江端さんの忘備録
2011年09月分を表示
- ■2011年
09月 30日
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- ・「家庭用アルミホイルをアンテナに巻く」
- 去年の8月と今年の3月、北朝鮮から韓国に向けてGPS妨害電波が発せられた(AFPBBニュース)。韓国政府はこの問題に対し「対応策を整備する」と発表したのだが、その対応はGPSアンテナをアルミホイルで覆うという「応急措置」だったことが判明したそうだ。
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現実的な対応ですが、効果は全くなかっただろう、と思います。
GPSを妨害する装置なんぞ本当に簡単に作れますが、その妨害を回避する方法は、絶望的にないですから。
ただGPSを妨害する側も、GPSが全く使えなくなるんだけど、「北」は、別段困らないのでしょうか。
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妨害電波の発信源を特定するのは、さほど難しくないので、ピンポイントで発信源をミサイル攻撃すれば足ります。
しかし、お隣の国で、そういうことが簡単にできない事情があるのは、よく分かります。
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妨害専用のGPS衛星を打ち上げる、という攻撃方法もあると思います。
特定国だけを攻撃(GPSを利用できなくする)には、妨害電波を送出する静止衛星を、攻撃国の真上で保持させれば良いでしょう。
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我々の生活の基盤(インフラ)は、えらく懦弱なもので支えられているんです。
ちょっとした悪意の発露で、簡単に崩れるくらいに。
- ■2011年
09月 29日
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- ・「のび太」という国家理念
- 『「リーダーシップを張れる政治家」が望まれている』と言われ続けていますが、私は、このフレーズ、かなり嫌いです。
65年程前に、
○カリスマとリーダシップを発揮し、
○戦後の復興を見事に成しとげ、
○欧州で突出した経済力を発揮し、
○公共事業を次々と打ち出して、失業率をかつてないレベルにまで低下させ、
○軍事力の増強を図り続け、米国や周辺の大国を威嚇し、国際発言力を爆発的に向上させた、優れた政治家がいました。
アドルフ・ヒトラー
という人物です。
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尖閣諸島問題や、北方領土問題、竹島問題、米軍基地問題で、
『我が国政府が、弱腰外交をしている』
と言われていますが、そんなこと「あったり前」じゃないですか。
馬鹿じゃなかろうか。
我が国は、
「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」
と、国家の最高規範である憲法で規定しているのです。
ピストル持っている相手に、「俺は正しい」と素手で立ちむかえば、撃ち殺されるに決っています。
『弱腰外交』が嫌なら、憲法第9条を撤廃(×改正)し、軍隊(×自衛隊)を設立し、核武装をするような政策をぶち上げて、世論を、その方向に誘導しなければなりません。
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リーダシップを持つ政治家が、そのまま、再軍備をする政治家になる、というのは短絡すぎており、論理破綻していることは認めます。
しかし、「リーダシップを持つ政治家」というのは、恐しいリスクを持っているということくらいは、当然に認識しておくべきです。
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私は、
○平和憲法を維持し、
○弱腰外交を支持し、
○のらりくらりとその場対応を続ける政治家を支援します。
別に、かっこよくて、マッチョな国家にならなくても、良いと思うし、そういうスマートな政府も期待していません。
我が国は、ドラえもんの「のび太」の生き方に学べば良いのです。
- ■2011年
09月 28日
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- ・「シュタインズ・ゲート」から学んだこと
- アニメ「シュタインズ・ゲート」では、「2ちゃんねる」用語が沢山登場して、大変勉強になりました。
○「ぬるぽ→ガッ」
「ぬるぽ」とは、NullPointerへのアクセスのこと。
フーン、エクセプション(例外)処理ルーチンに飛んでくれるんだ。最近のプログラム言語は親切なんだねー。
私のイメージでは、「ぬるぽ→システム即死」です。
茨城にある工場なら、「ぬるぽ→間抜けなプログラマー」として、半年は嘲笑され、忘年会の度にバカにされるだろうな、と思います。
#
だから、誰にも言わずに、誰にも気がつかれないようにコードを直す、と。
○中二病/厨二病
「中学2年生くらいの年代でありがちなこと」といった意味のもと、以下の症例を発症する病気(らしい)。
・洋楽を聞き始める。
・うまくもないコーヒーを飲み始める。
・売れたバンドを「売れる前から知っている」とムキになる。
・やればできると思っている。
・母親に対して激昂して「プライバシーを尊重してくれ」などと言い出す。
・社会の勉強をある程度して、歴史に詳しくなると「アメリカって汚いよな」と急に言い出す。
なるほど。思いあたることがあります。
○乙(おつ)
「おつかれさま」の略称。
例:「自演乙」とは、自作自演行為に対して「お疲れ様」の意味。主に皮肉に用いられる。
○リア充
リア充(リアじゅう)とは、リアル(現実)の生活が充実している人物を指すインターネットスラング。
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これらは、もはや新しい言語体系と言っても良いのでしょうね。
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その他、「シュタインズ・ゲート」の主人公が、2ちゃんねるのユーザであることを、秘匿しようと必死になっていたことも印象的でした。
『2ちゃんねるの掲示板に書き込むことがバレることが、大変恥しいこと』というのが、よく理解できました。
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しかし、匿名の議論は、私の性格には合いそうにありません。
○毎日、実名で駄文を掲載し、
○ネット世界と現実世界を一元化して把握し、
○ネットで売られた喧嘩は、現実世界で買う。
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昔、掲示板でフレームになった時には、
『面倒だ。話をつけるぞ。ここに出て来い』と、
フレーム相手に、メールで自分の電話番号を送りつけ、日時と場所を指定して、呼び出しかけていた
――
―― 私は、そういう人間ですので。
- ■2011年
09月 27日
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- ・夫婦のパートナーシップ
- 先日、私が仕事でポカをやらかしまして、嫁さんにフォローして貰う事態が発生しました。
こういうポカのフォローは、何年かに1回は発生して、嫁さんもその事態の深刻さを理解してくれているので、全面的に協力してくれることになりました。
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フォロー当日、私は、嫁さんの位置を携帯のGPSで追跡しながら、嫁さんが、次に向かう場所の詳細な情報(乗り込む列車の時刻、車両位置、出口の方向、改札の番号)を、嫁さんが動き出すタイミングに合わせて、メールで先行的に通知しながら、誘導を続けました。
そして、最終目的の場所と時刻を1分と狂わせることなく、ランデブーに成功し、ミッションを受け継ぎ、フォローアップの目的を完了しました。
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管制指令室と現場対応員の、見事な情報連携によるミッションの完遂。
夫婦のパートナーシップの見事さに、思わず自画自賛してしまいました。
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その日、この話を娘達にしたところ、
