に守秘義務契約を締約させられました。

従って、大変残念ですが、私は、「超光速ニュートリノ」について「公にはコメントできない」ことになっております。

お問い合わせ頂いても、ご回答することを許されておりません。

悪しからずご了承下さい。
2012年 06月 19日
自称「ストリートミュージシャン」の方にお話があります
若い人は知らないかもしれませんが、私達の世代の多くはピアノ、フルート、バイオリンなど、各種の楽器の「習いもの」を経てきております。

これは、私達の親の世代の、いわゆる「学歴コンプレックス」ならぬ、「才能コンプレックス」という、奇妙な思い込みの残滓(ざんし)から発生したものです。

今の時代と異なり、戦前では、「大学」とは完璧なブルジョアかつエリートだけが許される道であり、多くの日本人は、大学に入学する機会が与えられていませんでした。

その怨念がその当時の子供(つまり私達)に向い、「学歴主義」「受験戦争」を生み出し、そして、その反動が「ゆとり教育」という変なものを生み出してきた、と私は考えています。

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「学歴コンプレックス」の一つの変形形態が「才能コンプレックス」です。

娘や息子にピアノを習わせておけば、いずれは世界的なピアニストになれるのでは・・・という、ナンセンスな幻想が、私達の世代を色々な楽器を学ばせるに至ったのです。

勿論、このようなものは「才能」の存在が前提であり、"0"に何を乗算しても"0"であるという事実は変えようがありません。

エジソンは"1%"の才能があれば天才になれると言いましたが、これは誠に理に適っています。

世の中の多くの人が天才になれないのは、その"1%"すらが無いからです(出展:化物語(西尾維新著))。

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10年以上も楽器と付き合わされてきた、私達の世代の多くの者は、駅前で歌っている、君達のデタラメなギターのチューニングの、半音は勿論、1/4音、下手をすると1/8音まで聞き分けることができます。

つまり、我々の世代は「才能」はありませんが、「音感」はあるのです。

そして、当然のことながら、その程度の楽器のチューンもできない程度の君達の歌は、

―― 救いようもなく、絶望的に「お粗末」なのです。

とても、聞いていられないのです。下品すぎて。

歌が上手い下手は、どうでも良いです。それは立派な個性だと思います。

しかし、楽器を正確にチューニングして演奏し、かつ、旋律を外さないで歌うということは、人前で歌う者の最低限のモラルで、そもそも、その程度のお粗末な音感しか有さない人間は、

―― 人前で歌う資格がない

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我々が仕事で疲れて帰宅の途につく途中で、そのような稚拙な雑音を聞かされるのは、うーーん・・・、一体、どのように喩えたら分って貰えるだろうか?

ようするに、君達の「排便行為」や「自慰行為」を見せつけられるかのように、苦痛なのです。

私は、君達にそんなに酷いことをした記憶がありません。

これは不公平です。

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そこで、提案します。

まず、ストリートで歌う前に、友人に歌を聞いて貰いましょう。

できれば、音大の友人で、あなたに真実を告げられる正直な人物が良いでしょう。

そして、どんなに辛い結論であっても、その友人の進言を受け入れて、ギターを置き、別の道を探してみましょう。

大丈夫。

世の中には才能"0%"でもやっていける、沢山の道があります。
2012年 06月 18日
美味しさの定量化
娘を連れて「手作りパン屋」めぐりをしていたことがあります。

演劇部に所属している娘が、「パン屋でバイトする娘」の役づくりの為に、手作りパン屋にインタビューしたいと言い出した為です。

女子中学生のインタービューに、パン屋の親父の愛想はやけに良かったようです。厨房にまで案内されていたみたいですし。

私がインタビューしても、あんな親切な対応はしてくれないだろうな、と思いながら、車の中から様子を眺めていました。

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それはさておき、そんな経緯もあって、娘が「パン作り」に興味をもって、今年の夏の自由研究を、「手作りパン」にしたいと言ってきました。

と、そこまでは構わなかったのですが、『「パンの美味しさ」を数値化するにはどうしたら良いか』と相談を受けて、困っています。

勿論、「旨味成分の抽出」などという化学的(×科学的)アプローチはあるようです。

しかし、私に、化学系の知見はないし、そもそも専用の分析装置もない。

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で、色々調べたのですが、面白い研究がありました。

食べる速度で比較する、というものです。
http://www.protein.osaka-u.ac.jp/physical/html/oisisa.html

これによれば、性別、体格、普段の食べる量などに個体差があっても、それを、統計的(偏差値等で)補正することで、定量評価を行なうもののようです。

「食べる速度」が「美味しさの指標」となり得ない、という嫁さんの強い異議申立もありました

まあ、とりあえず、これは「仮説モデル」という形で進めて、「考察」で着地させれば、なんとか形にはなるだろう、と思っています。

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問題は、微分方程式の解法です。

微分方程式・・・解けるかなぁ。

解けないまでも意味を理解できるだろうか。因数分解ごときで苦労しているような中学生に。

うん、無理だな。

『こっちとあっちのパンを食べくらべてみて、美味しい方を選んで貰う』

中学生の研究です。この程度の比較分析で十分でしょう。

『「パンの美味しさ」の数値化に成功した中学生』などという研究成果が外部に漏れたら、県代表として選抜されてしまう。

下手すると、新聞社やテレビ局がインタビューまで来てしまうかもしれない。

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すると、保護者の過剰な「不正関与」の実体がバレる。
http://www.protein.osaka-u.ac.jp/physical/html/oisisa.html
2012年 06月 17日
私が宮家に生まれたら
先日亡くなられた、寛仁親王(ともひとしんのう)は、随分、国民に親しまれた方だったようです。

