江端さんの忘備録

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2011年 05月 31日
夢を継ぐ者
中学に入学した娘が、演劇部に入ることを決めたそうです。

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私は、中学、高校で演劇部の入部を断念し、大学でも落研(落語研究会)に入ることを思い留まりました。

学業と両立させる自信がなく、また、「演劇」に足を入れたら、果てしない地獄が待っているという確信があったからです。

# 『場末の芝居小屋の売れない役者』行きへの恐怖

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不安がない訳ではありませんが、何も言わなくても、「夢を継ぐ者」がいるんだなぁと、少々嬉しかったりしています。
2011年 05月 30日
全身筋肉痛
何年か前、酷い全身筋肉痛で動けなくなったことがありました。

# あれは、確か、上司が欧州に赴任になる歓送会の当日でした。

布団から起き上がるのに半時間。
階段を下りるのにも数十分。
なにしろ、握った箸を落してしまう。
(スプーンで、飯を食べなければならなかった)

5つ程の病院を回っても原因不明で、最後の病院でウイルス性の疾患であることが解りました。

なんでも、全身の筋肉繊維を破壊しまくる病気だとかで、治療法がないとのこと。

2週間、痛みを抑えながら、様子を見るしかないという、診断でした。

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どうやら、昨日より、この病気が、再発したようです。

2週間の地獄が始まりそうな予感です。
2011年 05月 29日
許されざる者
『江端君は、どうして、毎日、自分の文章を公開しているの?』と、上長に尋ねられました。

その時、私は自分でも沢山の理由をしゃべったのですが、今になって考えると、どれもこれも、しっくりしませんでした。

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確かに、私は一般の社会人としても、また会社の構成員の一員としても、
組織にとって「触れられたくない」とも思える文章や、
自分の保身に反する事項を、
自分の名前を明かにして、開示しています。

実際に、ホームページにアップする瞬間、私も、それなりの「覚悟」をもって、送信のボタンを押しているのです。

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社会人として、百万の「愚かな」という接頭語の付く、低俗な自己満足だ、と自分でも分っています。

なのに、なぜ、私はこんなことをやり続けているのだろうか。

ずっと考え続けて、昨夜、ようやく「あの娘」に、辿りつきました。

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22年前、

まだ、知らないことが沢山あって、
まだ、会ったこともない人が沢山いて、
まだ、やりたいことが沢山あって、
まだ、言いたいことも沢山あって、

それなのに、生き続けることができなかった「あの娘」が、

何も言わずに、今も、じっと私を見ているから。

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だから、私は、

「どのような瞬間も、私自身であるような生き方をしなければならないこと」

を、停止してしまうことが許されない。

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どうも、そういうことの様です。
http://www.kobore.net/tex/alone93/node49.html
2011年 05月 28日
夢のエネルギー(安全な軽水炉)
福島原発は、いわゆる「軽水炉」型です。

世界中の原子力技術者が「軽水炉は安全」と主張し続けていることには理由があります。

私も、「軽水炉」は安全だと思います。「高速増殖炉」と比較すれば、ですが。
# 本日は、この話題には触れません。

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「軽水炉」の水は、2つの機能を持っています。

(1)燃料棒を冷やすという、「冷却材」としての機能

冷さないとどうなるか?

燃料棒が、2700度まで温度が上って、溶け落ちて、最悪の場合、原子炉までも溶かして、地中に至る。

(2)中性子の速度を落すという、「減速材」としての機能

中性子の速度が加速するとどうなるか ?

燃料棒同士が、中性子で叩かれることによって、さらに中性子が発生し、燃料棒の反応がさらに加速し、2700度行きになって、(以下同文)

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もう少し、簡単に記載してみます。

(Step.1)何らかの原因で核分裂反応が増加し出力が増加したとする。

(Step.2)水の温度が上昇して、水の密度が減少する。

(Step.2)水の密度が減少すると、中性子の速度が落ちる。

(Step.3)中性子の速度が落ちると、核分裂反応が抑制する。

つまり、核分裂反応が、核分裂反応自身を抑えてしまう、という「フィードバック」機能に、「軽水炉は安全」の根拠があります。

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しかしですね、このフィードバックの理屈が真に正しければ、地震、津波と2連発の災害が発生して、

○給電塔が倒れようが、
○ディーゼル発電器がぶっ壊れようが、

福島原発の事故は発生しなかったハズではないか?

と思いませんか。

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福島原発は、この軽水炉のメリットを、100%、完全に発揮したのです。
つまり、「核分裂を安全に停止させた」のです。

しかし、「核分裂を止める」と「原発を止める」はイコールではなかったのです。

どういうことか。

乱暴に言うと

『炎の出なくなった直後の真っ赤な炭を、あなた、素手で掴めますか?』

ということです。

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核分裂が止った直後の燃料棒は、まだまだ、それ自体にエネルギーを作り出す力があります。

「崩壊熱」です

「崩壊熱」は、「燃料棒の余熱」とはちょっと違います。

なぜなら、崩壊熱は、自力でエネルギーを作り出しているからで、冷えていく過程で残っている余熱ではないからです。

もちろん「崩壊熱」は「核分裂」のエネルギーと比較すれば、相当に小さいエネルギーなのですが、「火力」などの科学反応のエネルギーとは比較にならない程、巨大なエネルギーなのです。

どのくらい巨大か、というと、原子炉の水を、(密封された超加圧化の環境で)何日かで、軽く蒸発させてしまう程の熱エネルギーなのです。

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原子炉圧力容器の大きさは、110万kW(キロワット)級の沸騰水型(BWR)原子力発電所の場合で、高さおよそ22m、幅およそ6m(いずれも内径)という大きさなので、単純計算で、水量は、最小の量と見積っても約400トン。

小中学校のプールと同じくらいです。

これが、加圧された環境下で(沸点は100度以上(300度以上?))、僅か100時間足らずで、全部蒸発させて、燃料棒の全露出→メルトダウンを引き起こす、というくらいの、熱エネルギーです。

プールの下に、中華料理で使うような強力なガスコンロを全部敷き詰めて加熱したとしても、100時間後程度では、「沸騰」させれれば上出来くらいではないでしょうか。

これを完全に蒸発される熱量が必要を考えると、ちょっと怖いものがあります。

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電力会社は、「軽水炉は安全」という意味の根拠を、単に

『核分裂の停止』

という意味だけで使い続けました。

『崩壊熱』

の説明は、私が調査した範囲で、絶無です。

# 残念ながら、現段階では、電力会社の全てのホームページから、原子力関係の解説ページが根こそぎ削除されている跡が見うけられる。

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もし、『崩壊熱』のことを知らないで、「軽水炉は安全」と良い続けていたのであれば、

『想像を絶する馬鹿』

であり、

もし、『崩壊熱』のことに気がついていながら、意図的に記載していなかったのであれば、

『人倫に反する凶悪犯罪』

であると言えましょう。
2011年 05月 27日
怪しげな荷物
今朝出社の際、二人の駅員さんがエレベータの方に、小走りで向っていくのを見ました。

なんとなく、ただならぬ様子がしたので、ちょっと様子を見ていました。

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エレベータ乗り場の対面側のドアの所に、黒色のソフトバッグ。いかにも『怪しい』感じ。

なるほど、これが「不審物」というやつか。

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駅員さんがどういう対応をするのか、期待を込めながら見つづけていました。

○長い棒で、このバッグを突いたりするのか。
○あるいは、大きなジェラルミンの箱で、バッグを上から覆うのか。
○駅員室から、可搬用のロボットが出てきたらどうしよう。 写真撮ってもいいかな?

