特段の記載がない限り、江端智一は本ページの批判コメントを、理解し、認定しているものとします。
本ページの目的は以下の通りです。
技術分野の誤った知識の流布は、皆さんの不測の不利益となります。
一方、それを恐れるあまり、「何もしない」というのは、私の思いに反します。
そこで、これらの、利益・不利益の調和点として、「原文そのまま」「批判コメント全開示」という方法を案出致しました。
当面、この方法による運用を続けさせて頂きたいと思っております。
何卒、ご理解、ご協力を頂けますよう、よろしくお願い致します。
2012年11月8日(木) 江端智一
初めまして。Bukko(bukkosimposha@yahoo.co.jp)と申します。
(ハンドルネームでのメール、失礼致します。私はこのハンドルネームで、ボーカロイド関連のブログの執筆やツイート、同人誌への記事の寄稿、他のファンとの交流を行っております。その関係上、本名より都合がいいため、ハンドルネームを名乗らせていただきます。)
ボーカロイド情報サイト「初音ミクみく」の記事より、江端様の記事を知り、拝見いたしました。
技術者として、特許技術の面からのバックボーンの考察や、実際に楽曲を作成しているPさんとのインタビューに基づく考察など、裏打ちされた情報をもとにした、大変興味深い記事でした。
既に同じような内容のメールやtwitterでのコメントも受けていらっしゃるかも知れませんが、記事へのフィードバックのひとつとして、メールさせていただきます。
「どの世代にも親しまれるようになって欲しい」というPさんのお考えと、お嬢さんの「無理して理解してもらう必要はない」は、特段矛盾する考えでもありません。
ボカロファンの中には、メディアによる「ブームのお仕着せ」に嫌気が差し、趣味であるがゆえの多様性と物量、クオリティが保たれているボカロ曲の世界に入っていった人が少なからずいます。
ですので、聴いてみたけどこれはちょっと…という人にまで聴いてもらおう、と押し付けるつもりはありません。
ですが、ほぼ全てのジャンルにわたる曲が存在することから、ボカロ曲は全ての音楽好きに訴えかける力がある、と信じています。
そこで、一番受け入れてもらいやすいやり方で紹介し、聴いてもらい、気に入ってもらいたいし、聴いてみて合わない、そもそも聴く気すら持てないのであれば、無理に聴いていただく必要も、好きになっていただく必要もない、と思っています。
Pさんが心配されている「若い子に受けの悪い曲が注目されなくなる」という話ですが、「初音ミク」登場の翌年からすでに、万人受けはしないけれども味のある曲が再生数を稼げずに「埋もれる」問題として言われ続けていたものです。
こうした曲の発掘に供するために、以下のようないろんな取り組みがなされています。
一般の方に至っては、商業レーベルの出したアルバムの曲が流されているのを耳にする程度で、どうしても偏りができてしまいます。
結局のところ、
とはいえ、初期からのDTM好きにとっては、若い子にこれだけ受け入れられ、ネイルサロンのネイリストや美容院の美容師がボーカロイドの話をするようになっている、ということ自体が驚きです。
いつかは誰もがボカロ曲の楽しみを見出してくれるようになる、と信じています。
タイトルの「AKB」ですが、秋元康嫌いの人が結構いることもそうですが、「初音ミク」と「AKB」は構造上の違いがあるため、違和感を覚える人がいます。
「初音ミク」とファンの関係は、同じアイドルでも「松田聖子」とファンの関係に近いです。
外見だけでなく、歌でもクオリティを求めます。「多少歌が下手でもかわいくなくても、頑張ってる姿を応援するのが楽しい」という「AKB」とは、楽しみ方が違います。
なので「AKBファンと同じ?」と言われると、「歌もろくに聴かず、投票券や握手券のために大量にCDを買って転売したり捨てたりするような奴らと一緒にするな!」と思う人が現れる、というわけです。
「初音ミク」の場合は、「おニャン子クラブ」以前の、80年代アイドルを作っている、としたほうが正確だと考えます。
もっとも、松田聖子さんほどのカリスマを「初音ミク」が得られるかと言うと、時代的なこともあり、難しいとは思いますが。
最後に、前編の愛と温かみのあるイラスト、「よく見ていらっしゃるなぁ」と感心しました。
江端様の頭の上の衝撃マークだけでなく、肩周りや頭の後ろの青い線があるところが、「人生最大級の驚愕と恐怖」をよく表していて、記事に説得力を与えているように思います。
長くなってしまいましたが、イラストも含めて、後編も期待しております。