「時間泥棒」 2003/11/11 ▼ニューヨーク各地で時間が狂い始めた原因を、刑事と神父の二人が探し求め てその正体を暴く。「時間が盗まれている!」(ジェイムズ・P・ホーガン 「時間泥棒」)。 ▼仕事で2年間程米国に赴任した折に、私は米国の文化の一端に触れる機会を 得ましたが、その時心底感心した米国文化にの一つに「徹底した時間のコスト 意識」がありました。 ▼もし会議が1時間と決っていたら、司会者は議事内容がどれだけあろうと、 絶対にその会議を終了させます。そこには上司も部下もありません。予定通り 終了できなかったら、その司会者の評価は地に落ちますし、予定時間を過ぎた ら、皆、帰ってしまいます。 ▼「なんで、そんなにpunctualな訳?」と聞いた私を、同僚は私を不思議そう に眺めた後で逆に尋ねました。「自分の時間を盗まれてもいいの?」。 ▼そんな訳で、帰国後の私は、会議を金額に換算する癖が付きました。特許ブ レインストーミングから、全体集会まで何もかもです。全体コストとして試算 すると本当に気が遠くなるような金額になることがあります。 ▼「コスト意識改革」のような、どっかのセミナーのようなことを言うつもり はないのですが、会議中に私が恐しく不機嫌な時はおそらく、自分の財布から 千円札を一枚づつ抜き取られている、と妄想していることは間違いないと思い ます。