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駅員さんは、普通に荷物を手に取って、そのまま持ち去りました。
2011年 05月 26日
夢のエネルギー(インターミッション)
一昨日の日記において、

『この軽水炉の燃料は、ウラン235という物質なのですが、天然ウランの中に0.7%しか含まれておらず、75年程度で枯渇するとの試算結果が出ています』

『文部科学省の計算では、この方式を使えば、向こう数千年、原子炉燃料には困らないそうです』

てなことを書きました。

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でも、「75年」とか「向こう数千年」とか言う試算結果は、あまり信用しない方が良いと思います。

なぜなら、文部科学省は『高速増殖炉』プロジェクトの実施主体ですから、プロジェクトを推進する為なら、試算の操作(×捏造)くらいは、当然にやる筈です。

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先日も、私も、ある発明の効果に対して、『2020年迄に、総計900億円弱の売上に貢献することが見込まれる』てな内容の報告書を提出したところです。

# 「嘘」ではないですよ。
# 「見込まれる」のは本当ですから。

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問い:昭和16年の太平洋戦争の開戦前に、エリート官僚達から構成される「総力戦研究所」が、「日本必敗」のシミュレーション結果を叩き出していたにも関わらず、どうして、我が国は開戦に踏み切ったか。

理由:戦争遂行を追認する為に、石油供給量見込みに関する、姑息な数字操作が行われたから。

(参考文献:昭和16年夏の敗戦 (猪瀬 直樹 著))

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私が小学生の頃、

『21世紀よりずっと前に、石油等の化石エネルギーは完全に枯渇する』

と、色々な本(文部省認定の教科書も含む)に書かれていたんですよ(本当)。

現在、世界中で、ガソリン自動車、思いっきり走りまくっていますよね。

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数字は、基礎データを探して(または推測して)、自分で電卓叩いて作る。

やっぱり、これが基本です。
http://www.amazon.co.jp/昭和16年夏の敗戦(中公文庫)[文庫]/dp/4122053307
2011年 05月 25日
新人紹介の社内報
新人の自己紹介が記載された社内報が配られていました。

さらっと読みながら、文言をちょっと捻って遊んでみました。

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○ 根性は、人一倍ない方だと思います。

○ ジャンルを問わず音楽は嫌いです。

○ 常にアンテナを下して、人の言うことを聞かずに過したいです。

○ 研究がしたくて入社した訳ではありません。

○「つらい時ほど、落ち込む」がモットーです。

○ 小学校から、サッカーだけはやらなかったことが自慢です。

○ 初めて関東に出てきましたが、大したことありませんね。

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凄くインパクトのある自己紹介文になりました。

けど、流石に、新人でこんな風に勝負に出てくる「豪の者」はいないよなー。
2011年 05月 24日
夢のエネルギー(その1)
発明の特許性の審査において、「永久機関」という言葉が、わずかでも登場したら、

即刻、拒絶査定

になると考えて、まず間違いないでしょう。

永久機関とは、外部からエネルギーを受け取ることなく、仕事を行い続ける装置を言います。

なぜ、永久機関が拒絶査定を喰らうかというと、それが自然法則(エネルギー保存法則)に反しており、実現不可能なものであるからです。

さて、永久機関ではありませんが、我が国があと数千年間は、エネルギー問題から開放されるという、夢のようなエネルギー生成方法があります。

これが、『高速増殖炉』です。

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(ここから先の説明は、『天空の蜂』(東野圭吾)からの引用です)

(1)福島原発を含め、殆どの日本の原発で採用されている原子炉のタイプは、「軽水炉」と呼ばれるものです。

(2)この軽水炉の燃料は、ウラン235という物質なのですが、天然ウランの中に0.7%しか含まれておらず、75年程度で枯渇するとの試算結果が出ています。
(ですから、心配しなくても、日本の54基の原子炉は、どっちみち100年以内に全て停止します)

(3)天然ウランの残り99.3%はウラン238という物質で、何の価値もありません。

(4)プルトニウム239(×238)という物質なら、核分裂し、熱と高速中性子を出すことができますが、これは自然界には存在していません。

―― さあ、ここからが凄いぞ。

(5)ゴミ同然の「ウラン238」が中性子を吸収すると、なんと、エネルギーとしての利用価値のある「ウラン239」に変身してしまうのです。

(6)具体的には、プルトニウム239の周りにウラン238を並べた状態で、原子炉の中に入れて核反応を起こさせると、

(Step.1)先ず、役にたつ「プルトニウム239」が核分裂し、熱と高速中性子を出す。

(Step.2)その高速中性子によって、ゴミ同然の「プルトニウム238」が、役にたつ「プルトニウム239」に変身してしまう。

(7)つまり、最初にセットしておくウラン238の量を増やせば、消費した以上のプルトニウム239が生み出される訳です。

役に立つ核物質がどんどん増えていく ――「増殖」していく訳です。

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このイメージを一言で語れば、「ガソリンを使えば使う程、ガソリンがどんどん増えていく」という感じでしょうか。

文部科学賞の計算では、この方式を使えば、向こう数千年、原子炉燃料には困らないそうです。

まさしく「夢のエネルギー」であり、そして、我が国には、この『高速増殖炉』が存在します。

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「もんじゅ」です。


(続く)
2011年 05月 23日
原発推進学者が次々懺悔
数学者のアーベル(1802 - 1829)は、後に「後代の数学者に500年分の仕事を残してくれた」とまで言われた大論文を発表し、26歳で世を去った天才数学者です。

福島の原発事故を受けて、今後、原子力発電の研究者やエンジニアは、膨大な検証作業を行っていかなければならないと思います。

福島原発事故は、後代の原子力(または原子力発電)の研究者に、何年分の仕事を残してくれたのだろうか、と考えることがあります。

あるいは、「残す仕事が何もない」とか。

しかし、「錬金術」や「常温核融合」などとは違って、「原子力」は、パワーが引き出せるという効果は明確なので、これが完全に世の中から無くなることはないだろうなぁ、と思っています。

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原発推進学者が次々懺悔 「国民に深く陳謝する」
(http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/394.html)

は良いとして、

「原子力の平和利用を進めて、まさかこういう事態、これほど国民に迷惑をかけるような事態は予測していなかった。結果的にこういうことになっていることについて、原子力を進めてきた人間として、国民に謝らなくてはならないという気持ちは、みんな持っていると思う」

に、対してだけは言わせて貰おう。

―― 学者にあるまじき、想像力の欠如だ。

―― 百万の罵詈雑言で非難されるべきだ。

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原発の安全パラダイムが、この10年で2段階も上ったと

『検証もすることもなく』

一方的に勝手に信じていた、阿呆な技術者と同様に、です。

# 私のことです。
http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/394.html
2011年 05月 22日
電力会社の反撃
『未成年の少女を買う下衆な大人がいるから、売春する奴が出てくるんだ』