『ママは、スーパーマリオの、「マリオ」みたいだね』
と言われました。
どうして、そういう話になる。
- ■2011年
09月 26日
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- ・ニュートリノの速度、光に圧勝(シュタインズ・ゲート(最終話)(その4))
- 「光より速いニュートリノ」という実験結果が、どれほど凄いパラダイムシフトを起こし得るかということは、物理学に詳しくない私でも、そこそこ理解できます。
しかし、先ずは、SERN・・もとい、CERNも言っているように、「実験環境の検証」が重要でしょう。
何より今の私が死ぬ程知りたいことは、今回CRENが採用した、時刻同期システムです。
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ニュースから引用(1)
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距離の方は比較的精度が良いと考えられるが、難しいのは時間である。GPSの時刻は電波の伝わり方に影響されて100ns程度の精度しかないという。
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ニュースから引用(1)
おわり-----
通常のGPS測位なら、この程度でしょうが、軍事用のコードを使えば、もう一桁くらいは上がるのではないかなぁ、と思っています。
「cm単位で位置補足ができる」という話を聞いたことがあるのですが。
と、まあ、ここまでは良いとして。
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ニュースから引用(2)
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このため、セシウム原子時計でGPSからの時刻を補正するという方法を使い、1ns程度の精度で時刻を一致させるシステムを開発している。このシステムの精度についてはドイツの研究機関が独立に調査を行い、ずれは2.3±0.9nsという結果を得ているという。
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ニュースから引用(2)
終り-----
多分こういう理屈なのだろう。
(1)まず実験設備(ニュートリノの送信口と受信口)の位置は、精密に測定してある。GPSは勿論、たぶんレーザーの干渉波を利用したりして、相当厳密な位置測定ができている。
(2)厳密な位置が判っている以上、そのGPSを使ってその位置を測定して出てくる誤差は、「GPSが生成する誤差」であるはずである(電離層の反射とか、天候とかに左右されるので、地上局から衛星に補正パラメータを定期的に叩き送っている)。
(3)その「GPS生成する誤差」を、正確な位置との関係で逆計算をする(と言うのは簡単だけど、逆計算には相当の計算パワーが必要だと思う)
(4)これで、地上には、GPS時刻を高精度で補正した時間と、独立したセシウム時計の2つの時間があることになる。
(普通は、これはいずれか一つがあるだけで、超高精度の時刻であるはずなのだが、これを2つももっていることになる)。
(5)この超高精度の時刻2つが完全に同期している時(ずれる時もあるだろうが、その一致している時)であれば、これは、地球上で実現できる最高水準の超超高精度の時計である筈である。
これで、1n秒程度の誤差まで抑えられるであろうことは、直感的に理解できる。
(6)これが送信元と受信先の両方に設置されているので、最悪のケースでも2n秒程度の誤差となり、"2.3±0.9ns"の根拠となっているのだろうと推測。
(7)1n秒で光の進む速度は30cmだから、2.3n秒であれば70cm程度の距離の誤差は発生すると考えて良い。
さて、ここで、ニュートリノが光より、どれほど速かったかを、検証してみる。
(1)SERN・・ではなくて、ジュネーブにあるCERNとイタリア中部にあるLNGSの距離は730km
(2)今回得られた実験結果は「光速との比率でいうと、ニュートリノ13
件の方が2.49×10-5だけ速い」ということ。
(3)つまり、光の速度が30万km/秒(正確には299792458
m/s)だから、ニュートリノがゴールした時に、光はその後ろ、「7470メートル」後ろにいたことになる。
(4)時計による誤差は最大70cmしかなく、光は7470メートルも後ろにいたのであるから、時刻同期による誤差は、ゴミのようなものである。
(5)結論:ニュートリノの速度、光に圧勝。
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どこか、計算間違っているかもしれませんが、とりあえず、私の電卓の結果では、こんな感じです。
計算方法の間違いや、データのミス(新聞のソースだしねえ)、その他アプローチの違いなどあったら、存分にご指摘下さい。
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その検証後であれば、私は「ニュートリノだけが許される高次元の通路(近道)説」、つまり「ワープ説」を採りたい。
#
私は「宇宙戦艦ヤマト」の世代
でも、かかるニュートリノの存在が確定し、かつ、相対性理論にも瑕疵がないとすれば、あと動かせるパラメータは、
「時間」
だけです。
つまり、「時間の遡行が可能」という理屈は、確かに成立すると思います。
物質の移行は、ちょっと良く分からないのですが、「ニュートリノ通信」のようなイメージであれば、過去へのメッセージ通信の可能性は十分にありえると考えます。
#
「Dメール」の実現性、一気に高まる。
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なんか、「もしかして、良い時代に生れてきたのかな」と思えてきました。
- ■2011年
09月 25日
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- ・浅田次郎の楽しみ方
- 昨年、たまたま「椿山課長の七日間」を地上波で見ました。
先日、図書館に入庫していたので文庫を借りてきて読みました。
「原作も良いなぁ」と思って、嫁さんに勧めたら、いたく感動したらしく、そのまま映画もDVDで借りて見てしまったそうです。
酷く怒ってしまっていました。
『映画が、原作の感動に遠く及ばない!』
『そうかなぁ、あの話を、よく映画として纏めれたなぁと、私は感心したけどね』と、私は応えましたが。
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えっとですね。これは単に順番の問題なのです。
◯「原作」→「映画」の順番で見ると、大抵腹が立つ。
◯「映画」→「原作」の順番でみると、概ね不満はないが、新鮮感がなくなる
これは、著者の原作の持つ力が、凄く大きいからだと思います。
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私が、娘の姿にオーバーラップさせて大号泣してしまった
「日輪の遺産」
が、映画化されており、本日、映画館にいってきました。
いい映画でした。
出演者も演出も最高。
よくここまで、原作を生かし切ってくれた。
心から感謝です。
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でもね。
やっぱり不満が残るんですよ。
『ああ、違う。ダグラス・マッカーサーは、そこは、そういう演技じゃねーんだよー!』
『最後のシーンは、そうじゃねーんだ。もっと、荘厳で、畏れで近づけないような、なんというか、その、なんちゅーんだ、違うんだーーーー』
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難しいですよね。
◯原作読まなければ、映画に行こうと思わないだろうし、
◯原作読むと、演出に不満が残るし、
著作物を愛する気持ちは、愛憎・タイミング、入り乱れて、まあ、なんというか、
そこが、面白い。
http://www.nichirin-movie.jp/
- ■2011年
09月 24日
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- ・博物館めぐり
- 私には、過去にいろいろありまして、フランスという国は、他の外国と比べて若干評価を低くしなければならない、(個人的)な背景があります。
しかし、あの国の美術品は凄かった。
