最近私のローカルエリアでは「ちがうの!」についての議論が盛んです。
では、「ちがうの!」とは何でしょうか。それを以下に述べます。
これは、いついかなる会話においても、何の脈絡もなく発生し、何の根拠もなく相手
を窮地に追いやると言う、理不尽な技です。ここでは、使用例を女性特有の発言で
表現することにします。筆者の立場から良い報告ができると期待され
るからで、いかなる形においても、女性差別意識に付随するものではありません。
(男性の場合、「ちがうんだ!」に変換するだけでO.K.)
それは、会話の途中で突然くりだされる、アッパーパンチのようなものです。 「ちがうの!」
あなたはどきまきするでしょう。なぜなら、あなたは彼女に(yes/no)の質問をしたの でなく、先日のデートの時、食事に行ったレストランの料理の話しをしていただ けなのです。
なにか、失礼なことを言ったのかなと思って、彼女に聞き返します。
すると彼女は
「そうじゃないの!」
完全にパニックに陥った君は、口も聞けなくなって沈黙します。
さらに彼女は言います。
「どうして分かってくれないの!」
これが最終兵器「ちがうの!」の3段攻撃と言われるものなのです。
日立システム開発研究所のNさんが、この事例を分かり易い実施例に表してくれたの
で、以下に説明します。
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さらに重要なのは、それを使う『間』だと思います。
通常の『間』は対話者のセリフの終了時からの正の値を持った時間で計られますが、
これら3つは各々通常と異なった『間』が使われているようです。
「ちがうの」は、対話者のセリフの終了時から計られる値が負である『負の間』
とも言うべきものが、
「そうじゃないの」は、『間』を計り始めるのが対話者のセリフの開始時である
『反の間』が、
そして、「どうして分かってくれないの」は、対話者の無言のセリフに対して
使用される『無の間』が よく使われているように思われます。
『このあんまんおいしいね』 |←→| 普通の間 『うん』 『にくまんもおいしい..』 |←→| 負の間 『ちがうの』 『にくまんきらい...』 |←−−−−−−−−−−→| 反の間 『そうじゃないの』 『………』 |←→| 無の間 『どうしてわかってくれないの』------------------------------------
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さて、「ちがうの」の傾向と対策ですが・・・
現在私はヒューリスティックな手法として、以下のような手段を用いています。
【例1】
相手:「ちがうの!」
(聞こえないふりをして)
別々の会話を独立で走らせる、マルチタスク方式です。
【例2】
相手:「ちがうの!」
江端:「何がちがうんだ!!」
相手:「そうじゃないの!」
江端:「何がそうじゃないんだ!!」
相手:「どうして分かってくれないの!」
江端:「寝惚けるのもいい加減にしろ!!」
ふつーのパターンですな。
【例3】
相手:「ちがうの!」
江端:「は?」
相手:「ちがうの!」
江端:「へ?」
相手:「ちがうの!ちがうの!ちがうの!」
ドラマみたいだけど、泥沼ですね。でも、ドラマでは、一応「ちがうの」の意味がよ
く分かっていいけど。
【例4】
最近先輩のMさんが、興味深い発言をしているので、紹介します。
【例5】
相手:「ちがうの!」
M :「ちがうねえ。」
相手:「そうじゃないの!」
M :「そうじゃないね。」
相手:「どうして分かってくれないの!」
M :「どうしてだろう。」
さすが・・・。
相手は怒るかも知れませんが、一応筋の通っている対応です。どっちみち、相手も訳 の分からんことを言っているのですから、こういう非論理的議論の応酬と言うのは、 いいかもしれない。
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という訳で、このレポートを叩き台に、皆さんの「ちがうの!」についての御意見を お聞きしたいと思います。なにとぞ、御協力のほどをお願いします。