『売春をするティーン(という市場)が存在するから、買うんだろうが』

の、「卵と鶏」の理論があります。

後者の例の場合、100%責められるのは『下衆な大人』になることは論を待ちません。

大人がティーンの少女を買わなければ、市場(マーケット)は存在し得ない訳ですから。

需要なきところに供給なし。マーケットの基本中の基本です。

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さて、この「援助交際」という名前の、売春の話は、

『お前たちが、電気を使わなければ、原発なんか作る必要もなかったんだ』

『お前たちが、過剰に電気を作らなければ、我々は使わなかったのだ』

の話の例に似ていると思います。

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今回の事故が発生する前であっても、「節電」は呼びかけられていました。

また、CO2削減も国家的目標として掲げらていました。

少なくとも、『私』は何もしなかった。

○あいからわず、ガソリンを使いまくり、
○電気もつけっぱなしの日々を過し、
○莫大な数のサーバをデータセンタに集約して、24時間つけっぱなしにし、
○深夜のアニメ放送やバラエティ番組をたれ流し、
○ちょっと暑いといっては、すぐにクーラの電源を入れ、クーラで建物全体を過剰に冷し、
○ちょっと寒いといっては、季節がいつであろうも、暖房のスイッチに手を延ばす

それを享受し続け、そこから一歩も変わろうとはしなかった。

動き続けている電車、煌めくネオンサイン、工場の生産ライン。

そんなものを見続けて、個人の電気の節約が、一体どれほどの物だろうかと、

まあ、結局のところ ―― 何もしなかった。

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だから、私は、この夏、その報いを受けて良いと思っています。

8月猛暑の計画停電。

責められっぱなしの電力会社が、この程度の報復をしかけても、私は許せると思うのです。
2011年 05月 21日
公憤というものは存在しない
昔、私に、「公憤というものは存在しない。全ての公憤は、私憤に因るものである」と教えてくれた女性がいました。

まったくその通りだと思うのです。

私は「法人を告訴」という観念が、今でも良く解りません。
例えば、名誉毀損の記事に掲載に対して、「出版社」を告訴するという考えかたが、やっぱり理解できないのです。

潰すなら、その記事を書いた奴と、その記事にO.K.を出した編集長だと思うのです。

ただ、その編集長を管理している部長と、さらにその部長を管理している取締役と、これが次々と連鎖していくと、最後には「法人」になってしまうのも分かるのですが。

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『原発作り捲っていたのは、昔の政権党(自民党)だぜ』

『とっくの昔に退社して今は鬼籍に入っている当時の社長に文句を行って欲しいな』

って、思わないでしょうか。

土下座させられている人達は。
2011年 05月 20日
加害者がお得
よく、殺人事件の犯人に関する民事訴訟(×刑事訴訟)において、

『被害者遺族に、7000万円を払え』

とか言う判決が出ているじゃないですか。

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多くの人が「犯人」が「7000万円」払っていると思っているかもしれません。

しかし、大抵の場合、殺人事件を起こすような人間が、そんな財産を持っている訳がありません。

ではどうなるか。

民事訴訟で判決が出ても強制力はなく、基本的に被告に支払い能力がなければ、回収はできません。

財産強制執行で差し押さえは可能ですが、被告に財産がなければ回収はできませんし、大抵の場合、被告には財産がありません。

# 「7000万円」どころか、「7000円」だって怪しいものです。

『自分はその内、人を殺すかもしれない』と、自分の凶暴性を認識して、自発的に保険に入っていれば別ですが、そんな保険商品は、存在しないでしょうしね。

国家賠償制度もありますが、はっきりいって、民間事件に対しては、ほとんど「役立たず」な制度です。

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結局、『殺され損』なのです。

殺された被害者は勿論、残された遺族への補償の可能性は、絶無といって良いと思います。
現行の法制度や国家賠償の範囲で、被害や損害が賠償されるなどと期待するのは、無理です。

法治国家を維持する為には、一定範囲で被害者を切り捨てることが、求められるのです。

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♪信じられぬと 嘆くよりも、人を信じて 傷つくほうがいい 〜

と歌う、海援隊の『贈る言葉』は、正しくありません。

残念ですが。

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現状の社会システムにおいては、加害者と被害者を比較すると、もうそれは、圧倒的に

加害者がお得

に出来ています。
2011年 05月 19日
原子炉発明
本日は、ちょっと観点を換えまして。

「原子力エネルギー発生装置事件」という発明に関する事件がありました。
(出願が昭和44年、確定最判 昭和52年10月13日)

「原子炉特許第1号」の名前で著名な発明で、本発明の発明者は、あの「キューリ夫人」の長女他2名です。

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この事件は、

◯原子力を利用したエネルギー発生装置が、
◯日本の特許法(但し旧法)において、
◯工業的発明(現行法での「産業上利用できる発明」)と認められるかどうか、

が、日本の最高裁判所で争われた事件でした。

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さて、ちょっと話は逸れます。

現行の日本国特許法第29条柱書において、特許発明の特許要件として、

「産業上利用できる発明」

であることを課しています。

発明とは、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち、高度なもの(2条1項)」と定義されています。

簡単に言えば、「上司に怒られない方法」とか「UFOの呼び方」とか「マジックのネタ」は、法上の発明に該当しません。
自然法則なので、原則として、重力とか電気とか、そういうものを使わないものは発明になりにくいです。

さて、法上の発明の中でも、特に、産業上利用できる発明とは、広義の意味において「儲けることのできる発明」のことを言います。

良い例が思い浮ばないのですが、「我が子をニートにしない方法」という発明において、子供に目的意識を持たせる、というような手段を用いているなら、多分産業上の利用性はないと思います。

しかし、「未成年をニートにしない方法」という発明であり、未成年者に、毎日干物の魚を食べさせることで、労働意欲が生まれる、てなことが経験的かつ客観的に明確にすれば、産業上の利用性はあり、となるでしょう。

なにしろ、特許法の目的(1条)の一つが、「産業の発達に寄与すること」なので、それに資することのない発明まで、保護する必要がないからです。

しかし、「産業上利用できる発明」には、実はもう一つの意味もあるのです。

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本論に戻ります。

最高裁判所は、この「原子炉」発明を、「産業上利用できる発明」と認定したでしょうか。

しなかったんです。

つまり、日本国では特許権にはなりませんでした。

<判旨要約> (スキップして構いません)

そのような装置の発明であるとすれば、それは単なる学術的実験の用具とは異なり、少なくとも定常的かつ安全にそのエネルギーを取り出せるよう作動するまでに技術的に完成したものでなければならないのは当然であつて、そのためには、中性子の衝撃による原子核の分裂現象を連鎖的に生起させ、かつ、これを適当に制御された状態において持統させる具体的な手段とともに、右連鎖的に生起する原子核分裂に不可避的に伴う多大の危険を抑止するに足りる具体的な方法の構想は、その技術内容として欠くことのできないものといわなければならない。