ヒゲの殿下、気さくな行動派 皇室のスポークスマン ラジオの深夜放送「オールナイトニッポン」のDJに挑戦。皇位継承から恋愛観まで、リスナーの質問に答えられた。

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やるなぁ。

大したものです。ボランティアとかの活動もそうですが、特に、闘病に対する姿勢は「凄い」と思いました。

私なんて、風邪引いて熱出しているだけで「死にたい」と思う程、豆腐のような根性の持ち主ですので、(憧れはしませんが)尊敬はできます。

でも、私、この人の論文だったかエッセイだったかを読んで、「カチン」ときた記憶があるのですよ。

今、出典を調べているのですが、ヒットしません。その件については、後日記載させて頂きます。

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それにしても、未成年で、喫煙、飲酒、あげくの果てにアルコール依存症ですか。

これで、国民から人気があった(あったんだよね?)というのは、正直面白くありません。

とはいえ、皇族という面倒な身分の中で、これだけのことをやってきたのですから、宮家や宮内庁からは、「鼻摘まみ者」として扱わえていたんだろうな、想像に難くありません。

私ごときがかましている傲慢で発生する逆ベクトルとは、比較にならないくらいの逆風の中で、生きてこられたのだろう思います。

同情はしませんが。

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今朝、会社に行く前に、

『ねえねえ、もし、私が宮家に生まれて、今のキャラクターのままで生きていけたら、結構人気出たと思わない?』

と尋ねたら、嫁さんは、困ったような顔をしていました。

―― あなたが宮家に生まれていたら、皇籍を剥奪されて、宮家を追い出されていたと思うよ ――

と、嫁さんの目が言っていた。
2012年 06月 16日
リアル鬼ごっこ
若い頃、私は「宗教」は信じていなくても、「宗教を信じている人」は信じていました。

それを、根底から破壊し尽し、私の想いを裏切った、カルト宗教のテロ事件関係者を、誰一人として許すつもりはありません。

人を殺害することを「是」とする教えを、自分の頭だけで「否」と判断できない人間は ―― もはや人間でない。

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一連のオウム真理教事件による特別手配犯の中で、最後の容疑者が逃亡中です。

警察は、5000人の警察官を投入しているそうです。

警察官の人件費が1日1万円以下ということはないハズですので、どう安く見積っても、その容疑者一人の為に、一日5000万円の金が使われていることになります。

まあ、正確に言うと、通常業務のコストが容疑者の探索に使われている、ということになりますが。

ここで逃走を許したら、警察は完全にメンツを失いますので、何十億かかろうとも、必ず逮捕するハズです。

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現在、我が国の税収は少ないです。

容疑者が一日逃げきるお金は、小さな新規の国家研究プロジェクトを、1つや2つ立ち上げることができる金額です。

今、私が、現実的に腹を立てていることは、

―― いずれ捕縛されることが明白なこの最後の容疑者の「鬼ごっこ」ごときの為に、私達の貴重な血税が浪費されているという事実です。
2012年 06月 15日
記事だけで新聞を判別できるか
記事か見出しだけで、新聞を判別できるだろうか?、という、研究的な興味が湧いてきて、ちょっと書き下してみました。

○読売新聞・・・「ということにすべきである」

基本的には保守で、時々空気を読まない(KY)記事が登場する。
先日、「我が国はプロトニウム最大所有国で、核保有国と同等の軍事脅威を持っている」という社説で、日本中から「それを言っちゃあ、おしまいだろう」と突っ込まれていた。

○朝日新聞・・・「ということに対して、我々はいかに考えていくべきであろうか」

インテリ風の教師が生徒に考えさせる風の「上から目線」記事が、タカビーで「ムカッ」とくる。結論を明確にしない記事(新入社員が最初にやるプレゼンで、要旨不明で上司に怒鳴られるような内容)が多い。

○毎日新聞・・・「という国民の民意を政府は反映すべきだ」

「政府は国民の意見を全て無視して、独断先行している」という内容なら、まず間違いない。平易な文章として記載しているのは、努力しているからと評価したい(記者の知的レベルが低い訳ではないだろう)

○日経新聞・・・「という39%のデータより、株価の水準が・・・」

「数字が真実」であり、「堅調な経済が正義」である、という、一番解りやすい方針を、一番解り難く説明する記事が特徴(数字の意味の理解が難しい)

○産経新聞・・・「というように集団自衛権の行使は・・・」

保守バンザイ。「基本的に政府の方針は間違っていないぞ」の論調なら、まず間違いない。

○赤旗新聞・・・「というような、我々の生活を破壊する消費税は許せない」

基本的に国民が嫌がりそうな事件(増税等)の記事が多いが、その場しのぎで、事件の全体感が見えない。特に桁の多い数値を扱う記事については、絶望的にダメ。電卓やセクセルを扱える記者がいないと見た。

○聖教新聞・・・「創立80周年の大勝利万歳!」

基本的に「恐い」。『大勝利万歳!』が一面トップに出てくると、<北>を彷彿してしまう。もしかしたら「聖教新聞」という名前の、別の雑誌名なのかもしれない。

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その他、前進(中核派機関紙)とか、解放(革マル派機関誌)も調べたのだけど、Googleの画像検索ですら発見できなかった。