◯ルーブル美術館では、『寝袋を持ち込んで、暫くここに住みつくんだ』、と、まで思いましたし、
◯オルセー美術館では、生れて初めて、絵を見て涙が溢れそうになりました。
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今回のロンドン出張で、私の泊っていたがホテルが、
大英博物館の真横(正門まで歩いて3分)
にあることを知ったのは、宿泊5日目でした。
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兎に角、出発直前、ロンドンオフィスの近辺のホテルは全部満室。
系列会社の旅行代理店は、「駄目でした。自力でなんとか予約して下さい」という回答(そんな回答する旅行代理店って、他にあるかのか?)。
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もう「値段」とか「距離」とか言ってられなくなり、
「兎に角、ロンドンのオフィスから徒歩圏内(4km四方)なら、どこでも良い」
てなもんで、検索エンジンを叩きまくって、ようやく予約を取りつけたホテルでした。
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ロンドン最終日、荷物をホテルのクロークに預けて、最後に訪ねたのが「大英博物館」でした。
時間が3時間足らずということもあったのですが、私にはあまり「嵌まらなかった」です。
理由は判っているんです。世界史の圧倒的な知識不足です。
エジプトの前期と後期の違いが全然分からいところに、大量の実物ミイラが、インフレ状態のようになった陳列。
中国史も「清国」の前が、遣「唐」使と遣「隋」使くらいしか分からんやつに、仏像の歴史的価値が分かろうはずもない。
「美術館」と違って「博物館」は、一定の教養がないと、ほとんど楽しさを引き出せないのですよ。
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タイムリープして、高校の世界史の教師を殺害しに行きたい気分です。
自分が勉強不足であったとは考えず、「教師が最悪」であったと認定(私の中では絶対的真実)
#
しかし、高校卒業後でも自分で勉強できたハズですから、やっぱり言い訳ですけどね。
今度、大英博物館に行く前には、とりあえず、どこか一つの国の歴史は、おさらいしておこう、と思います。
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教養は、それ自体には価値のない、単なる情報に過ぎません。
教養は、「自分を楽しませるネタを持ち歩いている」という価値があるだけです。
それで、必要十分なのです。
- ■2011年
09月 23日
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- ・プレー中の選手を、相手方チームの選手が野次っても良いのか?(その2)
- http://www.kobore.net/cgi-bin/diary/read.cgi?date=20110906
の続編です。
当方のファンとおっしゃる方からメールを頂きました(ありがたいお話です)。
お返事も含めまして、ここでちょっと展開させて頂きます。
(ご存知とは思いますが、私の返事は、プライバシーに一定の考慮しつつも、度々、このような形態を取ります。あしからずご了承下さい)
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引用ここから # 改行は江端が挿入 -----
私は現在は東京在住ですが、小学校時代はS県におりまして弟のリトルリーグの試合を見に行ったときに似たような光景を目にしたことがありました。
攻撃側のベンチメンバーが、相手チームのピッチャーを野次るのです。
それも 「♪おーたくのピッチャー、ヘッボー、ヘボー」という身も蓋もない歌付きで。。。
たまたま応援にいった私たち家族は仰天しましたが、後で弟に聞いたところ「あんなのはいつものことだから、気にせず放っておくんだよ」とのことでした。
・・・大人になった私が推察するに、あの野次は”どんな状況にあっても平常心を保つ精神力を身につける”ということを間違った方法で実践しているものと思われます。
なので、監督含め大人たちは何も言わないのではないか、、と。
これは田舎特有の事象かと思っておりましたが、名古屋でもあるのですね。
この無謀な方法での精神論を押し付けられて、野球をお嫌いになった江端さんは・・・お気の毒の言葉が見つかりません。
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引用ここまで
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うーむ・・・。
『どんな状況にあっても平常心を保つ精神力を身につける』
実社会においても、「パワハラ/セクハラ」のベーシックな逃げ口上としても使われていそうですね。
やっぱり、一般的な方法論としては「間違っている」のではないか、と。
加えて、「スポーツを通して青少年を育成する」という観点が加わわれば、「間違っている」以上に、「最低にして最悪」と断定してよさそうです。
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私は、これが教育方法であるというなら、
「こういう野蛮な応援方法を『是』として、無用に人を傷つける人間を、大量生産する教育である」
と断定します。
http://www.kobore.net/cgi-bin/diary/read.cgi?date=20110906
- ■2011年
09月 22日
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- ・審査基準の差
- 私は、審査が必要となる論文に投稿したことがありません。
なのに、論文の審査を、あちらこちらから依頼されます。
はっきり言って、明かに、私は論文査読者としての資格を欠いているのです、
なぜ、皆、それを分ってくれないのでしょうか。
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私は論文査読の審査基準を知らないので、特許庁の特許要件の審査基準を持ち込んで、論文を「拒絶(Reject)」しました。
そしたら、学会の事務局が「論文の審査基準」を送りつけてきました。
いろいろ書いてありますが、一言で纏めると
『安易に潰すな』
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「フーン。特許庁の審査官とのバトル(赤紙対応)に比べれて、随分違うものだなぁ」
という所感を持ちました。
- ■2011年
09月 21日
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- ・シュタインズ・ゲート(最終話)(その3)
- ゲーム/アニメの「シュタインズ・ゲート」の原作者は、「運命石の扉」と書いて「シュタインズゲート」と呼ばせています。
ドイツ語で"stein"は「石」、英語で"gate"
は「門」です。
"steins gate" を無理に訳してみれば「石門」です。
石門は、一般的には、「時間を超えて恒久的に変化しない権威の象徴」とも見られると思います。
http://www.kobore.net/cgi-bin/diary/read.cgi?date=20100128
「シュタインズ・ゲート」の原作者は、「絶対者による改竄不可能な運命の選択」という意味を与えて、アトラクタフィールドの収束に立ち向う、主人公の闘いを描きたかったのかもしれません。
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ところで、「運命石」って実在しているって知っていましたか。
ロンドンのビッグベンで有名な国会議事堂の北側に、ウェストミンスター寺院があります。
この寺院に保管されている「戴冠の椅子」は1301年に作成されたので、その下には、歴代のスコットランド王が戴冠する時に使ったとされる「運命の石(Stone
of
Destiny)」が置かれていたそうなのです。
エドワード1世(ブランダジネット朝(1154〜1399))がスコットランド遠征の際、戦利品として、この「運命の石」を、今のロンドンに持ち帰りました。
「運命の石」の返還は、スコットランドの人の悲願でありました。
そして、それは1996年に返還され、現在はエディンバラ城に保管されています。