“ 論旨は、その装置が定常的かつ安全に作動することは発明の技術的完成の要件に属しないものと主張し、また、それが旧特許法一条にいう工業的発明とするのには、発明の技術的効果が産業的なものであれば足りると論ずるが、本願発明が連鎖的に生起する原子核分裂現象を安全に統制することを目的としたものであることに目を蔽うものであり、また、それが定常的かつ安全に実施しがたく、技術的に未完成と認められる以上、エネルギー発生装置として産業的な技術的効果を生ずる程度にも至つていないものといわざるをえない。

“ 発明は自然法則の利用に基礎づけられた一定の技術に関する創作的な思想であるが、特許制度の趣旨にかんがみれば、その創作された技術内容は、その技術分野における通常の知識・経験をもつ者であれば何人でもこれを反覆実施してその目的とする技術効果をあげることができる程度にまで具体化され、客観化されたものでなければならない。従つて、その技術内容がこの程度に構成されていないものは、発明としては未完成であり、もとより旧特許法一条にいう工業的発明に該当しないものというべきである。

</判旨要約>

<江端要約>

◯本発明の装置は、エネルギーを取り出せるけど、安全に停止させることができないじゃないか。

◯こんな、不完全で、危ない発明を、特許できるか。

◯我が国は安全に止めることのできない発明は「産業上利用できない発明」としているんだよーん。

</江端要約>

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「原子炉発明」は、我が国特許法に基づき、司法当局が「特許発明」とすることを拒んだ、

―― 未完成発明

だった訳です。

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今になって、この司法の判断の正しさを、思い知らされています。
2011年 05月 18日
2000ミリシーベルト/時の放射能汚染水溶液のプール(続き)
NHKのニュースサイトでは

『燃料が溶けて落ちる「メルトダウン」が起きて原子炉に穴が開き、さらに格納容器も損傷して漏れ出した高濃度の汚染水が流れ込んだとみています』

血の気の引くような恐しい話が、普通に記載されていましたが。

『原子炉に穴』

大切なことなので、もう一度書いてみます。

『原子炉に穴』

# 誤植じゃないですよね。

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→と言うことは、冷却水が流れ出ている訳だよね。

→と言うことは、いずれは、冷却水がなくなる訳だよね。

→と言うことは、再臨界はないとしても、燃料棒の崩壊熱は再開するよね。

→と言うことは、ほっとけば、原子炉を溶かして、地中に至るよね。

→と言うことは、それを防止する為には、注水を続けなければならないよね。

→結果:高濃度放射能汚染水溶液プールの増産。

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こんなもの、どこに、どうやって捨てる ?

私は、自動操縦のタンカーに高濃度汚染水を搭載して、日本海溝深くに沈没させるくらいしか思いつきません。

海からゴジラ(*1)が誕生するまで、100年くらいは稼げるかもしれない。

# 後は「子孫に押しつけて逃げる」ですね。

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それにしても、いつまで続くのかな、これ。



(*1)「海棲爬虫類から陸上獣類に進化しようとする中間型の生物の末裔が、度重なる水爆実験により安住の地を追い出され姿を現したもの」
http://ja.wikipedia.org/wiki/ゴジラ%20(架空の怪獣)
2011年 05月 17日
2000ミリシーベルト/時の放射能汚染水溶液のプール
メルトダウンを起こした福島原発1号機の地下には2000トンオーダの水が流出していたそうです。

「2000トン」ってどれくらいかな、と思い、電卓叩いたところ、大体、学校のプールの容量の3.5倍程度でした。

2000ミリシーベルト/時の放射能汚染水溶液のプール。
そこで、泳いだら、一体どうなるか?

―― 2〜3時間後には、クラス全員の死体がプカプカと浮かんでいる

# (自分で勝手な想像していて何だが)背筋がゾっとした。

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青酸カリの経口致死量が、150〜300mg/人は必要ですから、プールで500ml程度の水を飲み込んでしまうと仮定して、簡単に計算してみたら、

『1グラム』で3〜5人殺せる青酸カリが、『1トン』程度、溶解しているプールになりました。

あまり科学的な比較とは言えないと思うのですが、なんだかんだいって、放射能の毒性は、やはり凄いんだなあ、と実感しました。
2011年 05月 16日
黒部ダムが「4つ」分の被害
後僚に下記の本を勧められて、読んでおります。

「発電・送電・配電が一番わかる(しくみ図解シリーズ)」

これは、本当に分かりやすい。
電力の技術入門書のパラダイムシフトと言っても良いかと。

執筆者、編集者に敬意を表したいです。

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この本の中で出てきたコラムに、あの「黒部の太陽」で有名な、黒部ダムの話が出てきています。

○期間 7年
○労働者 のべ1千万人日
○殉職者 171名
○最大出力 33万キロワット
○工費 513億円 (現在の1兆円相当)

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これを読んで、思いついたことは、

一箇所の原発が壊れるだけで、あの黒部ダムが「4つ」も作れる程の被害が発生するという、スケール感です。
http://www.amazon.co.jp/発電・送電・配電が一番わかる(しくみ図解シリーズ)[単行本(ソフトカバー)]/dp/4774142069
2011年 05月 15日
原発ビジネスが活況
一昨日、「ショックを受けたことが、いくつかある」と記載したことの続きです。

『福島原発の事故によって、原発ビジネスが活況となっている』

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今回の原発事故を含めて、ここでは、スリーマイル、チェルノブイリ、フクシマを、三大原発事故と称呼することにします。
(実際には、致命的な事故で、隠蔽されているものも数多くあるようですが、ここでは言及しません)

これらの、三大原発事故を擁護または軽視する声は、大体こんなものです。

(1)スリーマイル:間抜けなオペレータの操作ミス

(2)チェルノブイリ:同上

(3)フクシマ:想定外の津波

帰着する結論:原発の「システム」としての安全性には問題がなかった。

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原発の安全性は、原発事故後に劇的に改善される傾向があります。

しかし、その方向は、安全防護の多重化です。
つまり2、3、4、5、・・・∞ に向けての、その「数」を増やすものに過ぎません。

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1974年に、ノーマン・ラスムッセン教授の、確率論を基礎にした原子力発電の安全性に関する理論によれば、大規模規模事故の確率は、原子炉1基あたり

◯10億年に1回

だそうです。

この教授、2003年に死去しているのですが、

◯ここ30年の間にレベル4以上の大事故が3つ発生する確率

◯4つの原子炉が同じ日に大事故を発生する確率

を、再計算して貰いたいものです。

# 教授の墓場を掘りおこしてでも。

閑話休題

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安全防護の多重化は、事故を「起こさない為」の多重化であり、一度、事故が「起きてしまった後」の安全性については、現在のところ、全く打つ手がありません。

例えば、

◯臨界の燃料棒の「火」を一瞬で消火する特殊な液体
◯崩壊熱を発生しないように、別の物質を変換してしまう特殊な光線

のようなものは、全くない。

ゼロ、皆無、絶無。

事故が起きたら「指をくわえて見守る」か、今、毎日テレビで放映されているようなことを、「後始末」として行っていくしかないのが、現状です。

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本論に戻ります。

『福島原発の事故によって、原発ビジネスが活況となっている』

の根拠は、

『我が社の原発システムは、フクシマのような状況でも事故は起こらないだけの仕組みを持っている』なのだそうです。

この「システムの考え方」は、正しい。

システムとは、何度でも失敗を繰り返しながら、より完璧なものに近付けていくものです。システムの完全性は、その失敗の数に依存するものなのです。

原発システムは、事故を起こす度に、今後も、より安全に、より完璧になっていくことでしょう。

自動車というシステムが、毎年、世界中で、数万人の人を交通事故で殺しながら、どんどん進歩し続けているように。

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自動車システムに比べて、原発システムの与える被害は、直接的には極めて小さい様に見える(今のところ)。