# 過激で訳が分からない見出しが印象的だったんだけどなー。

なんとか思い出してみよう。

「階級的闘争を経て、米帝の体制的な行きづまりと日帝侵略戦争の帝国主義打倒粉砕へ全人民的怒りを結集せよ」

うーん、覚えている単語を並べただけだけど、それらしい見出しになりました。

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また、暇を見つけて、調べてみます。
2012年 06月 14日
知的財産権の「武力」保護
「図書館戦争」(有川浩著)は、検閲社会おいて、図書館が表現の自由を守るための組織として存在し、武装化して闘うという話です。

プライバシーや表現の自由と制限に対する、現代の問題点がてんこ盛りに含まれた近未来フィクションで「笑えます」。

御一読をお勧めします。

それはさておき。

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知的財産権とは、具体的には、特許法、実用新案権法、意匠法、商標法、著作権法、その他、不正競争防止法等も含まれる、各種の無体財産(アイデア)を保護する法律を言います。

で、今、私は、鉄道や電力分野の国際化標準を調べる為に、知財関係からのアプローチをする為に、首相官邸、知的財産戦略本部の「知的財産推進計画2012」を読んでいます。

(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizaikeikaku2012.pdf)

が、要旨は分かるのですが、具体的な戦略やターゲットが分からん。

私としては、どの分野の、どの技術の、どの標準化仕様書の、どこを攻めていくか、というくらいの明確化がされていることを期待したのですが ―― そりゃ、無理か。

首相官邸が作成するのだから、「方向づけ」が精一杯だと思うし、仕方ないとも思えます。

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でも、どうせだったら、知財立国日本として、以下の方針を打ち出して、世界を驚愕させて欲しかった。

(1)ジュネーブにある世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization:WIPO)を主体とする、国際知財防衛「武力部隊」の設立の提案と、イニシアティブの確保

(2)知財(特許権)侵害に対する、武力鎮圧に関する世界的世論形成と法体系の抜本的見直しの提言

(3)侵害品生成工場に対する、権利侵害の差止の実力行使の容認

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よく分からないと思いますので、実施例を一つ。

○経済産業省の下部組織にすぎない「特許庁」(×防衛省)が

○独自の武装組織を持ち、

○ジュネーブに本部のあるWIPOの指揮下、

○治外法権、属地主義の例外として、

○隣国(例えばC国)のある地方にある、知的財産の侵害品の製造工場に対して、

○特殊部隊の派遣、空爆等の壊滅作戦を実施する。

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知的財産権(知財)を守ることは、今後の世界にとって重要なことです。

大切なのは、人命よりも、世界平和よりも、知財保護です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/図書館戦争
2012年 06月 13日
連座制度としての節電対策
お金を沢山もっている人は、帰りの電車賃を考えることなく、買い物ができます。

また、自動車に乗っていて、ガソリンスタンドが見あたらない深夜の田舎の町で、ガス欠を示すインジケータを認識しながら、アクセルを踏み込める人は、度胸があるか、何も考えていないか、のどちらかでしょう。

ということはですね、節電を効率的に進ませる方法は、財布のお金がなくなるように、「電気がなくなる」という現実を身近に置けば足ります。

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究極の節電対策は、

『停電』

これに尽きるでしょう。

一月分、または一日分の電気を、事前に確保することにして、それを超えるといきなり電気の供給が止まる。

お財布にしてもガソリンエンジンにしても、この理論で動いているのです。電気にも、この原理を導入すれば良いのです。

電気だけが「後払い制度」であるところが、問題なのです。

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ところが、電気の前払い制度は、これがなかなか難しい。

電気というのは流れ込むことはできますが、それを部分的に止める仕組みがないからです。

今、電力会社やメーカが開発競争をしている「スマートメータ」が実現すると、電力会社が、戸別に電気を止めることも可能もなるはずです。

しかし、日本全国、全戸設置までには、まだまだ時間がかかりそうです。

では、何ができるか。

3・11の後にやった、あの「計画停電」ですよ。

使用予定量を超た場合、地域単位で、電気の供給を「ぶった切れ」ば良いのです。

あの時の計画停電のおかげで、電気を供給している「最小単位」を知ることができました。

あの単位で、電力供給の「運命共同体」を作ってしまいましょう。

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所定量を超えると、いきなり地域全部が停電になる。

この恐怖は、節電へのモチベーションを爆発的に加速させるでしょう。

加えて、その停電が「連座制度」であるという点が更に良い。

自分の家だけの問題なら、責任を感じる必要はないかもしれませんが、地域全部を停電させてしまうかもれしれない、という共同体意識は、日本人の最も弱味とするところです。

上手く機能すれば、節電に協力しない家を皆で探し出して、陰湿なイジメやクレームに導くという、上手いフィードバックが働き始めます。

太平洋戦争中の

「贅沢は敵だ」
「パーマネントはやめましょう」

というような、大政翼賛会的、国家総動員法的な、スローガンを流布させて、倹約に対する団体が自発的に発生させ、それを政府、地方公共団体が後押し、加速させる。

夜遅くまで電気がついている家には、モンペ姿の奥さん達が、プラカードをもって抗議におしかけ、コンビニは深夜営業の廃業に追い込まれる、と。

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ここまでやれば、原発の即時廃止、CO2削減目標20%達成など、容易い(たやすい)話だと思うのですが、どうでしょうか。
2012年 06月 12日
人間としての器を「小さくする」メリット
大学生の就活苦の自殺者が、年間1000人を突破したそうです。