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ロンドン滞在の最終日、私は、ウェストミンスター寺院を尋ねました。
この時期にロンドン出張があり、そこでアニメ「シュタインズゲート」が最終回を迎え、そして「運命石」を訪ねる旅の途中にあったことは、
「これが、シュタインズゲートの選択か」
と、呟かずにはいられませんでした。
http://www.kobore.net/cgi-bin/diary/read.cgi?date=20100128
- ■2011年
09月 20日
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- ・特許証の存在意義
- 混乱されている方が多いのは、仕方ないと思うのですが、
(1)発明者
(2)出願人
(3)特許権者
は、原則として全員別人です。
例えば、私が職務で行った発明(職務発明)は、それが会社の命令であっても、その発明者は、私(江端)です。
我が国では「発明者は自然人である」であるという主義を取ります。
「会社や団体などの法人が発明する」という考え方は、不合理である(気持悪い)と考える訳です。
これを「発明者主義」と言います。
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しかし、私がした職務発明を出願するのは、私の努めている会社(日立製作所、以下「日立」という)になります。
日立は「発明」をしていないのに、日立が出願できるというのは、かなり乱暴な話の様にも思えます。
例えば、「江端」の発明を、他人である「日立」という人物が勝手に出願するようなものであり、滅茶苦茶な話とも言えます。
しかし、日立は、江端に給料を支払っているし、研究の環境の投資もしています。ロンドンへの出張をさせて、パブで一杯飲ませながらの現地の技術者とのの議論を許しています。
日立は江端の研究の為に、相当に色々なことをしてやっているのに、その発明について日立に何の権利もないのでは、日立が酷です。
と言う訳で、我が国には、特許法第35条に「江端が職務でした発明に関してだけは、日立が出願しても良い」という規定があります(いわゆる「職務発明規定」)。
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一方、出願人(日立)は、特許権が成立すれば、特許権者になることができます。
つまり、
(1)発明者
→ 江端
(2)出願人 → 日立製作所
(3)特許権者 →
日立製作所
となります。
また、この特許権は、私的な財産権でもありますので、譲渡(売却等)が可能で、
(3)特許権者
→
Google
等と、後発的に変更することもできます。
但し「(1)の発明者」と「(2)の出願人」は、特許権成立後は変更することはできません。
それはさておき。
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米国特許庁は、成立した特許権に対して、筆頭発明者に、上記(1)の発明者に特許証を交付してくれます。
「(2)の出願人」でもなければ、「(3)の特許権者」でもなく、「(1)の発明者」に特許証を交付してくれるのです。
綺麗に製本された英文の特許明細書が全文記載され、そして表紙には勲章を模した、立体感のある金色の証明標章が貼付されます。
これは、『米国が、特許権に関しては「発明をした人が一番エライ」という「発明者主義」の考え方を、最も大切にしているからだ』とも言われています。
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我々企業研究員は、
(a)技術を形にするフロントである事業部と、
(b)特許権のプロフェッショナルである知財部と、
協力しながら、企業の利益の為の発明を行い、
特許権が必要な国であれば、どの国であれ、特許権を成立させることが任務です。
○自分の発明を、数十ページにも及ぶ特許明細書として記載し、
○各国特許庁が出してくる拒絶理由に対して文章でディベートを行い、
○審査官を解き伏せるロジックを組み立てること、
は、企業研究者として、当然の職務です。
それでも、米国特許庁が、我々発明者に対して発行してくれる、このとても美しい特許証は、いくばくかのお金(数万万円程度
÷
共同発明者数)よりも、嬉しいものなのです。
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今年の夏、私は、2冊の米国特許証を持参して、実家に帰省しました。
そして、「アメリカ合衆国が、発明者である私に発行してくれた特許証だよ」と、その2冊の特許証を見せて、「これ、ここ(実家)に、置いていくから」と言って、父に渡しました。
父が、全文を英語で記載された特許証の内容を理解することは、勿論無理ですが、それでも、特許明細書の私の名前の部分を見つけると、そこを指でなぞっていました、
そして、何度も、何度も、発明の内容を質問してきました。
『過去に遡って、手紙を送る発明だ』と、父に聞かれる度に、私も何度も、何度も、繰り返して説明していました。
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翌朝、実家で私が起きてくると、父は、米国特許証の金色の証明標章の部分を、指で撫で続けていました。
私は、『少しは親孝行になったのかもしれないな』と思いながら、父を見ていました。
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そして、更にその翌日の朝。
私が起きてくると、そこには、昨日と同じように、金色の証明標章の部分をずっと指で撫で続けている父がいました。
赤子を撫でるかのように、ゆっくりと、やさしく、何度も、何度も。
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私は呆けたように父を眺めていましたが、込み上げてくるものがあって、慌てて口を片手で覆い、そのまま洗面所に飛び込みました。
そして、乱暴に水で顔を洗うと、深く深呼吸をしてから、天を仰ぎました。
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我々企業研究員の成果は、形として現われにくいものです。
ある発明が、ある受注に貢献したとしても、その受注案件そのものを自ら実施したとは、主張しにくいです。
なぜなら、国内や海外で、困難な案件に直面し、契約の調整を行い、顧客先と太いリンクを確立した人達こそがフロントであり、寧ろ、「私の発明を、この世の中で使えるものにしてくれて、ありがとうございます」という気持の方が強くなります。
だからこそ、私は、「特許証」は、金銭には替えられない純粋な我々の成果の証になる、と考えているのです。
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しかし、現在、我が社が、発明者に与えてくれる特許証は、米国特許証のみです。
それは、色々な問題があるからです。
例えば、特許権者(日立)でないと、特許証を請求できないなどの法律上、手続上の問題があります。
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私は、発明報奨金を放棄しても構いません。
寧ろ、必要なら、必要経費を払うことも厭いません。
私は、日本語は勿論、英語や、中国語や、ハングルや、ドイツ語や、フランス語で記載された、私の名前が入った特許証(コピーでも良い)を、父に見せたいのです。
そして、父と一緒に、私の発明について、ゆっくりと語り合いたのです。
http://www.yya-pat.gr.jp/pat-us-right.htm
- ■2011年
09月 19日
-
- ・パブでの議論
- 今回の英国出張の私のミッションは、『現在検討中のシステムを、ネットワーク側からアプローチせよ』というものでした。
ですので、現地のネットワークスペシャリストと議論することが必須だったのですが、なかなかスケジュールが合わず、困っていました。
#
このままでは「何の為に英国まできたのか分からない」と、かなり焦っていました。
-----
しかし、今回最大のイベントであるワークショップを終えた後に、チャンスがやってきました。
パブで、そのネットワークスペシャリストの方を紹介して貰った私は、前日、23年ぶりで作成した手書きのレポートを振り回しながら、英国のネットワークについて、厳選した9つの質問を投げかけました。
#
ロンドンオフィスの人からは「江端の9箇条の御誓文」と言われていました。
##
ええ、言い振らしたのは、私です。
-----
いやー、久しぶりに、燃えた、燃えた。