現に、今回の福島原発事故では、『現段階では』『 直接的に』『公式に』 一人の死亡者も出ておりません。

今後、原発システムは、何度も、何度も、何度も、何度も、事故を繰り返しながら、進化を続けていくことでしょう。

なにしろ、原発システムの「人柱」となる確率は、他のシステムと比べて、びっくりする程に十分小さく、その恩恵は図り知れないほど大きなものなのですから。

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「原発システムもシステムの一つだ」という私の理論に因れば、私自身が、上記の論理付けに、反論できない。

『それでも原発は間違っているのだ』と言いきれるだろうか。
言い切る為には、何が不足しているのだろうか。
それとも、このテーゼ自体が間違っているのだろうか。

今も、ずっと考え続けています。
2011年 05月 14日
家庭用原子炉
ここ2月の間、私は原発事故をボロクソに書いてきたので、反原発運動のリーダでもやってきたのではないかと思わている人も多いかと思いますが、残念ながら「外れ」です。

私は高校生の頃に、「家庭用原子炉」というコンセプトで、「一家に一台、100年連続稼働」を、人に語っていたという、恐しい程の頭の悪いティーンエイジャでした。

# 大体、「被曝」という言葉を知らんかったくらいで。

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大学の学寮に入っていたころも、一人で「原子力は安全なクリーンエネルギーだ!」と一人主張していたものです。

# 今になって、『あの時、あの場所、あのメンツで「粛清」されていなかったのは、運が良かったんだな』と思います。

## というより『頭の悪いコイツに何をいっても無駄だ』と思われていたのかもしれませんが、

当時の私は、「無知は力なり」を全力疾走していたのです。

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大学のころ、チェルノブイリ原発事故のニュースの新聞を掴んで、『大変なことが起ってしまった』と青ざめていたのは、私の親友(と今でも一方的に私が思っている)のK氏。

「偵察衛星から原子炉の炉心が燃えているのが見えているんだ!!」と言う彼の言葉の中に何度も出てきたのが、『メルトダウン』という言葉でした。

当時の私は「そんなに怖いことなの?」と、私は遠くロシア(当時はソ連)のことをぼんやりと考えているにすぎない、成績の悪い大学生でした。

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だから、今回の事故を含めて、「あまり偉そうなことは言えないかもしれん」という気持は、常にあります。
2011年 05月 13日
アルゼンチンシンドローム
昨夜から、色々とショックを受けています。
全部書き切れないので、本日は一つだけ。

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私は、「燃料棒の溶融 = メルトダウン」と定義してきました。

ですから、あいかわらず「炉心溶融」という言葉を使い続けている、電力会社や保安院や、加えてマスコミも、ずーっと『下品』だ、と思ってました。

一例を挙げれば、

「買春」「淫売」を、「援助交際」と称呼するような『下品』さ

と言ったら良いでしょうか。

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昨日、福島原発1号機の原子炉圧力容器内にある燃料棒が全て溶け、容器の底に落ちていることが、『ほぼ確実』になったとのことです。

『ほぼ確実』というのは、視認できないからでしょう。
構造上、原子炉の中は直接見れないだろうし、仮に見たら即死レベルの被曝になると思います。

これはもう、上下左右どこから見ても、非の打ちどころのない、完璧な「メルトダウン」。
なにしろ、「溶けて(メルト)」「落ちて(ダウン)」しているんですから。

真っ暗な絶望的な気持ちの中で、『これからは下品な言葉を聞かなくてすむか』という、ほんの少しの安堵の気持ちがありました。

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昨日の保安院の会見の内容が、また、なんというか、「ナイス」なものでした。

『原子炉を破って、いわゆる「チャイナシンドローム」という状態ではないが、「メルトダウン」と言えるものだと思う』

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チャイナシンドローム ――

それは、2700度以上に加熱した燃料棒が、地球の真ん中に向けての驀進すること。

2700度もの熱量を有する燃料棒は、原子炉なんぞ軽く突き破ります。

土壌は勿論、コンクリート、鉄なんぞドロドロに溶かしながら、地下に向って、地球の裏側「中国」に到着するという、原発事故のサスペンス映画のタイトルのことです。

映画の中で話されるジョークから採られたタイトルなのですが、流石に保安院は知っていたようです。

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「もう、何があっても驚かない」と思っていたんですけどね。

まさか、燃料棒が原子炉の中に「全部」溶け落ちている、という事態までも想像できなかったあたりに、技術者としての私の資質の限界を感じました。

ここまで来たなら、今の内に胸に焼き付けておこう。
もう、これ以上驚かないように。

○現在、原子炉の下の水溜りにに落ちて、低温停止状態にあるという燃料棒の

○その水溜りの水が、何かの原因で漏れ出て、

○燃料棒が崩壊熱を再開、最悪の場合は再臨界の状態となり、

○2700度の熱源を有しながら、

○原子炉を、軽く突き破り、

○福島の地表から、地中に驀進を開始して、地球の裏に到達する、

「アルゼンチンシンドローム」が、あるかもしれないと言うことを。
http://ja.wikipedia.org/wiki/チャイナ・シンドローム%20(映画)
2011年 05月 12日
延命へのニーズ (その2)
昨日の続きです。

パソコンがさらに高スペックになり、
人間の細胞レベルのメカニズムが、もっと明らかになり、
DNAのメカニズムから、タンパク質レベルのエミュレーションが可能になれば、

『人間は、パソコンの中で、永遠に生き続けることができるようになる』

# そんなストーリのSFは、そりゃもう昔から腐る程あるのですが。

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ところがですね、今のコンピュータの能力からすると、それほど荒唐無稽な話でもないようなのです。

人間のDNAの情報というのは、高々750メガバイトとのことですので、DVD-Rの一枚に、私のDNA情報が全部入る。

パソコンの中で生きていれば良いので、ボディの情報は不要。もっぱら、脳細胞のネットワーク(ニューラルネットワーク)だけ構築すれば良いでしょう。

もちろん、ニューラルネットワークは超並列コンピュータですが、現在のCPUのクロック周波数をさらに高速化するか、コア集積度を上げていけば、いずれは脳の超並列の処理に追いつけるはずです。

ま、それ以外にも、生存中の記憶の移行方法やら、人格の形成プロセスやら、色々難しいことはあると思うのですが、決定的に「こりゃダメだ」と言うものが、見つかっていません。

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では、

有機物の有体物として存在している私と、
コンピュータの中でプログラムとして仮想的に存在している私に、

その違いはあるか。

# なんか「ない」ような気がする。

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応用例:

