江端さんの忘備録

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2009年 08月 30日
マインドマップ 偉大なり
私にとって、マインドマップなしの仕事は、もはや考えられませんが、日常においても結構使えることが判りました。

嫁さんからの依頼で、地元紙への記事の文案を作ることになったのですが、マインドマップを使ってみたところ、これが非常に短かい時間で簡単に作成できて、自分でも驚いています。
http://www.kobore.net/boubi/20090830.pdf
2009年 08月 29日
殿といっしょ
戦国時代を扱った荒唐無稽な4コマ漫画ですが、史実に基づく、大変勉強になる漫画です。

受験で日本史を選択する受験生には、無闇には勧められないような気がしますが、日本史の安土・桃山、徳川幕府初期の時代の大体の知識を持っている学生か、受験は全然関係のない人は、O.K.です。

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今週は、図書館で借りてきた「徳川四天王」なる本ダラダラと読んていました。
要するに、武貢しか能のない「脳味噌コンクリート」の武将が、天下が平定されて活躍の場を失うだけでなく、優れた実務者を逆恨みするという、武人のジレンマを描いた小説と纏められると思います。

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あまり面白くもなかった、この本を読み続けられたのは、「殿といっしょ」の刷込みの結果、私の頭の中でロックされた人物像が、楽しませてくれたからです。

真田信幸の妻「小松姫」は、暴力嫁としてロックされ、
石田三成と交流のあった直江兼続は、ひたすら「愛」を強調したがる上杉家家臣としてロックされ、
本多正信と、本多忠勝の確執も、 この4コマ漫画のお陰で、非常によく理解できました。

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この4コマ漫画の上手い点は、他の歴史マンガやNHKの大河ドラマとのリンクを上手く図っている点にあると思います。

今やパチンコまで登場している「花の慶次」の前田慶次
「風林火山」の武田信玄と山本勘介、諏訪御料人、三条の方
今放送中の「天地人」の上杉謙信、上杉景勝、直江兼続

など、原作やドラマと大きく離れたデフォルメがされた人物像の意外性が、最高に楽しいのです。

また、長宗我部とか島津家など、今後の、NHKの大河ドラマとしては採用される見込の小さい対象に対しても、驚くべき視点からの人物表現がされております。

「殿といっしょ」によって、私は、戦国時代の全体像を俯瞰することができた、と言い切れます。

また、明智光秀が、信長に翻弄され続け、うろたえ続ける可哀想な家臣として書かれている点も、私にはGoodです。

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と言う訳で、だまされたと思って購入されることをお勧めします。
ただ、受験で日本史を選択した嫁さんは、「上手くはまれないなぁ」といっていたので、評価に個人差があることはご了承下さい。
http://www.comic-flapper.com/pv_tono001.html
2009年 08月 28日
秀吉の枷
ベストセラーになった「信長の棺」と同じ著者の、その後発行され、現在文庫になっている「秀吉の枷」は、大変素晴らしい作品です。
特に、私の「織田信長」に関する見解がドンピシャであり、ようやく、この本に出会えた〜〜という気持です。

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「織田信長ひいき」の日本人に対して、この場で、私ははっきり言ってしまいたいと思います。

『バカじゃないの?』

織田信長が、本能寺の変で抹殺されたことは、歴史上の大僥倖です。
もし、あのバカが、その後も生き残っていたら、何をしでかしたかを想像できない日本人が多すぎます。

秀吉のやらかした「文禄の役」「慶長の役」に関しても、隣の国にえらい迷惑をかけて、今でも、日本人としては肩身が狭いのに、信長が生きていたら、天下統一後に何やらかしたか、想像するだけでも怖い。

明と全面戦争→民族絶滅、国土焦土、属国または植民地支配

私の中では明々白々の歴史認識です。

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私が敬愛して止まない「明智光秀」という天下に野心のない傑出した武将が存在していたことで、我が国は救われました。

独裁者の暴走と国家の危機を、命をかけて止めた者がいたことを、私は忘れません。

明智光秀と、ワルキューレ作戦のシュタウッフェンベルク大佐が重なるのは、私だけではないと思いたいです。

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「信長が好きで、ヒトラーが嫌い」という人は、性格が破綻しているのか、勉強不足だと思います。

大体、敵将の頭蓋骨で酒を飲み、かつそれを他人に強要するという猟奇な性格破綻者が、我が国の最高権力者になるという、この不快感を、いわゆる「信長ひいき」の方は、どのように考えているんでしょうか。
2009年 08月 27日
誰がなんと言おうが「ヨンさま」である。
日本中で大ブームにになった、韓国ドラマ「冬のソナタ」で、「ヨンさま」は、我が国で著名になりました。

私の「冬のソナタ」の連続試聴時間は、最終回の7分だけなので、このドラマを評価する資格はありません。

大体、私は、恋愛ドラマが嫌いなので、仕方ありません。

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しかし、今年の1月から、我が家では「ヨンさま」ブームを、この『私』が牽引しております。

「大王四神記」の第1回目を視聴した時の衝撃は、これまでの歴史ドラマの概念を吹き飛ばすものでした。

その後、NHK BS2で再放送されけたこの歴史ドラマは、嫁さんと私のダブルチェックの元、厳重に録画管理され、現在も、ハードディクレコーダからの削除が許されていません。