私は、自殺が無条件に悪いとは思っていません。

一定条件下にある場合に限り、やむをえないという立場を取っています(リンク御参照)。

特に、就職の失敗は、失恋とは違って、将来のメインストリームが潰されるような絶望感があると思います。

失恋で自殺する奴は、1%の同情もなく「馬鹿」と切り捨てますが、就職の失敗をそのレベルで論じるのは、ちょっと酷だと感じています。

できるなら「就職は人生のメインストリームでない」と思えるように、思考回路を組み替えできると良いのですが、これもなかなか難しいかもしれません。

というか、それは無理か。

就職は人生のメインストリームですから。

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参考になるかどうか分かりませんが、私の体験など。

若い頃、東南アジア各国を旅していたのですが、その物価の安さに驚きました(今は、それほどでもないかもしれませんが)。

# 肉饅が8個が、40円で買えたもんなぁ。

いざとなれば、両親と姉から毎月5000円づつ送金して貰えば、この国に寄生して生きて生きていける、という事実は、

―― どんな宗教のどんな教義よりも、どんな哲学書のどんな名言よりも ――

心の平安を与えてくれました。

無論、経済格差を悪用した「卑怯な考え方」であることは、百も承知の上です。

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と言う訳で、大学生の皆さん。

就職戦線に突入する前に、是非、世界を見て回りましょう。

ホテルなんぞに泊っていてはダメです。現地の安宿、可能なら他人の家に上がりこむような「タダ宿」が望ましいです。

旅行先は、できるだけ経済的に恵まれておらず、貧困や不正、争いが絶えない国が望ましいでしょう。

人間としての器を「大きくする」為ではありません。

「浅学」「狭量」「卑怯」を極め、可能な限り、人間としての器を「小さくする」為です。
http://www.kobore.net/bone.txt
2012年 06月 11日
なかったことにできる世界
Webがいわゆる印刷物と異なる点の一つに、「後からなかったことにできる」ことがあります。

私も毎日日記を書いていますけど、後から表現方法を変更してみたり、酷い時には、論旨までも変えることがります。

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特許の審査ではでは、Webも公知情報となるのです、その情報が開示された日時までも、正確に記載することが求めらています。

Webの内容が変更される場合も、情報自体が削除されることもあるからです。

このWebという媒体は、特許制度を採用する全ての国にとって、非常にやっかいで、鬱陶しい(うっとうしい)であることは、想像に難くありません。

後発的に証拠が消滅、変更されたりしますし、情報が追加されても、その時刻が分からなくなるからです。

ですから、「特許明細書を書いた時点で、Webのページをハードコピーとして印刷しておく」というのは、我々の研究員にとっては、常識の範囲です。

特許侵害の裁判なんかでは、原告、被告、どちらであっても立証が大変だろうなぁ、と思います。

特許庁は、できることなら、世界中のWebのバックアップを毎日記録しておきたい、と思っているでしょうし、それに近いことはやっていると思います。

しかし、それを公に認めることはないでしょう。第三者の訴訟なんぞに巻き込まれるのは、御免でしょうからね。

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愛の告白を、後発的になかったことにできることにできえば、恋愛の成就率、引いては、結婚率の向上に資することになるでしょうか。

「Webで愛の告白」というのはどうでしょうか。

サービスコンセプトは

『「世界の中心で愛を叫び」つつ、「後で取り消しできる」』

で、どうかな。

現時点では、技術的には穴ぼこだらけ(結局、ログ取られたら同じことだ)のサービスになりそうです。

しかし、

「なかったことにできる告白」

を付加価値とする技術開発に成功したら、結構、流行りそうな気がします。
2012年 06月 10日
「落とし所」という考え方
「一生懸命」とか「努力」というものが、価値のある行為であることは論を待ちません。

基本的に、物事とは「何かをやりたい」という動機で開始します(か、「何かをやりたい」と思う人の指揮下で開始される場合もありますが)

しかし、社会では「一生懸命」とか「努力」だけでは評価されません。これは、ある事象全体の「前半程度」と考えて頂いて良いかと思います。

『ふん、江端も所詮は、「結果が全て」とでも言いたいんだろう』

と考えた人もいるかもしれませんが、残念ですがハズレです。

そもそも「結果が全て」で使われている「結果」とは、「成功」と同じ意味で使われることが多いと思います。

しかし、「成功」などというものは、そんな簡単にホイホイと登場してくるものではありません。

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「落とし所」という考え方があります。

一般的には、「もめ事や話し合いの妥協点。双方が納得する決着点」という意味で使われますが、私の場合、もう少し広義の意味で使っています。

何かが始まってしまった以上、どこかで終わらせなければなりませんが、そして、終わらせる時、「形」にする必要がある、という意味です。

この「形」は、別になんでも良いのですが、第三者が認識可能な程度なものである必要があります。

そんなに難しい話ではありません。

例えば、"1+1"という事象があれば、それに対応した何かが必要であるというということです

1+1 = 2

1+1 = 5

1+1 = 国会答弁

1+1 = 洋菓子等の小売等役務

でも良いです。

これに対して、

1+1= (なにもなし)

