WinPcapDhcpCD の使い方
                       ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
    http://www.kobore.net/winpcapdhcpcd/dhcpcd-jp.txt

                                                ver 0.2    2002/04/12
                                                ver 0.1    2002/02/14

                                                             江端智一

                E-mail:See http://www.kobore.net/mailAddress.gif 
                                         http://www.kobore.net/



Acknowledgement:

        ``This product includes software developed by the Politecnico
          di Torino, and its contributors.'' 

謝辞

  本ソフトウェア「WinPcapDhcpCD」は、イタリア トリノ工科大学で開発された

     "WinPcap: the Free Packet Capture Architecture for Windows"
	       http://netgroup-serv.polito.it/winpcap/

  を使用しております。

  WinPcapの開発に携わった全ての皆様に、心より感謝申しあげます。



0. 変更履歴
~~~~~~~~~~~

ver 0.2    2002/04/12  
	DHCPサーバからの応答が速い場合に、パケットの取りこぼしが発生す
	る為、受信専用のスレッドを用意して対応

ver 0.1    2002/02/14  初版    

1. Copyright
~~~~~~~~~~~~
Copyright (c) 2002,2003,2004,2005 Tomoichi Ebata. All rights reserved.

  本ソフトウェア "WinPcapDhcpCD" はフリーソフトウェアです。
  あなたは、Free Software Foundation が公表した GNU General Public
License(GNU 一般公有使用許諾) バージョン 2 (日本語訳) あるいはそれ以降 
の各バージョンの中からいずれかを選択し、そのバージョンが定める条項に従っ 
て本プログラムを 再頒布または変更することができます。 
  本ソフトウェア "WinPcapDhcpCD" の頒布にあたっては、市場性及び特定目
的適合性についての暗黙の保証を含めて、いかなる保証も行ないません。 
  詳細については GNU General Public License をお読みください。 

2. What is "WinPcapDhcpCD" ?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
"WinPcapDhcpCD"は、パケットフィルタライブラリ WinPcap

        http://netgroup-serv.polito.it/winpcap/ 

を使った、DHCPのクライアントデーモンライブラリです。

  本クライアントを使用することによって、アプリケーションプログラムで、
DHCPサーバから複数のIPアドレスをリースすることができます。
  また、明示的にリソースを解放するまで、デーモンとして起動し続け、リー
スしたIPアドレスを保持します。

  本ライブラリは、Dynamic Host Configuration Protocol(RFC2131)を参照し
ましたが、同RFCを完全に実装している訳ではありません(後述)。
  本ライブラリの目的に対して、動作に問題が起こらない範囲で、実装の簡略
化を実施しました。
  あらかじめ御了承下さい。

3. "WinPcapDhcpCD"が前提とする環境
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
WinPcap 2.2 のライブラリが必要になります。

        http://netgroup-serv.polito.it/winpcap/install/default.htm

よりダウンロードして下さい。

4. 対応プラットフォーム
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
  日本語版および英語版 WindowsNT SP6 で動作を確認しております。
  Windows2000でも、問題なく動作すると思います。

  Windows9Xは、Adapterの表記方式が異なるため、ソースに若干の手直しが必
要(と言うか、コードの一部を削除するだけ)になると思いますが、動くはずで
す。
  Windows9Xの対応をしても良いですが、私が疲れていない時に、Visual
Studio 6.0をインストールしたWindows9Xマシンを貸して頂き、成功の暁には
誉めて頂くことが条件です。

5. CDhcpcd クラス
￣￣￣￣￣￣￣
(1)
CDhcpcd::CDhcpcd(
	char	*myNicName,
	char	*dhcpID
)
	myNicName	DHCPサーバにアクセスできるネットワークカードの
			名前
			(e.g "\\Device\\Packet_E100B1")
			これらの名前は、pipconfig.exeを起動して確認し
			て下さい。
		(See 	
		http://www.kobore.net/soft/pipmasq/pipconfig.exe)

	dhcpID		255文字以内の任意の文字列
			この文字列によって、DHCPクライアントの認識を行
			います。
			(e.g. "dhcpid001")

(2)
bool 
CDhcpcd::isValid(void)