我が家では、同一ドラマの第2クールが始まっております。

6歳と10歳の娘と嫁さんと私が、1時間10分の間、無言でテレビに見入っています。

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NHKも大河ドラマで、日本書紀をテーマに、この程度の壮大な規模の作品を作ってみましょうよ。

受信料問題を吹き飛ばすくらいの勢いで。
2009年 08月 22日
普通のピアノだ・・・
夜中の3時に、YouTubeでマルタアルゲリッチの演奏を見つけてしまったのが運のつきでした。

真夜中のラフマニノフは幸せですが、吐きそうなほど眠いです。

しかし、楽章の間で「ぶつっ」と切れるのは切ないです。
曲が長いからしょうがないのでしょうが。

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Webからの引用です。

『私の師匠がアルゲリッチ様と室内楽の共演した折りの話なんですけどね。リハーサルの休憩の時に、ポツリポツリと、みんなピアノの音を確かめに来るっていうんですよ。そして首をかしげて「普通のピアノだ・・」って帰っていくっていうんです』

分かるなーーー、この感じ。
本当に、もの凄くよく分かる。

彼女こそ、『地上の楽器を、天上の神器に変えうるピアニスト』と言って過言ではないでしょう。
2009年 08月 21日
幸せな二日間
夏休みが終ってから、昨日から出社しているのですが、数年ぶりかで、終日プログラム三昧しています。

外国に提出する実験報告書の期限が迫っており、この二日間で、3つの実験用の制御プログラムを書いてしまいました。

X10のコントローラのプログラムのメンテをしつつ、USBのシーケンスの制御プログラムを作り、後僚に頼んでおいたGPSプログラムに致命的なバグがあったので、思いきってスクラッチから作り直してしまいました。

やっぱり私はビジネスモデルを案出するよりは、システム開発の方が好きなようです。

# 管理職がコーディングしていると叱られるのです(実際に2代目前の部長には叱られたことがある)。
## 人件費がペイしない、とか。
2009年 08月 17日
サマーウォーズ
子供達をダシにして、細田監督の「サマーウォーズ」を見てきました。

「時空間の研究者」なら「時をかける少女」を見なければならないように、「GPSの技術者」なら、この映画を見なければならないと思うのです。

恐らくGPSを利用している人の大半が、その存在を知らないと思われる「GPS補正情報」に言及した映画は、これが初めてではないかと、思われます。

(1)地上局に侵入して、補正情報パラメータに介入することができたとしても、その補正効果がシステムに影響を与えるまでには、早くとも数分はかかるのではないかな、とか、
(2)補正情報が、GPSの原子時計そのものまでも変更させることは、できないのではないかとか、

そういうことは、考えてはいけません。
http://s-wars.jp/index.html
2009年 08月 15日
のだめカンタービレとアルゲリッチ
私が尊敬するピアニスト、マルタ・アルゲリッチは、のだめの演奏面でのモデルなのではないかなぁ、と思って、ちょっと調べてみたら、やっぱり同意見多数。

マルタ・アルゲリッチの演奏は、同じ曲の演奏であっても、全く別の曲に聞こえるし、批評家の間では、酷く悪い評判もあるみたいです。

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アルトゥール・ルービンシュタインのショパンを聞いた時は、
「おい、お前。ここに正座して、頭を垂れて反省しろ」
みたいに叱られような感じ。

圧倒的に正しい生活指導部の先生のような、迫力のピアノソナタ。誰がなんと言おうが文句のつけようがない、正統派ショパン。

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ウラディーミル・アシュケナージ のピアノ演奏が、何故か幼少のピアノのレッスンの前日のような不安と不快感を思い浮ばせる理由が、どうしてもよく分からん。素晴らしいピアニストであることは、議論の余地はないのですが。

モーツアルトのピアノから入ったのが、敗因かもしれません。

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クラッシクを大爆音で聞けるのが、一人で帰省中の車の中だけ、というところに、所帯持ちのサラリーマンの悲哀を感じます。
2009年 08月 12日
学術論文の査読
上司より、某学会の英語論文の査読を頼まれました。

同じような分野の研究を体験していたこともあり、私が適任者と見られたようです。

しかし、私が、この分野の研究で、某顧客殿と「泥沼の行軍」を体験していたことが、その論文執筆者にとっては大変な不幸でした。

その論文を読んでいる内に、私は、その安直な結論や、浅すぎる考察に、だんだん腹を立て始め、査読が終った段階では、激怒していました。

"Reject(却下)"

と、その理由を書いて、学会にメールを送り返しました。

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それから一月後の今日。

学会から査読に対する御礼の後ろに、『後で電話で質問するかもしれないから、その時は、よろしく』と付け加えた英文のフレーズを見つけました。

夏休み中に、問い合わせが来て、先方が電話を諦めてくれますように、と祈っているところです。
2009年 08月 11日
ショパン ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11
「のだめカンタービレ」の最新巻で、のだめとシュトレーゼマンとの共演に、あの、
『ショパン ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11』
が出てきました。

私が、生まれて初めて、ピアノを断念したことを血を吐く程に後悔したショパンのピアノ協奏曲です。

「のだめ」を読みながら、iPodでマルタアルゲリッチの第一楽章を聞きながら、JR湘南新宿ラインの電車の中で、この文章書きながら、泣いています。
http://www.kobore.net/festival.txt