が、「落しどころがない」という状態と言えます。

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私の言う「落しどころ」というのは、単純な話で、

『一度ジャンプしたなら、ちゃんと着地しましょう』

というだけのことです。

一生懸命がんばって入社したのに、「ここじゃない」「もっと違うどこか」を求めてさまよい続ける「青い鳥症候群」に陥いるのも悪くはありませんが、先ず、最低一つだけは仕事を完了してみませんか。

何か発明のアイデアを思いついた研究員は、先ずは、そのフワフワしたネタを、具体的な案件にあてはめて、特許明細書という「文章」と「図面」にまで落してみませんか。

アイデアや方針を概念だけで説明する上長は、先ず白板に、落書き程度でも良いので、(部下ではなく)自分自身で、具体的な事例を記載してみませんか。

エッセイのネタを思いついたのであれば、現実にエッセイとして形にしてみませんか。

と、そう言いたいのです。

「一生懸命」とか「努力」とか「業務命令」とか、きっかけは色々あると思いますが、始まってしまった以上、とにかく着地することが重要ではないかと思っています。

着地した場所が、「失敗」か「成功」か「どちらでもない」か、そのいずれでもないかは、後で考えれば良いのです。

ジャンプしている途中で、二回目、三回目のジャンプする、というのは、ちょっと無理かな、と。

で、この着地回数(×ジャンプ回数)が、「経験」という現実の「形」になり、そして、それが、恋愛や仕事に「結構使えるツール」として再利用可能になります。

仮に、着地した地点が「失敗」というものであったとしても、これを「形」にして残しておけば、あとでエッセイのネタとして、使い回すことができたりします。

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先ず、「自分」のことを、自分自身で「落して」みませんか。

他人の意見を転送することや、他人の意見にコメントを返すことは、楽しいですから、私もよくやっています。

でも、それだけじゃ、もったいないです。
2012年 06月 09日
未来の私に楽をさせる方法
以前もお話しましたが、私はここ10年間以上のメール(スパムも含めて)を、全文全部保存しています。

時系列順番で、ダラダラと保存しているだけです。テーマなどでフォルダに分けることもしませんし、スレッド単位で纏めたりもしません。

記録方法は、完全な平文テキスト形式です。添付資料もMIMEのテキスト保存という徹底ぶりです。

ここ10年間のメール(添付ファイルを含む)の総量は、今調べてみたら30Gバイト。高々、映画7本程度です。あと100年後でも今のハードディスクが溢れることはないでしょう。

で、後はメールのディレクトリ全体に、検索エンジンを使えば、個人用のデータベースが完成、と。

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と言う訳で、私が

『上記拝承しました。』

と一行で済むメールを、

『公開特許公報○○○についての、

「時空間通信発明」についての、

審査官の拒絶理由通知の内容については、

引用文献△△△のp121ページに記載内容を引例として、

29条2項が通知されているということですね。

拝承しました』

とサマリとして記載している理由は、別に、あなたに「親切」で行っている訳ではないのです。

『今のうちに個人データベースに記録しておいて、未来の私に楽をさせたい』

という、姑息な私益に基づいています。

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一方、最近、自分でどんなエッセイやコラムを書いたか、訳が分からなくなってきています。

同じ内容の文章をすでに開示していないか、自分の名前とキーワードをGoogleに入力してチェックするという低落ぶりです。
http://www.kobore.net/cgi-bin/diary/read.cgi?date=20111009
2012年 06月 08日
「スマートグリッド」を説明してみる
ここのところ「スマートグリッド」の本を読みまくっていて、ようやく、ぼんやりとした「像」が見えてきたので、説明を試みてみたいと思います。

(1)「スマートグリッド」というのは、電気のインターネットである。

(2)これまでは、電力会社の発電所だけが作っていた電気を、となりの田中さん家の屋根の太陽電池パネルから買い取ることを可能とする仕組みである。

とまあ、ここまではインターネットの概念で説明できそうです。

インターネット登場前は、マスコミ(新聞やテレビ)の「大本営的発表」しか、信じるものがなかったのですが、Webやツイッターやらの登場で、情報は、ベクトルを失って、自由気儘に流れるようになりました。

もちろん、情報の量は莫大に増加し、それに反比例して、情報の質も凄く悪くなりましたが、まあ、大本営発表も、大して変わらないことも露呈していますしね。

# 放射性物質の流れる方向に、住民を避難させる政府の情報とか。

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「スマートグリッド」を考える上で、もう一つ重要な条件があります。

電気は貯められない、ということです。

厳密に言うと蓄電池、揚水型ダムなどがあるのですが、日本全国で消費されている電力の0.00....1 %の"0"がいくつあったか忘れましたが、その程度と思って下さい。

ところが、必要な電気の量は、現実に使われるまでは分かりません。

で、仕方がないので「余分に作っておいて」「余分を捨てる」ことになります。

電力システムとは、「冷蔵庫のない魚屋、肉屋」と思えば良いでしょうか。

魚を釣った瞬間にすぐに刺身にして食べる、とか、牛や豚を屠殺した場所でそのまま焼いて食べる。

これが電力システムの基本的な考え方です。

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では、電気を余分に作るのを止める為にはどうしたら良いでしょうか。