パブの中では喧しいので、パブの外に出てロンドンの夕焼けの中、パイントのビールグラスを握りながら、私の実現したいネットワーク通信方式について、双方畳み込むような議論の応酬。
英語の内容は、ほとんど理解していないんですけどね、「ネットワークの話」というジャンルが決まってれば、内容は大体推測できるんですよ。
私の予想を超える複数の通信方式のアイデアの示唆を貰い、俄然ヤル気が出てきました。
-----
その後、一緒に夕食を食べた事業部の人から
「結局、質問はできたのか」
と尋ねられたので
「ミッション、コンプリートです」
と、この旅で一番ご機嫌な私は応えました。
-----
でも、ふと不思議に思って、
「でも、なんで会話に入ってきてくれなかったんですか」
と、事業部の人に尋ねましたところ、
「だって、入る隙なんか、全然なかったじゃんか」
と、おっしゃられていました。
- ■2011年
09月 18日
-
- ・約束の効力
- 学生のころ、学習塾で講師をしていたとき、私は、授業の中間の5分間、授業とは関係のない話をして、子供達をリフレッシュさせていました。
その時間だけ、子供達が正面を向いて、目を輝かせて話に喰いいっていたよう思います。
分野は、ノンセクションで、
○自然科学の話(原発の危険性等)、
○政治な話(天安門事件等)、
○経済の話(サラ金の利率の計算結果等)、
○国家体制の話(資本主義と共産主義の差異等)、
○海外の一人旅の話(各国の便所の汚れ方と国民性との関係等)
という、おおよそ、小学生には似つかわしくない話題でしたが、それでも生徒からは好評だったです
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一度、小学6年生の講義の時に、「日本における天皇制の意義とその問題」に関して、議論を振ったことがあります。乱暴に纏めると、大日本帝国憲法下における「天皇機関説」の話になっていたか思います。
しかし、ご存知の通り、我が国において「天皇制」は、常に微妙な問題を持っております。
私が「左側通行の運動家」と勘違いされると、面倒なこと(最悪のケースで、講師クビ)になりそうなので
『今から話す話は、誰にも、特にお父さんやお母さんには、絶対に言わないでおいて欲しい』
と、生徒たちに、しつこいくらい念を押してから、話を始めました。
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その翌週の講義の後。
女子生徒の一人が、私のところにやってきて、楽しそうな話で、報告してきました。
『お父さんとお母さんがね、先生のこと、すっごく褒めていたよ』
『何の話?』
『先週してくれたお話のこと』
さーっと、顔が青冷めていくのを感じました。
『今時、こういう話をキチンと説明できる先生がいるんだねえ、って』
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小学生との「約束」には効力がない、と痛感した瞬間でした。
- ■2011年
09月 17日
-
- ・シュタインズ・ゲート(最終話)(その2)
- 日本は猛暑と聞いておりますが、今のロンドンは「冬に近付きつつある秋」という気候です。
はっきり言って「寒い」。
先行して到着した上司からの
「ウインドブレーカを掴んで来い」
と言う指示は、これまで受けた全てのアドバイスの中で、もっとも有用なアドバイスの一つでした。
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ようやく、レストランでの注文の方法にも慣れてきました。
デカい皿に展開される「フィッシュアンドチップス」に途方に暮れることもなく、今朝は、
『「プレーントースト」と「カプチーノ」だけを注文する』
という偉業を成し遂げました。
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19歳の時、初めて海外の一人旅をしたところから、全然進歩していない。
それはさておき。
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『俺は狂気のマッドサイエンティスト』
と言う人は、「狂気のマッドサイエンティスト」でも何でもないんです。
「狂気のマッドサイエンティスト」は、自分を「狂気」と認定できないからこそ、「マッドサイエンティスト」なんです。
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ロンドンのオフィスに来て、
「初めまして」
と挨拶すると、
「江端さんですね。存じております」
と、少くとも3人には言われました。
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これは、人間認識能力が極めて低い、私の資質に因るところもあるのですが。
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今回、パブ(英国のビールの一杯飲み屋)に連れていって貰ったとき、ロンドンオフィスのお二人の方が、
「こちらの江端さんが、先日、あの『変った方』とおっしゃっていた人ですか」
「いや、その方は、ここにいる「江端さん」とは別の人だ」
と、いう会話を、私の目の前でされていました。
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私は、私のことを、「変っている」と認定していないのです。
色々ありますが、自分では「ごく普通の理系サラリーマン」と思っているのです。
だからこそ、この「変っている」には、私には受け入れ難い、しかし、事実の重みがあるのです。
- ■2011年
09月 16日
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- ・サイモンティニアス
- ロンドンオフィスのプリンタが、私の言うこと「だけ」を聞きません
ドライバのインストールは完璧、印刷ファイルは完全にスプールからプリンタに出力されていることを示しています。
でも、印刷したものが全然でてきません。かつて体験したことのない、トラブルです。
かれこれ2時間、このプリンタと闘いましたが、もうこれ以上、こんなことに係わっている時間はありません。
今、私は、資料の手書きを開始しています。
最後に手書きのレポート提出したのは、大学の実験レポートでした(卒論や院論は、ワープロ使っていました)ので、実に23年ぶりの手書き技術レポートの執筆です。
しかし、これはこれで、なんか暖かみや、愛嬌がある感じのするレポートのような気がします。特に、フリーハンドの図は、なんか良い気がする。
#
もしかしたら、打合せの時に「受ける」かもしれない。
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ただ、最大の問題は、ミススペルの英単語の羅列です。辞書でチェックするのが、とても面倒です。
例えば、ネットワーク関連の技術レポートでは、「同時に」という意味の、「サイモンティニアス(simultaneous)」を多用するのですが、当然、私が正確な綴りを記憶している訳もなく、
simonteinious
とか
simuntenous とか、
simulatouns
とか、
えーかげんな綴りを打ち込みますと、ワープロ君が勝手に直してくれていました。
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私の英単語のストック記憶領域は、この23年で、完璧に破壊し尽くされたことを、認識しました。
- ■2011年
09月 15日
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- ・How are you ?
- 2年間の米国赴任中、"How are you ?"
と喋った、米国人は絶無でした。
私は、あの時、真剣に怒りました。
『文部科学省は、使われもしない英語のフレーズを教えてどうする!』
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ただし、どの時代、どの国においても、慣用句は常に変化を続けるので、文部科学省を責めるのは酷なのかもしれません。
ちなみに、その当時、米国で使われていた慣用句は、"How's
going
?"でした。
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さて、この旅、生れて始めての英国出張。
現在のところ、ロンドンでの挨拶は、例外なく
"How are you ?"
