社内報寄稿エッセイ(その2)

社内報寄稿エッセイ(その2)

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▼『日立と言うところは全く部下を誉めないね』と先輩のNさんは言った。『仕事が遅れれば怒るだけ。うまくいった時には誉めない』

▼すぐさま『馬鹿者!仕事は遊びじゃないんだぞ』てな声が聞こえてきそうであるが、そんなことは百も承知である

▼仕事は生きるための手段だから遊びであるはずはないが、気持ちよく仕事ができればそれに超したことはない。私の場合上司に誉められれば嬉しいが、上司の方は不快な気分になるのだろうか。言うだけならタダと言う気もするが

▼最近特に管理職の方は誰もが修行僧のように苦行に絶えながら辛そうに働いている。この不況の中では仕方ないかもしれないが、見ている部下も切ないのである

▼業績が悪いから「給料」はこれから期待できないし、私に関しては「名誉」に値する能力があるか疑わしい。上司を見ている限り「出世」は最も辛い選択の様に見える

▼上司は部下にとって最も身近な未来の一つである。その未来が「辛そう」にしていては困るのだ。日々楽しそうに振る舞って欲しい

▼その具体的な第一歩として「時々部下を誉めちぎる」のはいかがか。その誉め言葉が虚空の言葉であろうと、正確な評価でなかろうと、誉められたら部下はきっと嬉しい

▼私なら『君だけが頼りだ』なんて言われたら尻尾を振り回して働く。

(エバァ)