簡単です。必要となった瞬間に、必要となった分だけ電気を作って送れれば足ります。

10秒分足りないなら、その10秒分だけ電気を作れば良いのです。

ここでネットワークが登場します。

「今すぐ電気をくれ!」というメッセージが、ネットワークで、0.01秒で水力発電所に到着。

水力発電所は、河川で遊んでいる子供や釣り人に『警告サイレンなし』で、いきなり放水して発電を開始。

河川で遊んでいる子供や釣り人は、そのまま濁流にのまれて、行方不明になる、と。

あるいは、電子メールで

「今すぐ逃げろ。15秒後に濁流がくるぞ」

という通知をしても良いかもしれません。

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スマートグリッドの肝とは、

(1)『電気が必要になった瞬間に、それを通知して、即時に電気を作る』



(2)『情報通信によって、その通知と制御を即時に行う』

という点にあるようです。

これによって、必要な電力が必要な時だけ作られるので、凄く効率的になる、と。

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纏めます。

スマートグリッドとは、

○「冷蔵庫のない魚屋や肉屋」で、

○一片たりとも魚や肉を腐らせることなく、

○たった一皿分だけの注文でも受けて、1秒以内に配達が完了する

というシステムと思えば、まあ、間違っていないと思います。
2012年 06月 07日
この世界は悪い世界である
先日、オウム真理教について調べていたのですが、以下の一文を読んで吹いてしまいました。

『オーム社 :理工学専門書、コンピュータ関連書などを出版する日本の出版社なのだが、一般人にはオウム真理教の関連会社と誤解され、思わぬとばっちりを受けた』

電気工学関係で、この会社の著書のお世話になっていない人はいないだろう。

本当に気の毒で、涙が出そうだ。

この一点をもってしても、あの教団。許せん。

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いまだに「オウム真理教に傾倒している人」がいるという事実は、全く理解できません。

しかし、「理解できない」で思考停止してしまうことは、結構、危険なことだったりします。同じ事件が繰り返し発生し、いつまでたっても、問題を解決できないからです。

ですから、

『正しく理解して、確実に潰す』

必要があります。

これは、エンジニアであれば、日常的に、誰でも理解し実践している事項だと思います。

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基本的に、カルト宗教を構成する教義の中心は、

「この世界は悪い世界である」

という決め付けにあるようです。

つまり「自分ではどうにもならない現実を『誰かのせいにしたい』という願望」をベースとして、では、この「悪い世界」をどうしたら良いのか、という論に展開します。

これが「内なる個人の問題」から→「組織の」→「社会の」→「国家の責任」へ展開させるのは、それほど難しくはないと思います。

例えば、「『誰かのせいにしたい』という願望」については、最近は「英語に愛されないエンジニア」なる概念を導入して、持論を展開している研究員がいるようです。

ま、それはさておき。

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「この世界は悪い世界である」というフレーズは便利です。

これくらい応用の効くフレーズも珍しいです。

一例を。

○「どうして納期に間に合わないんだ!」→「この世界が悪い世界だからです」

○「どうして目標のリアルタイム性能を発揮できないんだ!」→「この世界が悪い世界だからです」

○「どうしてマーケティングの進捗がそんなに悪いんだ!」→「この世界が悪い世界だからです」

ね、とても、便利でしょう。

こういう逃げ方、私好きです。多分、好きな人は結構多いと思います。

そういう観点から見れば、

「我々は皆、『(広義の)オウム真理教入信者』の予備軍となる資質を持っている」

と言い切ってもよいかもしれません。

# 少々強引で早急な結論とは思いますが。
2012年 06月 06日
祭を盛り上げようとしている人達
東京都知事閣下が、東京オリンピック誘致に無関心な東京都民に腹を立てているようです。

ティーンの時、学園祭等の各種の実行委員長やらをやってきた私には、その気持ち、よーく理解できます。

本当に、イベントのムードを盛り上げる為に、どれだけ苦労したやら。

まあ、学園祭などでは、実施日が近付くとそれまでに気運が盛り上がってくるのですが、実行委員の仕事は、その「準備」にありますので、なるべく早い時期に「乗り」を作り出すことがが大事なのです。

今では、どんなイベントも面倒になって、すっかり主催者となることから、逃げまくっています。

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ただ、逃げまくってはいますが、少なくとも「邪魔をしない」ことには注意しています。

実行委員の人に、「冷や水」をかけるような言動(「意味ない」「面倒くさい 」「どうでもいい」等)はをしないように心掛けています。

そのような「冷や水」は、「祭を盛り上げようとしている人達」の心を抉(えぐ)る残酷な言動なのです。

私は、色々なイベントを企画して来た時、そのことをイヤという程、思い知りました。

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一生懸命の人を揶揄(やゆ)することは、ニヒルでかっこいいように感じるかもしれません。