○子供を作る前に、子供をエミュレートする。
○自分が合格可能な学校を、事前にエミュレートする。
○自分が死ぬ前に、死に至らしめるであろう病気をシミュレートする。

・・・。

今の人類のパラダイムでは、受けいれ難い未来になるような気がします。
2011年 05月 11日
延命へのニーズ
末期治療ではなく、システムの話です。

日々、新しい機器やOSが提供され、あるいはシステム構築や管理の手法が提案されていますが、現状のシステムで十分な人には、はっきり言って迷惑だったりします。

正直、私はMS-DOSやWindows3.1で、アプリケーションが動いて、シミュレーションができれば、十分です。

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誰も頼んでもいないのに、

○メモリを喰いまくるアプリにバージョンアップを強要され、
○必要もない機能を有するOSに移行させられ、
○旧バージョンと互換性のないファイルシステムに勝手に変更されて、

はっきりいって、腹が立つ。

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古いシステム(例えばパソコン)を使い続ければ良いのですが、それが難しい理由の一つに、「部品のストック切れ」があります。

ハードウェアが故障した場合、部品を取り換えなければならないのですが、その部品の保守期間を経過すると、部品自体が無くなるのです。

家庭用電化機器でも最大7年、パソコンなんぞ部品をストックする考え方自体がないような気すらします。

パソコンは「直す」ものではなく、常に「取り換え続ける」ものだからでしょう。

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最近の調査結果で、産業システム(例えば、製造ライン)に対するニーズで最も高かったのが、「延命」だったことが分ってきました。

10年かけて構築し、チューニングし、やっと稼動を開始した製造ラインが――

○100%の能力を発揮し始める時には、もう「部品がない」
○故障したら、別のシステムを作らなければならない

これでは、泣くに泣けません。

作るのに10年かけたのなら、あと50年間は動かし続けたいと思うのが、人情というものでしょう。

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「部品がなくなっても、それをソフトウェアで実現すればいいじゃん」という考え方に「エミュレータ」があります。

つまり、新しいコンピュータの中に、古いコンピュータの部品の全部をソフトウェアで作って、古いコンピュータを組み立てて、古いコンピュータを再生するというものです。

「エミュレータ」と言えば、やはり、膨大な資産「アダルトゲーム群」の復活をかけた、あのNEC PC-9801のエミュレータが挙げられるでしょう。
http://www.kobore.net/cgi-bin/diary/read.cgi?date=20100831

今後、製造ラインの制御コンピュータのパラダイムが、「エミュレータ」に傾いていくことは、私の中では、絶対に近い確信があります。

「エミュレータ」の技術は、必ずや日本の製造業に「延命システム」の革命を起す起爆剤となると思います。

このような、「スケベ心」に起因するモチベーションが、今、日本の製造業の根幹のパラダイムシフトを起こそうとしている、という事実に、

・・・・

# 別に感動するほどのことはないな。


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世界最初の印刷機で印刷された文章は、ポルノ小説だった。

インターネットを爆発的に普及された要因は、アダルト画像だった。

制御系のコンピュータシステムの新しいパラダイムが、古いパソコンの「エロゲー」から派生したとしても、それは、

『健全なコンピュータのパラダイムシフトである』

と言えましょう。
http://www.kobore.net/cgi-bin/diary/read.cgi?date=20100831
2011年 05月 10日
終戦の詔勅
昨日の日記で気がついたのですが、リンク先に「終戦の詔勅」の現代訳が記載されていました。

8月15日近くになると、必ずドキュメンタリーやドラマです登場する、あの「玉音放送」の内容です。

一読の価値があると思います。
http://www.tante2.com/tokyosaiban-tenno-d.htm#yaku
2011年 05月 09日
あの「戦争」とは一体何だったのか
今回の震災で、2万人以上の人が亡くなり、または行方不明です。
この未曾有の大災害は、実質1時間も満たない僅かな時間で、これだけの人の命を奪いました。

正に、「言葉もない」とはこのことだと思います。

自然の脅威に、なすすべもないという無力感にうちひしがれる思いですが、私は「天を恨まず」などと、悟ったような事は言いません。

私は、『必ずや、お前(自然の脅威)を、人知によって捻じ伏せてくれる』と、天に唾吐く者の一人でありたい、と思っています。

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しかし、この機を逃してはならないと思うのです。

数値のデータではない、ほんの少しまで身近に確かに生きていた人達に想いを馳せて、今こそ考える時です。

東京大空襲 10万人が死亡
広島原爆 20万人が死亡
長崎原爆 14万人が死亡

これだけの人間を一瞬で殺害した「戦争」とは、一体何だったのか。

太平洋戦争で、非戦闘員である民間人が総計80万人死亡しました。

それは、あの「地震と津波」を、40回も発生させるような地獄であったはずです。

(230万人の軍人の死亡者も含めれば、150回以上)。

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戦後、

『私たちのもっとも愛する肉親の生命を一片の砲弾、一セキの銃弾にやすやすと交換した』

と演説した(記録映画「東京裁判」)岩本アキ子さんの言葉を魂で理解し、

人間のなせる業に心底から恐怖する時です。
http://www.tante2.com/tokyosaiban-tenno-d.htm
2011年 05月 08日
原子力発電所はテロが起きても大丈夫ですか?
日本の原発テロ対策に米が憂慮 「台本通り訓練」批判も

 【ニューヨーク共同】日本各地の原子力発電所のテロ対策に、米側が憂慮を示していたことが内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」が7日公開した米外交公電で明らかになった。原発の警備体制をワシントンに報告する一方、原発テロを想定した訓練が台本通りの進行に終始していることを批判している。

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Q:原子力発電所はテロが起きても大丈夫ですか?
(http://www.tepco.co.jp/nu/qa/qa12-j.html)

に対する回答を読んでいました。

◯「原子炉建屋は非常に堅牢な構造になっています」

→水素の科学反応程度で、高々と吹き飛んでいましたよね、原子炉建屋。

◯「仮に航空機が原子炉建屋に衝突しても、原子炉の心臓部である炉心にまで影響が及ぶことはない」

→あの爆発を見ていた一人としては、にわかに信じられませんが、仮に信じるとしても、「炉心」なんぞ、破壊する必要はありません。衝突した飛行機が、配管と送電線を壊すだけで、軽く「レベル7」です。

◯「しかしながら、何よりもまず、そのような事態に至らないよう、警備体制の強化はもちろん、あらゆる外交的努力、政治的努力が傾注されることが重要です」

→これは、『テロが起きたら大丈夫ではありません』と回答しているんですよね。

うん。「正直」だと思う。

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これまで色々、原発テロの本は読んできたのですが、

(Step.1) 一個分隊程度の人数と軽火器で、原発を襲撃する。
(Step.2) 自家発電装置と、送電塔を破壊する。
(Step.3) 1〜2週間程度、給電の復旧を阻止する。

あとは、ほっておくだけで、原子炉や使用済み燃料が、勝手に温度上昇を開始して、危機的状態に陥いる、と。

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# このような、簡単な内容の本はなかったなぁ。

原発クライシス小説の著者が「がっかり」するくらい、原発テロを起こすのは「簡単」ということが分ってきました。

今回の事故で、このことに気がついたテロリストは、相当数いると思います。
http://www.tepco.co.jp/nu/qa/qa12-j.html
2011年 05月 07日
76年分の損失
疑問:原発で得た利益に対して、今回の原発事故で吹きとんだ利益は、大体どれくらいだろうか?