	CDhcpcdクラスのインスタンス化に成功した場合はtrueを、失敗した
	場合は、false を返します。

(3)
bool 
CDhcpcd::start(
	struct dhcpGetInfo *_dhcpGetInfo
)

	_dhcpGetInfo	DHCPサーバから情報を取得します。
			情報は以下の構造体で渡されます。

	struct dhcpGetInfo
	{
		__u32		xid;		
		__u32		yourClientIPAddress;	
		__u32		nextServerIPAddress;	
		unsigned char	subnetMask[4];			
		unsigned char	defaultGateway[4];		
		unsigned char	dns[4];					
		unsigned char	domainName[255];	
		unsigned char	leaseTime[4];			
		unsigned char	dhcpMessageType[1];		
		unsigned char	dhcpServerIdentifier[4];

		__u32		dhcpLeaseTime;				
		__u32		dhcpT1value;
		__u32		dhcpT2value;

		bool		dhcpDemonStatus;
	};

	上記の構造体の情報は、ネットワークバイトオーダのままで渡されま
	すので、アプリケーションプログラムで必要なデータ形式に変換して
	下さい。
	また、上記構造体に含まれていない情報は、取得できません。

bool
CDhcpcd::status(
	struct dhcpGetInfo *_dhcpGetInfo
)

	_dhcpGetInfo	DHCPのクライアントデーモンから情報を取得します。
			情報は上記の構造体で渡されます。

bool 
CDhcpcd::end(void)
	
	CDhcpcdのインスタンスの動作を終了します。
	このメソッドは、インスタンスのスコープ外で自動的に呼び出されま
	すので、省略しても構いません。
		
6. その他
￣￣￣￣￣
  コンストラクタで、インスタンス化に失敗すると、それ以後のメソッドは全
部無視されます。
  インスタンス化の成否は、CDhcpcd::isValid(void)で確認して下さい。

7. サンプルプログラム
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
  サンプルプログラムを以下に示します。

#include "dhcpcd.h"

bool
rev_inet_addr(__u32 netByteIPAddr32, char *dotIP)
{
	memset(dotIP, 0, 16);
	
	struct in_addr	addr;
	addr.s_addr = netByteIPAddr32;

	memcpy(dotIP, inet_ntoa(addr), 16); 
	return true;
}


bool
printInfo(struct dhcpGetInfo *_dhcpGetInfo)
{
	printf("DefaultGateway\t%u.%u.%u.%u\n",
		(unsigned char *)_dhcpGetInfo->defaultGateway[0],
		(unsigned char *)_dhcpGetInfo->defaultGateway[1],
		(unsigned char *)_dhcpGetInfo->defaultGateway[2],
		(unsigned char *)_dhcpGetInfo->defaultGateway[3]
	);

	printf("dhcpLeaseTime\t%d\n",_dhcpGetInfo->dhcpLeaseTime);

	printf("DomainNameServer\t%u.%u.%u.%u\n",
		(unsigned char *)_dhcpGetInfo->dns[0],
		(unsigned char *)_dhcpGetInfo->dns[1],
		(unsigned char *)_dhcpGetInfo->dns[2],
		(unsigned char *)_dhcpGetInfo->dns[3]
	);

	printf("domainName\t%s\n",_dhcpGetInfo->domainName);

	printf("xid\t%d\n", _dhcpGetInfo->xid);

	char ip[16];
	rev_inet_addr(_dhcpGetInfo->yourClientIPAddress, ip);
	printf("yourClientIPAddress\t%s\n", ip);

	rev_inet_addr(_dhcpGetInfo->nextServerIPAddress, ip);
	printf("nextServerIPAddress\t%s\n", ip);

	return true;
}

void main(void)
{
	CDhcpcd	_dhcpcd("\\Device\\Packet_FA311ND43", "ebata");

	struct dhcpGetInfo	_dhcpGetInfo;
	memset(&_dhcpGetInfo, 0, sizeof(struct dhcpGetInfo));

	_dhcpcd.start(&_dhcpGetInfo);
	printInfo(&_dhcpGetInfo);

	Sleep(2000);

	_dhcpcd.status(&_dhcpGetInfo);
	printInfo(&_dhcpGetInfo);	

	Sleep(2000);

	_dhcpcd.end();
}