のようです。
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この場を借りて、文部科学省にお詫び申し上げます。
- ■2011年
09月 14日
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- ・シュタインズ・ゲート(最終話)
- 昔、ラボ(いや、こっちは本当の企業の研究所だけど)の先輩に、
「永遠に生きるとはどういうことだ」
と尋ねられたことがあります。
私が、
「いつまでも、死なないということではないのですか?」
と返事をしたところ、
「『記憶を無限に蓄積し、取り出せる』ということだ」
と教えて貰いました。
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確かに「記憶がない」ということは、記憶が失われる以前を生きていたことにはならないでしょう。
生物としての生命が何年続こうが、その記憶のストックが「100年分」しかなかったら、100年以上を生きていることにはならないでしょう。
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逆説的考えると、
我々の存在とは、所詮は、「過去の記憶の蓄積」に過ぎない
とも言えるのかもしれません。
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しかし、自分の存在が、単なる記憶の蓄積に過ぎず、自分だけがアクセス可能な記憶だったとしても――
――
そのアクセスしたポイントにある記憶は、私を「楽しませるもの」や、これからの自分を「勇気づけるもの」であって欲しいと思います。
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自分の能力を鑑みない、不遜な言動や、無茶な挑戦の多くは、私自身を随分苦しめ、傷付けてきたと思います。
「やめておくべきだったこと」は、本当に沢山あり、事実、今でも、本当に「やめておくべきだった」と思うことはあります。
だけど、それらの記憶は、私を動かす「何か」になっているのも事実です。
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「思い出」とは、単なる「思い出」そのものではなく、
未知への未来に踏みだそうとする時の、自分へのエールにもなる、
と、私は信じます。
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私が選択したことは、その結果の如何にかかわらず、すべて私のものです。
「シュタインズ・ゲート」は「選択しない」のです。
- ■2011年
09月 13日
-
- ・英語を母国語とする国
- 私は、空港からホテルに行くのに、「タクシーを使わない」という変なこだわりがあります。
理由はいくつかあるのですが、
○基本的に、電車に乗るのが好き
◯安い(もっともタクシー使っても経費で落ちますが)
○早い(渋滞が嫌い)
○タクシーのチップの計算をしなくても良い
それと、
○負けたような気がする
があります。
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その国の公共交通機関の利用は、入国後、最初に直面する最初の難しい挑戦ですよね。
特に乗り換え駅はなどがある場合は、本当に神経を使います。
しかし、「ここを逃げてどうする」と、思ってしまうのです。
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しかし、フランスやドイツで、「出口」という単語を、推測しながら、移動するのは怖かったです。
もし誤解していたら、全く違う場所に連れていかれる、という恐怖は、相当なストレスです。
大抵の場合、地下鉄は暗くて、汚くですし、到着直後は、エコノミー席に突っ込まれて疲労困憊、時差ボケで意識混濁の状態ですから、誰を見ても、私に危害を加えるように見えたりします。
実際、ガイドブックに「間違っても地下鉄には乗るな」というような記載があった場所もありました(帰国してから気がつきましたが)。
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ご存知でしたか?
英国は、英語が使えるんですよ。
大変、素晴しい国です。
出口が「EXIT」と記載されているだけで、もう、私は大感激でした。
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異国での「旅人の恐怖」を、我々日本人はもっと深く理解すべきです。
表示板の英語は勿論、中国語、ハングルの併記は当然でしょう。
お隣さんに便宜を図ることは、我々日本人の古くからの美徳であるはずです。
- ■2011年
09月 12日
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- ・文脈矛盾
- 「皆様、快適な空の旅をお楽しみ下さい」
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この機長は、いや、どの機長も、自分で「客」となって、飛行機に乗ったことがないのだろうか。
ファーストクラスには乗ったことはないが、エコノミーは勿論、ビジネスクラスであっても、
『空の旅が快適であったことなど、ただの一度もない』
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数回のトイレタイムを除いて、飯や飲料水の給餌を受けながら、こんな狭い席に押し込められるように同じ体の形を維持され続けられて、十数時間。
これを、どういう文脈で「快適」などという形容詞で表現できるのか。
事実誤認も甚しいと思います。
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『皆様。狭いところでご不快の思いと思いますが、なるべくそこから意識を遠ざけ得るように、スタッフ一同、演じて参ります。
どうぞ、最後までおつきあい下さい』
くらいの謙虚さがあれば、私はその会社を選ぶと思う。
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緊急時になると降りてくる、あの酸素マスクですが、あれを改良しませんか。
時間をコントロールできる安全な麻酔か、睡眠薬が混入されている気体を吸気できるようにする。
成田でボーディング直後に意識を失って、次の瞬間には欧州到着。
食料、排泄物、パーサー数、準備するコンテンツ等、劇的に削減可能で、経済的。
ファーストクラスからエコノミまで分ける必要すらない。
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事故発生時も、不要な恐怖を与えることなく・・・、
えっと、まあ、このスレッドはここで止めます。
帰国の飛行機もあることなので。
- ■2011年
09月 11日
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- ・「知るは一時の恥、知らぬは一生の恥」では足りない
- もし、成田のExchangeの窓口にて、
「あの、イギリスって、ユーロ使えないんですか?」
と尋ねなかったら、今ごろ私は、切符販売機から吐き出されたユーロ札を呆然として握りながら、地下鉄に乗れないまま、ヒースロー空港の駅で、ロンドン行きの電車を呆然と眺めていたことでしょう。
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国際化を掲げて勝負に出ている我が社の名誉の為に、申し上げます。
「パスポートの失効を2年も放置して」
「イギリスの通貨をも認識していない」
という不良社員は、私くらいです。
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『グローバル化を掲げる会社の主任研究員が、一体何をしとるんだ』という、上司の叱責には、一言もなく項垂れております。
今回ばかりは、100%、上司が正しい。
- ■2011年
09月 09日
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- ・シュタインズ・ゲート 第23話 (その2)
- 最終回の帰着を考えて続けています。
(勿論、知っている人は知っているんだけど)
我ながら、贅沢な時間と頭の使い方をしていると思います。
でも、無駄ではない。
楽しい。
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今朝、夢の中で、ある可能性に至って目が覚めました。
もしかしたら、「トゥルーマン・ショー」や「オリエント急行殺人事件」が、参考になるの・・か?
- ■2011年
09月 08日
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- ・シュタインズ・ゲート 第23話
- 「確定した過去を変えずに、結果を変えろ」
「最初のお前を騙せ」
「世界を騙せ」
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リーディングシュタイナーでない我々にも、適用可能な至言です。
「確定した過去を変えずに、結果を変えろ」
過去の事象で自己責任回避をするのではなく、絶対的な過去の「肯定」を行った上で、未来への挑戦を行うこと。
「お前自身を騙せ」
到底自分には無理だと思うようなことに対して、「お前はできる」と、自分自身を騙し続けること。
騙し続ければ、いくつかは、本当に自分自身を「騙し得ます」。
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それはさておき。
シュタインズ・ゲートに辿りつく、一つの可能性は思いつきました。
「リーディングシュタイナー自身を騙すことはできないんじゃないのか?」とも思いましたが、第23話で出てきた、新規の2つの要素を組み合わせれば・・・。
この結果を知っている人は日本中に山程いると思いますが、それを、私に知らせないように注意して下さい。
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次回、第24話で、これが明かになるのだと思います。
なのに、なんで、こんな時期に海外出張が入るんだよぉーーーー!