なんといっても簡単。汗一つかかず、言葉だけ吐いていれば良いのですから。

しかし、吐かれた側は、そのような者を絶対に忘れてない。

私は今でもその屈辱を覚えているし、その憎悪は永久に消えないと思います。

# 名前だって覚えている。チャンスさえあれば報復・・(以下省略)

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東京都知事閣下。

私は、東京オリンピック誘致に「反対」の立場を取る、一都民です。

しかしながら、誘致に対して一生懸命であるあなたに、それなりに敬意を払っています。少なくとも、揶揄するような無礼な態度は取らないつもりです。

今後も。
2012年 06月 05日
他人のことなど、どうでも良い
「給食が食べれない子供時代を経て為に、病気になってしまった大人」って、いるのでしょうか。

昔、給食が食べられなかった子供を、先生達は、居残りさせてまで食べさせていました。

醜悪な光景でした。

あれは意味があったんでしょうか。

多分、先生達も「馬鹿くさい」と思っていたと思うのです。

でも、学年指導教官の指示なので従わなせければならず、指導教官は、校長の指示なので従わければならず、

で、校長は戦後世代の「食料のない時代」に育った子供達だった、と。

「食事を残す」ということが、憎悪に近い行為であったといのは想像に難くないのですが、逆の発想はできなかったのでしょうか。

『戦後の、あの地獄のような食料危機を、俺たちは生き残ってきた』

『給食くらい抜いたって、人間は死にやしないぞ』

『わっはっはっは。』

無理か。

無理だろうな。

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私達だって、似たようなものです。

新人が入ってくる度に、

「新人類」

「ゆとり世代」

「くれない君」

だのと、まるでレッテルを張って「新人を苛める」ことが、まるで我々の業務であるかのような振舞い。

そして、我々はというと、

昔は寮が狭かっただの、席が汚かっただの、パソコンが奪いあいだっただの、TSSで計算ジョブを走らせただの、ワークステーションをプロセス過多で落したの、X端末やモザイクがなんだの、イエローケーブルがどうだの、

ああああああ、まったくもって「うるさい!うるさい!うるさい!」。

おめーらが、不幸だった時代を、なんで俺たちに、いちいち教え聞かせるんだ。

それで、なんか、お前らに「救い」でもでもあるんか。鬱陶しい。

―― と、私も思われているのでしょう。

とても残念なことですが。

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給食を食べれない子は、給食を食べれなくて良い。いつか食べれるようになるかもしれないし、ならないかもしれない。

仕事ができない新人は、仕事ができなくて良い。いつか仕事もできるようになるかもしれないし、ならないかもしれない。

我々が劣悪な環境で苦労してきたかもしれない。その苦労は、大変だったかもしれないし、大変でなかったかもしれない。

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「他人のことなど、どうでも良いことだ」

という観念に至るのは、やっぱり難しいことなのでしょうか。
2012年 06月 04日
AKB48とは何か
私はエンジニアですので、基本的に「意味の知らない言葉」は使わないことにしています。

# というか、そういうふうに「作られて」しまったというか。

今、連載をやらせて貰っているのですが、生れて始めて「AKB48」というワードを使いました。

知りもしないのに。

用語を意味不明のまま記載した文章を、皆さんにどのように読んで頂けるのか、少々楽しみでもあり、また、怖くもあります。

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最初に、お断りしておきますが「偏見」のようなものはありません。

私は面白いと思えば、ライトノベルズでも、少女コミックでも読みますし、アニメソングでも聞きます。その辺のプライドは、すでにありません。

「AKB」は「偏見」以前です。本当に知らないのですから。

調べれば良いのですが、なんとなく、あまり知りたくないような気もしまして。

不気味なんです。どこを向いても、この「AKB」というワードが目に入ってくること自体が、正直恐いのです。

これは、なにかのキーワードで、一度(ひとたび)接触すると、何かに浸食されて、別人格に変態("metamorphosis"の方の意味)してしまうかのような恐怖があります。

「AKB」と「KKK(*1)」 似てない? 似てないか。

うん、止めよう。

世の中には「冗談」で流さず、ナイフを持って突進してくる人もいるのだから。

(*1)Ku Klux Klan

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いかなる情報にも接していない、私の有する「AKB48」のイメージです。

○各都道府県から一人つづ選抜されたアイドルグループ

○秋葉原のビッグカメラのキャンペーンガールが創設母体

・・・だめだ、これが想像の上限だ。もう一つ、気の効いたフレーズを出せない。

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真面目に自己分析してみます。

AKB48という組織を私が忌避しているとすれば、それは多分、その

「構成員の多さ」

のように思えます。

「過半数の議席に物を言わせて、国会で強行採決を繰り返してきた、当時の政権党であった自由民主党」

のやり方に、義憤を感じていた若かりしころの私がフラッシュバックしてきて、

「数の理論」

と言う、その理由だけで、私に何か嫌な気持ちさせているのだ、と考察しています。

―― 群れるな。芸能界で生き残りたいなら、一人っきりで孤独に闘え ―― と。

分っています。

今回も、間違いなく、間違っているのは私です。
2012年 06月 03日
大飯原発、再稼動
大阪市長も所詮はその程度か。

予定調和的というか、想定内というか、予想を裏切られなかったことに、私はちょっとガッカリしています。

もっとも、再稼動「中止」の決定があったら、株価は見たことのないような下落をしたと思うし、円のレートもどうななったか分ったものではありません。

加えて、日本の国債の格付けはさらに落ちただろうな、とも思います。

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ところで、原発の再起動は、結構面倒なものらしいです(出展:「神の火」高村薫著)。

今から準備して「6月上旬」に原発再稼動、というのは、

『今(6/2)から(色々)やって、今月中に出産しようね』

という、新婚夫婦の夜の会話くらいの無理を感じます。

現場では、すでに再稼動に向けて準備万端だったのだと思います。

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原発事故があってから、私、本当に色々原発のこと調べたのですが、一技術者として