結論:約76年分の利益が吹っ飛んだ

理由:

投資比率の変動、原発数の増加等の要因を全て無視して、相当適当なデータで、適当な算数をした試算結果は以下の通り。

◯東京電力の年間売上が5兆円
◯原子力発電比率が3割
◯電力会社の利益率が3.5%

→ 原発による利益が、5兆円 x 3割 x 3.5% = 525億円 / 年

◯政府発表の今回の事故の被害賠償見積額が4兆円

→ 4兆円 / 525億円 = 76.2 年分

以上
2011年 05月 06日
SPEEDIのシミュレーション結果、非公開
今朝、朝食を取りながら、出社前にニュース番組を見ていました

緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)のシミュレーション結果を公開しなかったことに対して、コメンテータのタレント達が、

「公開しないシステムなら、そもそも不要ではないか」
「『最悪値』であるという説明を尽くせば、パニックなどは起きないはずだ」

と、文部科学省の対応を批判していました。

# ま、これはもっともな意見なのですが。

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仮に、SPEEDIのシミュレーション結果を開示して、パニックによって死傷者が出た場合、この人達は、多分、平気でこんなこと言うだろうなー、と思いながら、パンを齧っていました。

「我々にとって理解できない数値やシミュレーション結果を、むやみに開示して何の意味があったのだろうか」

「文部科学省は、(今回のような)パニックなどの発生も予想して、敢えて開示しないという選択も取り得た筈である」

「被災も被爆もしていない人達が、無意味に死傷したことに対して、政府は情報をコントロールしなかった責任がある」

とかね。

彼らは、『例え、暴動が発生したとしても、それは我々が選んだ道だ』とは、決して言わない。

コメンテータとは、後ろから事件を見て適当なことを喋れって、お金を貰える商売のようです。ちょっと羨しい。

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私個人の所感ですが、残念ながら、今、この段階においてさえも、

○ミリとマイクロの単位の違いを理解をしようともせず、

○シーベルトとベクレムの単位の意味も理解しようともせず、

○危険と安全の判断を、あいかわらず「お上」に任せっきりにしている、

(ついでに言わせて貰えば、○避難してきた子供に『放射能が伝染る』とかほざく、アホガキに、科学的にきちんとした被曝の知識を教えるこものできん、低能な保護者や教師が存在する)

そんな国の国民に、

文部科学省も、SPEEDIのシミュレーション結果を開示するという勇気はなかったんだろうなーーと思っています。

でも、これも元をただせば、文部科学省が義務教育過程で、「『安全神話信仰』の国家基本方針」に基づき、原子力に関する教育を完全に放り投げてきた結果です。

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はっきりいって、リトマス試験紙が赤になろうが青になろうが(嫁さん語録)、どーでもよいです。

○致死に至る被曝量や、半減期の意味、体内被曝と体内被曝の違いを、小学校で教え、

○加圧水型軽水炉(PWR)と沸騰水型軽水炉(BWR)の違いと、さらには高速増殖炉(FBR)の構造や、その長所と短所(どこをやられるとヤバいか、等)を、中学校で教え、

○中学入試や高校入試では、「あー、まさか、『高速増殖炉』が出てくるとは思わなかったー!」という受験生の声が聞こてくる、

というくらいにして貰いたいものです。
2011年 05月 05日
権力の掌の上よりも、無知蒙昧な民衆の暴力で
20代の頃、あまり安全と言えない国を放浪してきました。
そのお陰で、リスク回避の本質みたいなものを体得したような気がしています。

基本的には、

◯危い気がしたら、誰になんと思われようとも、すぐ逃げる。
→ 例:変な言動をしている奴が接近してきたら、即座にその場所から去る

◯妙な正義感やプライドは持たない。
→ 例:被害者を捨てて、自分一人で逃げる

◯妙な音(爆発音)、変な臭い(異臭)を感じたら、後ろを見ないで、全力疾走でその場から離れる。
→ 例:『何が起こったか』などという確認は絶対にしない

◯現段階で見えているリスクで、自分で潰せる範囲のものであれば、完全に潰しておく。
→ 例:相手が自分より弱いと認めたら、強くなる前に潰しておく

などがあります。

基本的には、「誰も信用せず、自分の判断のみに従って行動し、その結果が的外れであったとしても、また、他人に非難されるようなものであったとしても、自分を恥じない」ということです。

すぐに逃げ出す私を嘲笑する人もいるでしょうが、逃げ出すタイミングを逸して死ぬよりはマシと思っています。

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◯コンピュータ2000年問題で、食料を貯め込んで田舎に疎開したという人。
◯今回の福島原発の放射能汚染を心配して、塩を大量に購入してしまったという中国の人

この人達の行動は正しいと思います。
少くとも、その時点において、リスクがなかったと判断できる人は、誰もいなかったのですから。

◯震災直後に食料や水の買占めをした多くの日本人
◯移動する手段として、ガソリンスタンドに長時間並んだ日本人

あの時点で、余震で更なる被害の拡大がなかったと断言できる人がいるでしょうか。
また、原発の放射能汚染が100kmオーダに及び、ガソリンがなくて逃げ出せずに被曝する可能性を否定できる人がいたでしょうか。

生き残る為、逃げ出す為の準備をしていた全ての人を、私は絶対的な意味で「肯定」します。

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事故の翌日にすでに判明していた「レベル7」を隠蔽した政府の対応は、国民にパニックを与えなかったとして高く評価されるのかもしれません。

あの時点で「レベル7」を公表していれば、恐らく日本中は大パニックに落ち入り、商店、店舗の強奪、またガソリンスタンドの襲撃など、高速道路事故の発生等、果ては、放火・暴動・騒乱で、多くの人が、全く意味のない死傷していたかもしれません。

または、戒厳令宣言や自衛隊の治安出動などもありえたかもしれません。

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それでもなお、「レベル7」を隠蔽し続けた政府に対して、私は、

―― また、騙しやがったな

と思ってしまうのです。

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同じ死ぬなら、計算された権力の掌の上で選別して殺されるくらいなら、(私も含めて)無知蒙昧な民衆の暴力で死んだ方がマシ、と思えるのです。
2011年 05月 04日
学校の運動場からの被曝量、20ミリシーベルト/年が危険か否か。

20ミリシーベルト/時と言われたら、「子供を殺す気か!」と私でも怒鳴り込む。

しかし、20ミリシーベルト/年は、大体2マイクロシーベルト/時になります(20を24x365で割っただけ)。

で、現在の東京の放射能が0.067マイクロシーベルトで、世界平均が0.27マイクロシーベルトですので、東京より30倍、世界平均より約10倍程度は高い。

一方、子供が校庭で遊んでいる時間を一日2時間、300日と換算して、年間、1.36ミリシーベルト。これは一回の人間ドッグの胃の検査よりは、十分小さい値でしょう。

しかし、レントゲン被曝と、日常の低レベル被曝が、全く同じレベルで論じられるのか、全く分からんのは事実です。

これは、被曝量が「ビックリするほど高い」とも「全く大したことがない」とも言える量です。

現時点では、健康に関するデータがないし、これかもデータは出てこないでしょう。
現段階では、これが危険か否か判断できる人はいないでしょう。

あるいは、今回の結果(子供達の健康状態等)が、初めての例証となるのかもしれない。

しかし、他のことならともかく、自分の子供のことです。

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私なら ――
いつまでも『これが安全なのか危険なのか、政府や行政は応えてくれない』などと、甘えたことはもう言わない。
政府は「安全」と言い切った(これまでの原発行政と同様に)。
とりあえず、政府側は、ボールをこっちに投げたのです。