- ■2011年
09月 07日
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- ・「短期記憶の観測者」
- 大学生のころアルバイトをしていた、京都の学習塾の生徒からメールが来ましたので、ここでお返事致します。
「なぜ、ここで返事をするのか」というと、第一に、転送先のメールが、ファイアウォールの内側に到着してしまって、そこからメールの返信ができなかった為です。
#
メール返送を強行すれば、部長や幹部に私的メール送信の事実とログが、通知されるようになっています。
第二に、過去、私の公開しているメールアドレスを利用してきたのは、ベルギー人、イラン人、中国人、他、数名の外国人だけで、日本人からのメールが絶無だったという事実があり、メール転送先を変更しなくても別段不便はなかったからです。
それはさておき、ここから本文。
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◯20年後の私に、メールを送って頂きありがとうございます。
◯アニメ「シュタインズゲート」に嵌っている最中だったので、過去からのメールが送付されてきたかと、錯覚しました。
◯塾のクラスの皆のこと、今でも鮮明に覚えています・・というのは、全く嘘です。
◯私が、在学中のゼミの後輩の名前すら忘れて、適当な名前を勝手に付与して、それが在学中のみならず、その後も仲間の間で「著名な名称」になったという気の毒な被害者は、私が知っているだけで2名います。
◯つまり、私は、「短期記憶の観測者」(An
Observer of Short Term Memory(O-STM))
と呼ばれる者です。
◯それが故に、"www.kobore.net"は、研究所に入社した新入所員が、全ての仕事を放置して「3日間かけて読破する」と言われている、べらぼうの量のコンテンツのホームページとなっている訳です。
#
読まなくていいから。仕事しろ、な。 >
横浜の若い研究員達。
それはさておき。
◯現在、20年前の記憶を求めて、20年前の年賀状の捜索を行っております。先程、嫁さんを二人で倉庫や書庫を総動員して、過去年賀状の捜索を行いましたが、見つけられませんでした。多分実家にあるのだろと思っております。
◯という訳で、頂いたメールの返事のお返事は、今度名古屋に帰省する、来年の1月上旬を予定しております。そこまでには、全員のメンバが確定し、データベースのフィールドから、メインメモリへの転送が完了していると思いますので、そこまでお待ち下さい。
それもさておき。
◯仕事で悩んでいるとのお話、拝読致しました。
◯しかし、もうご理解頂いていると思いますが、かかる悩み相談者としては、私は「不適格者」の烙印を押されており、それを自認するものであります。
◯「恋愛」「仕事」「結婚」その他、人生の岐路に立った時は、迷わず、私「以外」の人にご相談下さい。少くとも、その方は、私よりは有用ななずです。
◯なにしろ、「上司と上手くいかない」という相談の内容が、私の腹わた(ガッツ)に響いてこないのです。なぜなら、私の人生において「上司と上手くいったという事実」を思い浮べることができないからです。
さらに言えば、「人間と上手く付き合えたという事実」も思い当たりません。
◯私は「その人が好きか嫌いか」の2元論だけで、ここまで生きてきました。
具体的には、私の敬愛する先輩の奥方の、お話を読んでみて下さい。
http://www.kobore.net/respectable.txt
◯それとロクなアドバイスではないかもしれませんが、この辺も御一読下さい。十数年の前のコンテンツですが、今でも、私のスタンスはブレていないと信じます。
http://www.kobore.net/tex/alone93/node17.html
◯加えて、
私が塾で講義したという、
「コンセントにシャープペンの芯をショートさせて火花を飛す」
「こたつの遠赤外線で、上階の人を殺生する方法」
について、詳しく教えて下さい。
内容を思い出せれば、是非、エッセイ化致したく考えております。。
◯ちなみに、あの「水素爆弾」の話は、2CHでちょくちょく引用されているようです。
http://www.kobore.net/tex/alone93/node23.html
では、
頂いたメールに対する「予備メール」はここまでと致しまして、来年1月上旬に送付予定の「本メール」をお楽しみにお待ち下さい。
最後になりますが、
◯最後に、メールは2〜3行で改行を入れて頂けると助かります。私のメーラでは、文字化けが大量発生して、一部、可読不可能な部分が出てしまうのです。
◯それと、貴殿のクラスに、際立って美しい少女がいたという事実があれば教えて下さい。男子生徒の話よりは、彼女(たち)の現在の近況の話の方に、私は興味があります。男子生徒は、元気に生きてていてくれれば、私にはそれで十分です。
ではでは。
http://www.kobore.net/tex/alone93/node17.html
- ■2011年
09月 06日
-
- ・プレー中の選手を、相手方チームの選手が野次っても良いのか?
- 私、人生で一度だけ、野球のピッチャーをやらされたことがありました。
小学5年生の「子供会」なる地域の集まりで、無理矢理やらされたのです。
まあ、今でいう「いじめ」なるものだと思います。なにせ私は、野球のルールすら知らなかったからです。
まあ、それはさておき。
-----
「へいへい!
ピッチャー、ストライク入ってないよ」
「ピッチャー、バテてる、バテてるぞ」
て言われて、かなり驚きました。
『これが、スポーツマン精神にのっとって吐かれるセリフか?』
と。
これって「野次」という卑怯な行為なのではないのですか。
なぜ、当時は、このような行為が問題にならず、放置されていたのか、私には分かりません。
少くとも、私については、侮辱と屈辱で傷つけられたことは、事実です。
#
一体、このような行為を是認するスポーツの、何が、どう、清々しいやら。
-----
まあ、これは昔の話なのでしょう。
今、まさか、スポーツマン精神に乗っ取って行っている高校野球の、高校球児たちが、相手方チームで、一人で闘っている投手に、このような「暴言」を吐くことはないでしょう。
-----
私、今でも、野球というスポーツ興味がなくて、どちらかというとあまり見たくない方です。
どうも、この一件が、その理由の一端のようです。
- ■2011年
09月 05日
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- ・「左側通行のオブザーバ
- 例え、「私は政治的にラディカルでない」と私が主張したところで、このペー
ジを読んでいる多くの皆さんは、
『誰が信じるか、ボケ』
と言われるかもしれません。
私の政治的位置は、右翼アジテーションの文言が記載されている日本の国旗を掲載しているのを見ると、嫌悪感を感じる程度だと思います。
敢えていえば、
「左側通行のオブザーバ」
という程度の、ラディカルさしか残っていません。
-----
先日、大型トラックのフロントガラスのところに、我が国の国旗の日章の部分を、3つ合わせて、
「ミッキーマウス」
に象った、右翼的ポスターを見ました。
-----
今、「右側」では何が起っているのでしょうか?