「日本の原発では、事故は発生しない」

と主張しつづけた技術者は、基本的に悪意はなかったと考えるに至っています。

軽水炉型のネガティブフィードバックの仕組みは、本当に分かりやすく、

「ちょっとでも変なことをすると原発が止ってしまう」

という仕組みは、いわば

「自転車は漕いでいないと、自転車は倒れる」

の理論と同じものでり、これこそが、原発技術者の強気のバックボーンになっていたのだと思います。

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まさか、

「給電されないと、自転車が勝手に光速に近い速度で暴走を開始する」

という想定をすることは、(ここが重要です→)「自転車屋」には無理だったのです。

(自転車屋さんの差別用語だ、という悪意のある嫌な取り方をする方向は無しで)

「系(システム)」として見ることと「部品」して見ることには、銀河系とアンドロメダ系ほどの距離がある、ということです。

これは、技術者にありがちな傾向です。特に専門知識が先鋭化するような分野では、その傾向が顕著になります。

原発技術者も「部品屋」だったのだと思います。

同じ「部品屋」の域を出ない技術者である私には、その思考形態が手に取るように分かるのです。

閑話休題。

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私としては、政府発表で、

「来年は再稼動すること条件に、今年の夏に限り、原発なしを試してみる」

という施策は取れなかったのかなぁ、と本当に残念なのです。

それで、我が国に経済的、商業的、実用的な大損害が発生すれば、『それ見たことか。原発は必要だろうが』という、100年くらいは使い回せる根拠と証拠を残せたと思うのです。

例え、この1年(〜5年くらい)、日本国経済が、ギリシャくらいの酷い状況になったとしても、電力会社も政府も、この一発勝負に賭けるメリットはあったと思うのです。

それをしなかったことは、(勿論、政府は、そんな危険な賭けには出られないという立場は当然としても)、

「今年の夏だけでなく、これからも原発なしでも、いけそうじゃん!」

という事実が残ることを恐れたのではないか、と邪推されても、まあ、仕方ないですよね。
2012年 06月 02日
特許法概説
昨年度、私は20回以上にもおよぶ、電子メールを使った特許法の解説を、部内で実施してきました。

ちょっと変わった解説なので、外部には公表していません。

なぜか。

それは、その内容が公になると、

(Step.1)『特許庁長官が激怒して、我が社に公式に抗議を申し入れて』

(Step.2)『知財部が激怒して「江端を解雇しろ」と言い出し』

(Step.3)『研究部門は、江端の取り扱いを誤るのが怖くて、対応に困る』

という事態になるだろーな、ということが、なんとなく分かっているからです。

どうも「江端は一度切れると、平気で組織に牙を向く」と思われている節があります。

自分では「手乗り文鳥よりも、儚(はかな)げな存在」と思っているのですが。

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江端著作の「特許法概説」の文面を一部紹介します。

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○我々研究員は、「特許権を得る為なら、審査官様の靴の裏も舐めるくらい」の気概で、明細書を書くように心掛けましょう。

○訂正します。「ゴキブリホイホイ」と「ルータ装置」が単一性を有する場合はあり得ます(37条、特施規25条の8)。

○日本国特許庁に設置されているイージス艦から、世界160カ国以上の首都に対して、160発以上のミサイルが同時に発射され、各国に着弾し「『パリ条約条優先権爆弾』が炸裂する」というイメージです。

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# うーん、特許庁長官が激怒する程度では、納まらんかも。

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いやいや、問題はそこではない。

研究所の諸君。私の「特許法概説」読んだんでしょう?

ほら、ちゃんと感想をよこさんかい。ほらほら。

下記をコピペしていいから。

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○江端さん。あなたの才能には、もう感嘆の一言しかありません。

○どうしてこのような素晴しい文章を、簡単に作り出せるのですか。凡人としては嫉妬の領域を超えてしまいます。

○江端さん! 私を連れて、どこへでも逃げて!! (女性限定)

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2012年 06月 01日
市ヶ谷駅
先日、上司の代理で電気学会の勉強会に出席してきました。

下車駅は、あの「市ヶ谷」です。

○「亡国のイージス(福井晴敏著)」の、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地の地下に「防衛庁情報局"DAIS"」があり、

○「リヴィエラを撃て(高村薫著)」の、元IRAテロリスト、ジャック・モーガンが謎の死を遂げる

あの「市ヶ谷」です。

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JR市ヶ谷駅で、電車から降りる時には、さすがに緊張しました。

階段を降りていく、精悍な体躯の背広の男性は、陸上自衛隊の特殊部隊のリーダでした。

あの雰囲気より、多分、首都クーデターが発生した時、叛乱部隊を鎮圧する為の特別任務と訓練をしているのでしょう。

階段上がってくるスラブ系の男性は、「市ヶ谷」が取り込みに成功した、中東関係の諜報員でした。

間違いありません。

ホームで迷ったフリをするあたりが流石と思いましたが、フッフッフッ・・・私の目は欺けません。

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そして、私はといえば、JR市ヶ谷駅を下車して、ホーム改札を出たところで、出口を見失いました。

全ての行き先が、地下鉄のゲートになっており、市ヶ谷の街に出ることができなかったのです。

思わず、つぶやきました。

『くっ、なかなかやるな・・・、手の込んだ「トラップ」だ』

敵の一個小隊が、ここに入り込んだ時、全ての地下鉄改札側に人員を配置して、一気に制圧・殲滅することまで想定しているとは、さすがは市ヶ谷駅。

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で、私は、その後、地下鉄改札のおじさんに頼んで、ゲートから出して貰って、無事、時間までに、学会の会場に到着することができました。