私なら ――
「安全」が疑わしいと思うなら、
そして、自分の子供達の病気の発生率や生死が、後世のデータとして使われるかもしれないと思うのであれば、

死にもの狂いで原子力や放射能の勉強して、
専門家にレクチャーを受け、
仲間を募り、論陣を張り、
子供を守る為に闘う。

私なら ――
自分達の故郷を滅茶苦茶にされた上で、これ以上「お上」に何も期待したりはしない。
2011年 05月 03日
福島原発に国産ロボットを投入
意外に知られていませんが、「ロボット大国日本」というのは、かなり誤解して理解されています。

確かに、製造ラインなどに投入される産業用ロボット(アームが材料を溶接したり、切断したりするロボット)などでは、間違いなく世界一だと思います。

しかし、ASIMO等の歩行ロボットや、災害地などの極限作業用ロボット研究に対する「冷や飯」の度合いは、もう、それは研究者の間では有名な話です。

なにしろ、この私も、その過酷な冷遇さで、ロボット研究から逃亡した一人です。

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「予算がつかない」 この一言に尽きましょう。

(1)ロボットは作れば終りというものではなく、そのオペレータの育成や保守費用も発生しますが、これを維持する予算が請求しにくい。

制御システムというものにおいて、大体、初期投資コストに比べて、運用保守コストの方がはるかに大きいことは、意外に理解されていない。
「子供を生むコスト」と、「子供を育てるコスト」の違いなら理解して貰えそうなのですが。

(2)そもそも、災害は発生の規模、頻度、確率の計算が困難(というか無理)で、その費用対効果が算出できない。加えて、「被曝の問題」さえなければ、ロボットより人間の方が、圧倒的に役に立つ。

ロボットは、一番大きな問題の一つとして「電源」の問題があります。被災地では電源の確保が難しい上に、あのクソ重い自動車のバッテリーでも30分も動いてくれたら御の字です。

また、ロボットは、センサの種類も限定的で、極限作業で壊れやすい。現場での部品の調達、保守もしにくい。チューニング作業が大変。オペレータの数が少ない。一度壊したらもう後がない。
物を運搬したり、巨大な障害物を除去するだけのパワーがない。
なにより、現場を判断する知能機能が、人間と比較して圧倒的に低い。

ロボット開発する費用で、現場に100人の救援隊を投入できる、とすれば、当然、ロボットなんぞに予算がつく訳がない。

(3)震災はともかく、安全神話に基づく「原発事故は起きないのに、なぜ原発事故発生後のロボットが必要なのか」の論理付けができない。

『アホ言え! 福島原発は、分っているだけで過去5回の事故を発生させているじゃないか』と叫べば、予算だけでなく、職も失いかねないことは、私にも良く分かる。

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つまり、今回の「福島原発に国産ロボットを投入」のケースは、多分我が国史上、初めて「極限作業ロボットが必要不可欠であり、それ以外の代替手段が全くない」という、完全無欠の論理付けを与えた、レア中のレアケースなのです。

今後は、原発安全神話の崩壊によって、今後、極限作業ロボットの研究には当然予算が付き、海外のロボット研究を軽く追い抜くレベルに達すると思います。

もしかしたら、極限作業用の人型ロボットの初号機は、日本から生まれるかもしれません。

# レベル7の原発事故という、取り返しのつかない大惨事と引き換えに。

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ちなみに、仏国や米国は、『原発が存在する以上、原発事故は発生する』という当たり前の理論の元、原発事故用ロボットの開発をしてきたとのことです。

『日本人って、一体何考えているんだろうね』と言われているかと思うと、正直恥かしい気持です。
2011年 05月 02日
確率的に必然
本日の日記、実は『原発事故の発生確率は極めて低いので、現状維持という選択もある』という論旨で書こうと思っていたんです。

というのも、

▲スリーマイル島原発(米)(79/10)

↓ 7年間

▲チェルノブイリ原発(露)(86/10)

↓ 25年間

▲福島原発(日)(11/3)


だから、『多分次の原発事故も、そのオーダを10年単位で見ておけば良く、しかも発生するのは、多分日本ではなく他の国の筈だ』と。

で、その裏付けとなるデータを探していたんです。
(http://ja.wikipedia.org/wiki/原子力事故)

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で、簡単に年表にしてみて・・・、心底青ざめました。
昨日の日記も含めて、「10年単位」は取り下げます。

(リンクファイル参照)

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津波はただの「きっかけ」にすぎず、『確率論的に必然であった』という気すらしてきます。

この年表に因れば、次に危険なのは、「美浜原発(福井県)」。

原発存否の議論は必要ですが、先ずはその前に、取り急ぎ、「想定上限の一時的撤廃」と、それに基づく「さらなる多重防御策」をお願い致します。
http://www.kobore.net/boubi/20110502.pdf
2011年 05月 01日
安全神話はどうやって生まれるのか
予約していた本が、図書館から届いたので、本日取りに行ってきました。

「新幹線安全神話はこうしてつくられた (B&Tブックス)」
「多発する事故から何を学ぶか-安全神話からリスク思想へ- 」

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最近、非常に気になっていることに、「安全神話」はどういう経緯を経て生まれてくるか、ということです。

基本的に、安全が神話にまで昇華する為には、恐しい数の失敗をしなければならないと思っています。

上記著書には、数多くの「失敗」が記載されており、その失敗の積み重ねから、「安全神話」に至るという経緯が記載されております。

これは、分かりやすい。

「神話」になるには、それなりの失敗回数とプロセスと根拠が必要だったはずだからです。

しかし、「失敗」が、そのまま「地域のみならず国家や世界的にも壊滅的な被害」に直結する「原発」から、どうやったら「安全神話」が生まれ得たのか、どーしても分からん。

高々3回程度の大事故(スリーマイル、チェルノブイリ、フクシマ)で、神話も何もないだろう、と思うのです。

「10万年に一回」ではなく、大体10〜15年に1回の間隔で起きていますね。

事故が発生する度に、システムの改善が図られていることは知っていますが、今のところ、間隔が延びて行っている様子は見られません。

確信を持って言いますが、多分、世界のどこかで、もう10年後にも原発事故は起きるでしょう。

なぜなら、システムとは、そもそもが、そういうモノですから。

私が覚えている限り、飛行機が墜落しなかった年は、一度もありません。原発だけが、特別と考える理由はないはずです。

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取り敢えず、「原発が安全である」と一番最初に言われた文献まで遡りたいと思っていますが、検索エンジンでも、最近の記事が邪魔で、必要な文献に辿りつけない。

アプローチ間違っているかな?