- ■2011年
09月 04日
-
- ・シュタインズ・ゲート
- 私は愛想が悪いですし、仕事をしているとき「黒いオーラ」を出していると、家族全員が証言しています。
確かに、仕事中の私に声をかけるのはリスクがあるかもしれない。
「いらんこといって怒られたら損だ」と思うのは、ある程度やむを得ないと思います。
特に、若手研究員が、古参の主任研究員にプライベートな話をすることに、躊躇があるというのも理解できます。
しかし・・・、しかしだ。
-----
○「時をかける少女(筒井康隆)」「無限回廊(小松左京)」「未来からのホットライン(ジェームズ・P・ホーガン」「果てしなき流れの果てに(小松左京)」「JIN(村上もとか)」、その他多数の、時空間を取り扱う著作または映画・ドラマに関して、数多くのコメントを発表してきたこと。
○私が前世紀(1999〜)から、時空間に関するメッセージ通信の研究を続けてきたこと
○「過去へのメール転送」という概念の特許発明の発明者であるということ
を、知っているハズだ。
#
いや、知っていなければならない。
-----
なのに、若手研究員の諸氏は、何故、この私に、
アニメ「シュタインズ・ゲート」
のことを教えなかったか。
-----
先日の深夜、偶然に第22話を見て、大パニックを起こしてしまいました。
慌てて、著作権管理の甘い隣国のビデオサーバにアクセスをして、第1話から第21話までの全話を、自宅LANのルータのLEDが凄い勢いで点滅しているのを確認しながら、パソコン4台のCPUが振り切れているのにも構わずに(実際に2台がダウンした)、突貫的に視聴を続けました。
この3日間、私の平均睡眠時間は4時間を切っています。
当然、この後、正当なルートでDVD等も入手し、家族にも視聴を強制する予定です。
-----
それにしても、見事だ。
ここまで周到なタイムパラドックスを考案したこと、そして、そのタイムパラドックスの解除方法をも提示していること。
そして、その解除方法が、魔法のような手段ではなく、本当に「泥臭く」「人間臭く」、そして「説得力がある」こと。
私の中では、文句なしに、最高の「時空間アニメーション」と評価できます。
#
秋葉原で登場するビル、毎週のように通っているしなぁ(事業部が入っている)
-----
という訳で、特に、若い皆さん。
「時空間」を取り扱うコンテンツであれば、それが何であれ、その内容、種類、メディア、公序良俗、いずれの条件にも拘束されることなく、躊躇なく私に報告して下さい。
-----
それはそうと、「D-mail」を発明したのは、岡部倫太郎でもなく、牧瀬紅莉栖でもありません。
私です。
しかも、「世界線を移動させることなく、過去にメールを送れる」という、優れた効果もあります。
日本と米国で、特許権成立しています。
↓
http://www2.ipdl.inpit.go.jp/begin/BE_DETAIL_MAIN.cgi?sType=0&sMenu=1&sBpos=1&sPos=1&sFile=TimeDir_17/mainstr1315040296158.mst&sTime=0
http://steinsgate.tv/index.html
- ■2011年
09月 03日
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- ・白衣のナルシズム
- 私が学生の頃、化学系学部の学生達は、白衣を着たままで、学食(学生食堂)に現われました。
白衣を脱ぐのには、3秒もかかるまいのに、それでも、わざわざ白衣を着て、食堂にまでやってくる理由は、明確でした。
そう、情けないくらい、見え見えで、明々白々であり、悲しくなるくらいでした。
○かっこ良いと思っているのである。
○頭が良さそうに見えると信じているのである。
○女性にもてるに違いないと考えているのである。
正直、阿呆だ、と思っていました。
事実、多くの学生から馬鹿にされていたと思います。
-----
私は取りたてて、人の装いには興味がありません。
衣服とは、プライバシーや防寒、身体を守る為の防具以外の目的としては、自己主張を目的とした装飾であり、同性または異性に対する求愛行為の一端の担っている、とも思っています。
私はこれを否定しません。
-----
しかし、御前達が使ったであろう薬品が付着しているかもしれない衣服を、わざわざ食堂に持ち込んでいるかもしれない、という可能性に思い当たっていないなら、やはり
馬鹿であり、
そして、そういう一般大衆の嫌悪感に気がつくことなく、白衣を着て、ナルシズムに酔っているのであれば、もやは本当に
救いがたい馬鹿ある。
-----
これを読んでいるであろう、化学系学生、または社会人研究員の諸君。
悪いことは言わん。
自分の価値を下げるような、白衣の着衣は、今日から止めたまえ。
- ■2011年
09月 02日
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- ・10年のブランク
- 本日、一日かけてLinuxのインストールを試みたのですが、ことごとく失敗しました。
古いPC(400MHzで、メモリも256M程度しかない)ので、いくつかはスペック違反ということで弾かれ、そして、ダウングレードする為に幾つかのディストリビューションを試したのですが、ブートすら上手くいかない。
-----
ホームサーバ用に仮想化の基盤を作って、その上で、古いOSとアプリをそのまま引越しさせようという計画なのですが、古いマシンで仮想化基盤を作ろうという試み自体が無理だったかもしれません。
そもそも、仮想化って、CPUのパワーが余りまくってしまったので、パソコンの中に、沢山のパソコンを入れて使おう、という動機から始まったものです。
CPU資源が全然なく、カツカツで動いているようなマシンに、仮想化基盤を作ること自体が、無茶だったのかもしれません。
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Linuxのインストールは勿論、カーネル構築なんぞも、毎日のようにやっていたし、カーネルソースに手を入れてもいたけど、流石にブランク10年は長いか。
あの「軽い」を身上としてきたLinuxが、えらく雅やかなGUIを普通に持つよういになってきて、ハードウェアスペックも、それなりに必要となってきています。
なんか、離婚した後、10年後に成人した娘に再開したような、気不味さを感じています(よう分からんけど)。
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しかし、仕事は仕事だ。
道程が長くとも、もう一度、親子・・もとい、技術の縁を回復するのだ。
- ■2011年
09月 01日
-
- ・なぜ「改革」は合理的に失敗するのか
- 実に、勉強になる本でした。
一言で纏めると、
『「改革」は、そのもの自体が「失敗」と同義である』
という内容のショッキングな本です。
-----
ポイントは、「合理的に失敗」という点にあります。
「懈怠するから失敗する」のではなく、
「最善を尽くすから失敗する」という現実です。
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太平洋戦争で、どう考えても不合理としか思えない、
「戦艦大和の沖縄特攻作戦」
「神風特攻隊」
これらが、実際のところ、何の効果もないことを、その作戦立案者や意思決定者の全員が完全に理解していながら、それでも、これらの「特攻作戦」は、彼らにとって極めて合理的な意思決定であった、という事実。
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1万人の食中毒者をいう前代未聞の雪印事件、6万5千件の事故報告を揉み消した三菱自動車事件も、合理的な判断が行わた結果であったという事実。
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そして人望のあるリーダーの改革が、その人脈としがらみの為、ほぼ確実に失敗するという事実。
すなわち、改革を実施するものは、人望があってはならないという事実。
それは、
◯社員の半分を、即座に解雇することができる冷酷は意思決定が可能で、
◯常日頃から希薄な人間関係を常とし、
◯組織への帰属感が絶無で、
◯「愛社精神」という語彙を持っていない
そのような人間だけが、改革を実施できるという事実。
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やっと、この私が、「改革」の表舞台に出る時が来たようです。
http://www.amazon.co.jp/なぜ「改革」は合理的に失敗するのか%20改革の不条理%20[単行本]/dp/4023308927